神の声?
あれは伊勢志摩方面へカヤックをしに行ったときのことです。
あいにく初日は雨。
ちょっとくらいの雨なら傘さしてでも出航するのですが(笑)
その日は朝から本降り、風強く、ぜんぜんだめ。
状況変わんないかなーっと昼過ぎまで淡い期待を胸に
車で海岸をうろうろしていたのですが
状況は一向に変わらず。
しょうがないんで伊勢神宮でも見てうまいもの食べて寝ちまおうと思い、
伊勢神宮の外宮へ。
わたくし、ジョンレノンに影響されたせいか、バリバリの無宗教のため、
別に伊勢神宮なんて興味ないんですが、ま、有名だしね。
話の種にちょこっと寄りました。
観光名所だけあって人だらけで、10分でメゲました。(個人的に人ごみは嫌い)
やっぱり田舎の誰もいない神社仏閣の方が趣があるなぁ、
などと思いつつ雨がひどいんで内宮はパス。
で、はやめに宿に入り、酒飲んで、
寝てしまいました。
・・・
翌日、
いやあ、お参りしとくもんですな。
若干うねりが残ったものの、快晴、絶好のカヤック日和。
やっぱり伊勢神宮はご利益があるな、
などと昨夜とは全然違うことを考えながら
出航いたしました。
適度に日陰を作る程度の雲、青い空、青い海、微風。
最高のコンディションに岬をひとつまわり、ふたつまわり....
そのうち完全に凪(なぎ)になったので
普段はあまりやらないのですが
次の岬へ近道をしようと沖へ向かいました。
シーカヤックの経験のある人はわかると思いますが
凪いでいる日の沖はほとんど音がしません。
渚や磯の音はとどかないし、波の音もしません。
鳥(カモメとか)もいなけりゃ、その日は船も遠くに見えるだけです。
ただ、パドルが静かに水を漕ぐ音だけが聞こえます。
向こうの岬はまだかなり遠いなぁ。
などと考えていたそのとき、
「おぃっ」
かなりの至近距離で人の声が???
びっくりしましたねぇ。
とっさに、あたりを見回します。
もちろん、だれもいません。
鳥肌がざーっ。そのあと冷や汗がだーっ。
聞き間違いだよな、などとひとりごと。
遠い陸地には人影どころか人家もみえません。
しばらく同じ場所で漂っていたのですが
やおら気をとりなおしてふたたび漕ぎはじめます。
「っーい」
!!!!!!!!!
こんどはかなり離れた方から人の声が???
驚!驚!驚!
首を180度ねじってまわりをみわたしたけど
いや、ほんと、まわりにはひとっこひとりいない。(海の上だっちゅうの)
.....
さすがに怖くなって引き返し始めました。
きれいで深い海って中途半端に底まで見えるから結構怖い。
はるか海底の海草が人の形に見えたりする。
ゾンビの手が水中からあらわれてひきずりこまれたら、
などとわけのわからんこと考えております。
そして..
笑顔引きつらせながらベースキャンプの近くまで戻ったとたん、
なんと、
待ってましたといわんばかりに
波が徐々に高くなりはじめ、
押し戻されんばかりの強風が吹き始めたのです。
なんとか岸にたどりついたものの
全身波としぶきでびしょぬれ。
白波とうねりの海をみつめながら
しばしボーゼンとその場に座り込むわたくしがいました。
いやあ、
後になって考えると
あのまま次の岬へ向かっていたら大変でしたよ。
結果的にはあの声が僕を救ってくれたような気がします。
でも、聞き間違いや勘違いとは思えないんだよなぁ。
もしかしたらあの原因不明の声は
僕に海の怖さをおしえてくれた、
神の声だったのかもしれません。
ps 今度は伊勢神宮の内宮にも寄らさせていただきます、ハイ。
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