日本の情報公開法とアメリカ情報自由法の違い

情報公開法・・行政機関の保有する情報の公開に関する法律
アメリカ情報自由法・・Freedom of Information Act,合衆国法典第5編第552条
All Right Reserved,Copyright (C) Yuko Fujii 2001   
日本の情報公開法 USAの情報自由法(FOIA) メモ
施行、改正年
2001年4月1日施行


1966年制定 1974年改正 1976年改正 1978年改正 1986年改正 1996年改正



目的
・行政機関の持つ情報の
 公開を図る。
・行政機関は国民に対して
 活動の説明責任を有す。
・国民の理解と批判の下で
 民主的な行政を目指す。
 国民に対する政府の
アカウンタビリティの履行

・政府活動に対する国民
 の知る権利の実質的な保障。

・政府活動に対する国民の
 監視と参加の実質的な保障。

アメリカでは知る権利は
根本にあるのに対し、
日本の情報公開法では知
る権利という言葉は明記
されなかった。

特殊法人等の情報公開
行政機関の役割を担うため
に必要な政府の外の法人、
いわゆる特殊法人が対象機
関にあげられていない。

(公団,事業団,営団,旧動燃など。)
アメリカでは政府の支配
する法人は適用範囲。

日本では、これらの法人に
対する法整備の充実をする
必要があると謳うだけに
とどまっている。
不開示情報
個人情報、法人情報、
防衛・外交情報、捜査
情報、意思形成過程
情報、行政執行情報
(5条)
国家安全保障、政府機
関内部の人事や慣行、
他の制定法内で開示が
禁止されているもの、
営業上の秘密、政府機
関・内部の覚書・書簡、
個人情報、捜査情報、
金融規制・監督情報、
地質学・地球物理学情報、等(b)

日本の場合、公務員の
守秘義務とぶつかる可
能性あり。(国家・地
方公務員法)日米どちら
も裁量開示は可能。

部分開示
開示請求に関わる行政
文書の一部に不開示情
報がある場合、容易に
区分できるならそれを
除いて開示する。(黒
塗り)ただしその部分
を除いて開示したとし
ても有意義ではないと
判断されたときには、
行政機関の長は部分開
示の義務を負わない(6条)


・開示請求に関わる行
 政文書の内容に不開
 示情報がある場合、
 区分できるならそれ
 を除いて開示しなけ
 ればならない。
 (原則的には開示)
 (b)の後半, (d),
  (a)(2)(C)の前半

・裁判所の裁量により、
 インカメラ審理によ
 って覆審的に審査す
 ることができる。
 (ただし国家安全保障
 は難しい)(a)(4)(B)

不開示情報を抜いたと
きに有意な情報が得ら
れないとして全文不開
示にすることを明記す
るというのはアメリカ
にはない。

文書不存在理由の開示拒否
開示請求対象文書が
もともと存在しないと
きだけでなく、その文
書が存在しているか否
かを答えるだけで、
不開示情報を開示する
こととなるおそれがあ
る場合には、存否を明
らかにしないで不開示
にできる。(8条)
このような開示拒否は
アメリカ情報自由法で
は明記されなかったが、
判例により認められる
ようになった。

(グローマライゼーション)

アメリカの場合、国家安全
保障、外交、プライヴァシー
情報以外には認められない。

日本ではこのように
限定していない。

開示決定期間
・開示決定は開示請求があっ
 た日から30日以内にしなけ
 ればならない。(10条1項)

・ただし開示請求文書が著しく
 大量にあるときには、相当な
 部分は延長によって60日以内
 に開示決定をし、それでも残
 るものについては相当の期間
 内に開示決定をすれば足りる。
 この場合は理由と期限を付した
 書面を開示請求者に通知しなけ
 ればならない。
 (10条2項,11条)
・20日以内にしなければならない。
 (土日、祝日は除く)

・特段の事情がある場合には、
  10日以内の延長期日を指定し、
  請求者にその旨を書面で通知する。
  (a)(6)


手数料の減額・免除
経済的困難などがあるときには、
減額、免除あり。(16条3項)


ニュースメディアの代表や
教育機関の場合には
費用負担が少ない。

公衆の理解に大いに寄与し
うるものとして公共の利益
になりうる場合で、営利的
利益にならない場合は無料
または減額。(a)(4)(A)

日本の情報公開法では、
手数料が安くなる対象が
少ない。
不開示理由の付記
理由の付記は明記されていないが、
情報公開法による開示請求は、
行政手続法でいう申請にあたるため
行政手続法8条が適用され理由の
付記が求められる。

行政機関は、請求を行ったものに対し
請求の諾否の決定、及びその理由、
並びに不利な決定に対しては該当行政
機関の長に不服申し立てをする権利が
あることを告知しなければならない。
(a)(6)(A)
日本の場合
不開示の理由は不開示事由のどれに
該当するか、ただ不開示の根拠規定
を示すだけでなく、その根拠ととも
に了解できるものでなければならない。
(地方情報公開条例判例)

国家安全保障における情報
行政機関の長が認めるにつき
相当の理由があるときには不開示
(5条3項)
適用除外事項にはいっているが、
国家安全保障情報が開示されない
という規定が濫用されないよう
次の要件を設けている。

・大統領命令に定められた基準に
 基づき、国防又は外交政策のた
 めに秘密にしておくことが特に
 認められるもの。

・大統領命令に従い実際に秘密指
 定が正当に行われているもの。
  (b)(1)(A)
日本の情報公開法は、アメリカの
ように法令で定められた一定の基
準を設けていない。

インカメラ審理
日本の情報公開法には裁判所
におけるインカメラ審理は明
記されていない。

アメリカ情報自由法には次の
ことが明記されてある。

・アメリカの裁判所は、情報公開
 訴訟において、開示請求対象文
 書の提出を命じる権限を有する。
 裁判所はこの場合、事件を覆審
 的に審査し、裁判官室で両当事
 者もその代理人も排除して対象
 文書を直接審査できる。

・ただし、国家安全保障などの情
 報は、行政機関の宣誓供述書を
 尊重しなければならない。
 (a)(4)(B)

従来の日本の裁判所ではインカメラ
審理は条文解釈上できないとされて
きた。よって日本の裁判所は開示請
求対象文書を提出させず、又裁判官
が直接その文書を審理することなく、
行政機関側の証人の証言により、
どのようなことが書かれているかを
推認し、開示拒否決定の違法性を
審査するにとどまっている。
(某地方公共団体情報公開条例判例)
挙証責任
原告開示請求者と被告行政機関
のどちらが挙証責任を負うか明
記していない。

行政側が挙証責任を負う。
(a)(4)(B)
明文規定はないが、地方公共団体の
情報公開条例び判例からいって、
被告行政機関側に挙証責任があると
考えられる。

ボ|ンインデックス
ボーンインデックスの提出を
命じる裁判所の権限は明記さ
れていない。

ボーンインデックスの提出を
命じる裁判所の権限は判例に
よって認められている。

ボーンインデックスとは、
開示請求文書を非公開とした場合に
非公開とした情報を非公開の理由つ
きで項目別に整理した要約文書である。
開示判決決定の履行
開示判決を実際に履行させる
強制力をもたない。

裁判所命令に従わないものは
何人であれ、裁判所侮辱罪と
して身柄を拘束できる。
(a)(4)(G)

地方公共団体の情報公開条例に
おいて開示拒否決定の取消判決
が確定した後にも、行政機関が
開示を拒否し続ける事例もある。
情報公開審査会
行政上の救済措置

・審査会はインカメラ調査
 ができる。

・ボーンインデックス提出
 命令ができる。
 (27条)

なし

日本の情報公開法は、アメリカ
情報自由法で認められているよ
うな司法権の介入、すなわち裁
判所のインカメラ審理、ボーン
インデックス提出命令などを明
記していない。
その代わり、情報公開審査会と
いうものを設置し、行政上の救
済措置がおかれている。

訴訟費用・弁護士費用
・訴訟費用
   ・・・敗訴当事者負担

・弁護士費用
   ・・・当事者負担

 原告が実質的に勝訴した場合

・訴訟費用、弁護士費用は国に
 負担させることができる。
 (a)(4)(E)



ネットによる開示
インターネットによる公開は
義務化されていない。



1996年11月1日以降に作成され た記録は、その日から1年以内 に公開されなければならない。 又、行政機関は、1967年7月4日 以降に発表、採択、又は公布 された事項について、最新の 策引を保持し、1999年12月31日 までには公開できるようにしな ければならない。(a)(2)(E)
情報公開にコンピュータネット
ワークの利用は不可欠である。
無料で、また早く自分の求める
情報が見つかるように整備して
いく必要はある、との声が
多く聞かれる。

公開のスタンス
請求に対する情報公開
(5条)

義務的情報公開

各行政機関は1967年7月4日以降に
発表、採択、公布されたもののう
ち、公にしなければならないもの
は、索引を用意し、各索引や補遺
の写しを年4回以上公にし、閲覧
及び複写を提供しなければならな
い。各行政機関は、その索引を
1999年12月31日までにインターネ
ットで入手できるようにしなけれ
ばならない。(a)(2)(E)

日本では行政機関は情報公開
法の適用範囲の情報の提供は
努力義務になっている。
(40, 41条)