++ 国債と金利のはなし ++
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国債と金利のはなし

日常的に、これらの言葉を耳にするのですが、知らないでは済まされないと思いちょっと調べてみました。
政府は財源不足を補うべく国債を大増発していて、「一般個人でも容易に買える、安全?」と言うフレコミで人気が沸騰していますが、調子に乗って国債だけに資産を偏重させていいものでしょうか?

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このページ内のリンク
    ● 1.必ず戻ってくると思い込んでいる・・・!?
    ● 2.金融機関のいう旨い話・メリット  鵜呑みにしていいの?
    ● 3.国債と金利のはなし   値下げをすれば金利は上昇する 裏腹の関係
 

   1.必ず戻ってくると思い込んでいる・・・!?  平成20年度末、公債残高553兆円に上る (さらに増えた)

平成20年度版
<-- 図をクリックすると拡大し、さらにクリックすると原寸になります。
縮まってかすれたように見える場合、Firefox では画像の上でクリックする、IE では右下に出てくる小さな四角いアイコン「通常のサイズに伸ばす」をクリックして元の大きさでご覧ください。

「金貸してくれっ!といってもなにも担保に差し出せる物はないんだけど、国だからってことで信用してちょ」
と、盛んに金融機関などが国債の宣伝をしています。左の図をみると国がサラ金の多重債務者のようになっていて、借金を返すのにまた別の借金をして返済しているのがわかります。いまは毎年発行する国債の半分くらいが借金の返済に当てられている異様な状況になっています。ですから山はたかくなる一方です。

預金や貯金のように返してくれる担保(1000万円まで)がある「預けるお金」と違い、国債はあくまでも第三者に担保もなしに「貸すお金」です。 そしてその借金の証とて国が国民に渡す証文にすぎない紙切れなわけです。(平成15年1月27日以降発行の国債はペーパレスになり「取引残高報告書」で確認することになり紙の証券は廃止され、コンピュータ上のデジタルデータだけになった ・・・だいじょうぶかなぁ!?)

かつての戦時国債のごとく、踏み倒されてまさに紙くずになった事例があるように「いつまでもあると思うな、親と金」と心得えて、担保がないわけだから「もう戻ってこないかもしれない!?」と思って貸すぐらいの覚悟がないといけないということでしょう。

上図は財務省が発表している「 公債残高の累増 」のグラフ・数値データをそのまま使っています。
余談ですが、

    このデータ http://www.mof.go.jp/jouhou/syukei/sy014/sy014d.htm  は表玄関から鋭意探しておりましたがやっとルートが判明しました。逆から戻ることは不可能でしたが、キッコナンに頼まなくともなんとかわかりました。
    トップページから「予算・決算」と書いてある小さな絵柄 → 「 日本の財政を考える(パンフレット)」 → 「3.公債残高の累増」 と辿りつけました。

    たまたまこのページを見つけた人もこのページからはどこにもリンクが張ってないことに愕然とするはずです。途中のディレクトリはすべて「Forbidden You don't have permission to access ・・・・・・ on this server.」とつめたい仕打ちで迎えてくれます。ようするに財務省のトップページにしか戻れないというすごい代物です。よっぽど見てほしくないんだということでしょうか?
    ほんとうに広く見てほしければ、どんな奥深いところにあっても、どこからでもリンクを辿って見やすくするものです。困ったもんです。

    このページでしっかりとさらしときます。


● 平成19年度末の公債残高は547兆円に上ると見込まれている。

● 平成18年度末の公債残高は 542兆円 程度にも上ると見込まれている。

1.公債残高は各年度の3月末現在額。ただし、17、18年度は見込み。
2.特例公債残高は、国鉄長期債務、国有林野累積債務等の一般会計承継による借換国債を含む。
3.平成18年度末見込みの残高は、財政融資資金特別会計の金利変動準備金からの繰入(12兆円)を見込んだ額。
4.17、18年度の翌年度借換のための前倒債限度額を除いた見込額はそれぞれ、506兆円程度、517兆円程度。

   2.金融機関のいう旨い話・メリットを鵜呑みにしていいの?

で、国債のメリット(いわゆる宣伝文句)とその対極にあるデメリットをきちんと明らかにしているかを、いくつかの金融機関のホームページで拾ってみると、(順不同、独断と偏見の評価欄 )
私の独断と偏見のコメントは青文字に色を変えてあります。
金融機関 宣伝文句 デメリットのわかりやすさ
財務省
もちろん、従来の国債と同様、日本国政府が発行する非常に安全性の高い金融商品です。
-->ここ ・・・リンク切れ

「非常に安全性の高い・・・」とはよ〜く考えられている作文です。
「副詞+抽象名詞+形容詞+・・・」と、なにひとつ確約とか断定している用語を使ってないところが、さすが優秀な従業員を抱えている財務省です。
安全性が高いことと支払ってくることとはなんの関係もありませんね。

政府が保証して支払うとでも書いてあればまだしも、そうかといって紙切れのお札では意味がなくちゃんと担保になりうる世界で普遍的な価値がある金塊でその金額分をもっていればいいですが、しかし他の先進国と違い多くの金塊を持つことはアメリカの指示で許されていないのでどうすることもできません。

これを見て、安全?--> 必ず払ってもらえる! と国民が勝手に思い込んでくれることを期待しているのか、しかしこれでは思い込んでしまう人が一人や二人ではないはずで、こういう無責任な作文は即刻削除すべきです。

財務省としてはとにかく新規買い手を見つけ続けてゆかないことにはその先破綻が待っていることは重々理解しているので、このような誘惑に満ち満ちたことでも書かざるを得ないところまできているということでしょう。少なくとも2003.3の時点では存在しなかったのでこのページ(リンク切れ)の新設とともに登場したのでしょうか

これが書いてあったからといって、たとえ不幸なことが起きたとしても財務省がこれを根拠に訴えられることもありませんし、とにかくうまい書き方をするものです。恐れ入りました。
また、よ〜く探してみると「利子は半年に一回、元本は償還時に確実に支払われます。」と苦労して作文をしている箇所もあります。
契約にこんな副詞が登場するのはみたことがありません。「確実に・・・・」もクソもない、「払うなら払う」、ただそれだけで。それを補強したければ「支払いを国が保証する」と書くだけです。
これをみると、チョット見には払ってくれるんだなぁ・・と思い込むかもしれませんが、保証するという用語が使えない、なんとも涙ぐましい努力の跡が見てとれます。

2009,6 「見直すとあんしん」って、 安心のこと?
mof200906_s.jpg
×「とてもじゃないが、発行元がそんなあからさまなこと書けない!!」ということか?



※※
リスクの注意書きをどうしても見つけられない。
これはマズイ。
大和證券 個人向け国債は、元本と利子の支払いを日本国政府が行うため、安全性の高い金融商品ですが、発行体である日本国の信用状況の悪化等により、元本や利子の支払いが滞ったり、支払不能が生じるリスクがあります。 はっきり明記されている
りそな銀行 個人向け国債は、元本と利子の支払いを日本国政府が行うため、安全性の高い金融商品ですが、発行体である日本国の信用状況の悪化等により、元本や利子の支払いが滞ったり、支払不能が生じるリスクがあります。 はっきり明記されている
三井住友銀行 発行体である国の財政難等により利払いや償還が遅延したり、不能になるリスク(デフォルト・リスク)、繰上償還や買入消却が行われ、当初の満期償還日まで運用することができなくなるリスクがあります。 はっきり明記されている
○○銀行 満期日の元本の償還や、半年ごとの利子のお支払いは、国が責任を持って行いますので安心です。 ×
○○○○証券 日本国政府が責任をもって行いますので非常に安全性が高い債券です。 △ でも、「非常に安全性が高い・・」は誇張しすぎでは!?
○○○○証券 なし ×
○○信金 日本国政府が責任を持って発行しており、満期時には元本(額面金額)をお返しいたします。 ×
○○銀行 なし  
ゆうちょ 確実な財産づくりに。国債は、国が発行する債券です。 赤字で目立つところに明記されて完璧
○○證券 日本国政府が利子と償還金をお支払いする債券で・・・
商品券(JCBギフトカード)をプレゼントいたします。
○○○○証券 個人の方ならどなたでもご購入できます。

とてもすべては調べれきれませんが、デメリットを明確に表記している「ゆうちょ」は特筆で、その他はちゃんと書いてあるところのほうが少ない傾向が見受けられました。(改善されてきたもよう2009.6)。
宣伝文句も書かれてないならまだ許されますが、派手に「国が責任をもつ」とか「安心です」とかをうたっているページも目立ち、いかがなものかと思います。これらの金融機関にはきちんと答えてもらいたいものです。

     どう責任をとるんですか?
    何が起きても、最後は国が責任をとるんですか?
    その責任の担保はあるんですか?
    安心って何を根拠にゆってるんですか?


確かに、満期まで売らずに持ち続けていれば、 元本が還ってきて、途中の利息も手に入るかもしれないです。
しかし、この前提としては「なにもかもうまくいっている」ということが必須です。
もし、ある日投資家たちが日本の逼迫した財政状況をにらんで「この先国債をもっていても、利息はおろか元本すら返ってこないかもしれない!?」と判断し、つぎつぎに売却を始めたらその売られた国債に新たな買い手がつかず、国債の需要が低下します。その結果国債の価格が暴落するという最悪のシナリオ想定され、理解しておかなければなりません。
「個人の金融資産が一千数百兆円あるから、政府がしている借金の額はたいしたことない!」と、ときどき永田町の住民がゆってたりしいますが、そう思いたいだけの心情論のような気がします。

   3.値が下がれば、売るためには金利を上げないと売れない よって金利が上昇する 裏腹の関係

繰り返しになりますが、国債が大量に発行され続けばいずれ人気がなくなるとか、 または、投資家たちが国債を売却しはじめるなどで需要・供給のバランスが崩れるときがくるやもしれず、そうなったら確実に国債が売れなくなる事態が起きるでしょう。
心情的にはだれも想像したくもありませんが、しかしそもそもが危うい仕組みの上で動いているものなので、かつ、絶対的なもので担保されてない以上、あらかじめそういう事態も想定しておかなければなりません。
万が一、そんな事態に陥り、 国債が売れなくなれば、「値下げ」して売ることになります。もはや定価では売れなくなり、価格を下げないと誰も買ってくれなくなります。それを見ていた買い控えをしていた人は「安くなったので買おう!」と心が動くかもしれません。(この人のようにリスクを覚悟の上で一儲けしようとスケベ根性を出した人が買うこともあるかもしれない)
このように、政府がどうしてもお金がほしい場合は値下げざるを得なくなります。

国債の値下げをすること = 国債の利回りが上がること

下の図はこの関係が少しでもわかりやすいようになればと、私が考えたイメージ図です。もちろんこれで厳密に表現できているかという自信はありませんが、理解の助けになれば幸いです。
国債の価格と金利の関係を模式にした図です。
これで価格が下がることと、金利が上がることの関係が視覚的につかめるのではないでしょうか。
また、国債の利回りは長期金利の指標になっている ので、もし、国債の価格が下がり利回りが上がったら長期金利もつられて上がることになります。さらに長期金利の上昇は、当然に、短期金利の上昇のつながります。

いまのところ国債の市場は需給バランスを保っていて、価格の大きな動きはないですが、どんな要因でこのバランスがくずれるかもしれず国債を持っている人ならば他人事ではすまされないと思います。
ちなみに長期国債利回り推移(過去 3年)のなどのデータが日本相互証券株式会社のページに載っています。http://www.bb.jbts.co.jp/data/index_kinri.html

おせっかいな格付け会社 S&P は 日本の長期国債格付けをダブルAからダブルAマイナスへ引き下げたり、また同様なおせっかいな格付け会社ムーディーズがダブル A マイナスに下げたりしていますので関心を持ってみていく必要があります。



例題の満期が10年固定利付2%の国債を定価100万円で購入した場合の利回りの計算をしてみます。
利払いは100万円×2%=2万円(1年あたり)
元本100万円は10年後にそのまま支払われます。
この場合の利回りは「 使ったお金に対する儲かったお金の割合 」のことなので
2万円÷100万円=2% となります。

ここからは仮定の話になりますが、
もしこの国債が売れ残り90万円に価格が下がって、友達の B さんが購入したとします。
100万円+2万円−90万円=12万円 すなわち価格が下がるのを待って買った B さんは12万円儲けたことになります。
このときの利回りは
12万円÷90万円=13% となり定価の時の2%に比べてあがっています。

この事態になって、この先が心配になった友達の C さんは持っていた国債を売りたくなったが、もはや元本では売れなくなり結局損に目をつぶらざるを得ないことになります。

このように国債の価格が下がれば国債の利回りが上がる仕組みがここにあります。

用語:

    ● 利回り とは、
              儲けたお金÷使ったお金= で計算され、
         国債の場合の実際の計算式は、
                年平均利回り={ 利率+( 額面−時価 ) / 残存年数 }÷時価×100


    ● 利息利子 は同じものです。(利息の息は息子の息で、利子の子は子供の子で、ともにこどもと引っ掛けて理解すればいいです)

    ● 利率 は、元金に対して何%の利子がつくかをあらわしたもの。一般的に1年当たりの割合を示しています。日歩○銭とあらわすこともあります。


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