運動を開始してなぜ20分後に脂肪燃焼?

”運動を開始して約20分後に脂肪が燃焼する”という話しは有名である。
でもどうして?って聞かれるとほとんどの人が知らない。
この章では脂肪燃焼のメカニズムを理解し、効率良い運動をしてもらう様
アシストしたい。
筋肉が脂肪を燃焼することは既報の通りである。
ではどうやって筋肉は脂肪を燃焼させるのか、いや、なぜ筋肉は運動(収縮)
できるのかを説明する。
筋肉の直接のエネルギー源はATPと言われる物質。ATPがADPに変化する
ときに発生する化学エネルギーが筋肉を収縮(運動)させる。
(ATPとADPについては詳細に説明すると、大変な文章量になるので省略する。)
しかし、筋肉にためておけるATPの量は限られているため、変化したADPを
再びATPに戻さなければならない。このときに使われるのが糖質や脂肪である。
糖質は筋グリコーゲン、脂肪は筋トリグリセリドとして蓄えられる。
糖質はグルコースとして血中に溶けこんでいて、筋線維内でピルビン酸に分解される。
これは解糖系で酸素を必要としない。一方、脂肪は水にとけない為、遊離脂肪酸として
タンパク質の一種であるアルブミンと結合して全身に運ばれる。
また、食事から摂取した脂肪はリポタンパクとなり毛細血管にある酵素リポタンパクリーゼ
によって脂肪酸のみが筋線維に運ばれる。こうして筋線維内で脂肪燃焼
サイクル(TCAと呼ばれる)が動作する。TCAサイクルでは、脂肪酸と、グルコースから
できたピルビン酸とが、アセチルCoAという物質になりADPをリサイクルしてATPに戻る。
これが脂肪燃焼のメカニズムである。
ここで重要なのはTCAサイクル(ATP→ADP→ATP→・・)は酸素が必要であるということ。
TCAサイクル中で水素を水に酸化(実は体内では水素爆発が起きている)
するエネルギーがADPをATPに変えるのである。
では、堆積した中性脂肪はいつも燃焼してるのでは?っていうことになるが、そうはいかない。
血中には食事で得た遊離脂肪酸がいつも存在しており、空腹時にやっと中性脂肪
から分解された脂肪酸が血中に出てくる。だから、ほとんどの場合は食事から得た
脂肪酸のみを使用している。
したがって、運動を始めてから暫くの時間は、食事から得た脂肪酸と筋肉中に
ためておいた筋グリコーゲンが消費され、中性脂肪が分解されるのはその後って
ことになる。その時間がおおよそ20分かかるということである。
勿論、人によっては脂肪酸の血中濃度や筋グリコーゲンの量も異なり、ちょうど
20分ってことはない。目安と思っていただきたい。