ペインコントロールについて
最近人の医療でも話題になっているペインコントロールについて少しお話ししたいと思います。
動物の痛みに対する反応はさまざまで、なかには一見まったく痛みを感じていないようにみえて実際は強い痛みを感じていることがあります。過去においては動物は人間とちがって痛みに対して鈍感でそれらをコントロールすることは不要であるように思われていた時期もあったようです。
しかし心電図、血圧、赤血球酸素飽和度(SPO2)、肺胞内二酸化炭素濃度(カプノグラフィー)などのモニター類が使用されるようになるとともに、たとえ全身麻酔下にあっても動物は痛みに対して敏感に反応することがわかってきました。そこで動物にたいして安全にかつ極力不快感を与えずに外科処置を行うために人間と同様のペインコントロールという概念が獣医療にも導入されてきました。
具体的には術前、術中、術後の各段階において何種類かのタイプの違う薬品を使用します。最も一般的に使用される薬はNSAIDと呼ばれる非ステロイド性抗炎症薬、局所麻酔薬そしてモルヒネ、ブトルファノールなどオピオイドと呼ばれる薬品群です。
こうした薬を症状に応じて使用することによって動物の苦痛をやわらげ、全身麻酔薬の量も劇的に減らすことができるようになってきました。
また最近多くみられる老齢動物の関節疾患の痛みもペインコントロールの応用で軽減することができるようになり、老齢動物の生活の質(QOL)が格段に改善されてきました。
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