厚生省は生活環境審議会で廃棄物政策の審議をしていて、それが一区切り付いたので、PCの募集を行っています。パブリックコメントとは、簡単に行ってしまえばあるテーマについての一般からの意見募集であり、頻繁に各省庁で行われています。最近はメールでの応募も可能となったので、以前より応募しやすくなっています。
しかし、これは儀礼的なもので(俗に言うガス抜き)、募集した意見で結果が変わると言うことはないと思う。(全てのPCが公開されるわけではないが、)
私の送ったPCも抹殺されてしまうのだろうな。っということで、自分のホームページで公開することにします。私の意見に賛同される方は、文章をコピーして厚生省にメールを送ってやってください。
厚生省の説明をすぐ下に、私の送ったPCをその下に載せます。
今後の廃棄物対策の在り方に関する意見・提案の募集について
厚生省では、リサイクルを推進し焼却や埋め立てる廃棄物をできる限り少なくする循環型社会へ転換するための検討を進めています。
このため、平成10年10月30日に、生活環境審議会に「今後の廃棄物対策の在り方について」を諮問し、審議会では関係省庁や各種団体から御意見・御提案を伺い、意見交換を行ってきております。
また、審議会では、広く一般の方々からの御意見・御提案を募集するため、5月21日まで御意見等の募集を行い、参考資料として添付した御意見等をはじめ、数多くの貴重な御意見等をいただきました。
そこで厚生省としても、広く一般の方々からの御意見等の募集を行い、部内の検討作業に役立てることにいたしました。廃棄物対策に関係する御意見等であれば、政策に関係するものから身近な体験まで内容を問いませんが、特に実体験に基づく御意見等を歓迎します。
いただいた御意見等は、必要に応じ審議会に報告し、審議に活用することも考えております。
なお、審議会に報告された御意見は、住所及び電話番号を除いて審議会資料として厚生省において公表することとしております。
この下が私の送ったPCです
@廃棄物の徹底管理
(1)焼却の問題
現在の廃棄物処理は「衛生管理」の名の下に焼却処理後の埋め立てが主流である。しかし、この廃棄物処理方法は解決できない大きな問題を内包している。まず、焼却時及び焼却灰に含まれるダイオキシンの問題である。現在の廃棄物の焼却は一廃、産廃を問わず、ダイオキシンの発生を大幅に削減することは可能であっても「ゼロ」にすることは理論的に不可能である。ダイオキシンが自然界で短期間に分解される物質であればある程度の排出は問題ないが、ダイオキシンの場合、自然界で短期間に分解されることはほとんどなく、逆に生物濃縮により蓄積され、近海の魚介類等においては将来的に無視できないダイオキシン濃度となることも考えられる。これにより、我々の安全な食生活や近海漁業に多大な影響を及ぼすことが懸念される。従って、廃棄物の焼却は全面的に禁止するか、ダイオキシンを発生する可能性が全くないもののみ分別して行うべきであると考える。これは、国民の健康や公衆衛生を管轄とする厚生省が率先して考えなければならない問題ではないか。
(2)廃棄物埋め立ての問題
もう一つの廃棄物処理の問題点は埋め立て処分の問題である。廃棄物学会では管理型最終処分場からの有害物質の漏洩は避けられないというのが常識であるし、先日遮断型最終処分場からの有害物質の漏洩が報道された。最終処分場はその構造が地中に廃棄物を埋めるというものであるため、回避できない問題がいくつかある。一つは有害物質の漏洩を発見することが非常に困難であるということ。特に事前に発見することはほとんど不可能である。二つ目は仮にそれを発見したとしても遮水シート等の修復が非常に困難であるということ。三つ目は有害物質の漏洩を発見したときには既に土壌や地下水等を汚染しており、それらを完全に回収、修復することは不可能であると言うことである。これらの問題点は環境マネジメント的な視点では、環境に与える影響が大きくかつ予防が困難であるとして、最も改善しなければならないものにあげられるであろう。以上の点を考えると、「埋め立て」という方法は廃棄物の最終処分方法にとっては不適切であると言わざるを得ない。
そこで提案であるが、廃棄物の最終処分の方法は次の二通りに限定するというのがいいであろう。一つは「埋め立て」が可能な廃棄物は有害物質を含まず、かつ自然に帰る物質に限定する。今ひとつは有害物質を含む廃棄物は埋め立てをせず、地上の構造体の中で、管理可能な形で保管すると言うものである(例、倉庫の中でドラム缶保管等)。
現在、最終処分場の残余年数は短くなり、新規立地が地域住民の反対で非常に困難な状況である。これは最終処分場が危険なものとして考えられているからであり、事実危険なのである。このような状況を鑑みると、廃棄物を徹底管理・分別し、安全なもののみを埋め立てることを保証しない限り住民の賛同を得ることは不可能であろう。これはいくら公共関与で行ったとしても変わるものではない。厚生省は現在の「埋め立て」の危険性を直視するべきである。
なお、これらにより廃棄物の処理コストが上昇するという指摘があると思うが、処理コストの上昇は大いに結構なことである。このコストは直接的な廃棄物処理コストであり、これらのコストを排出者が負担することを明確にすれば、廃棄物の排出抑制につながるからである。そして、廃棄を避けるために一方通行であったものの流れが循環型になり、廃棄物の減量化のみならず、ひいては社会の効率化につながるであろう。また、現在の処理による汚染を管理(例えば最終処分場の半永久的な管理)するコストを考えた場合、一概に処理コストの上昇とは言えないであろう。なお、不法投棄へは厳罰をもって対応するべきである。
A無秩序な製造者責任の拡大の制限(EPRではなくLimited EPR)
@のことを現実化し、実行するためには廃棄物の減量化および再使用が避けられない。そのために、製造者の責任を拡大し、使用済みの製品まで製造者に責任を持たせようという拡大製造者責任(拡大生産者責任と言われる場合もあるが、生産者とは一次産業にもあてはまり、この場合は二次産業のみが対象であるため、製造者という表現がふさわしいと考える)の導入が叫ばれている。製造者が使用後の製品に関して責任を持つことは、製品の循環可能性を高めるためには必要であるので、拡大製造者責任は導入するべきであろう。しかし、議論の中で使用済みの製品の責任を全て製造者に負わせるべきであるというものも聞かれる。しかしながら、製造者本来の役割はものを世の中に生む出すことであり、処理することではない。そのため、製造者に全てを任すことは逆に社会が非効率になることも考えられる。新たなシステムを考える場合は製造者だけでなく、国や国民、自治体の役割も考え直し、社会的に効率がいい形の役割分担とするべきである。
廃棄物の処理は社会全体の枠組みを変えるほど大きな問題です。従って、稚拙なシステムをつくるより、各方面や他省庁等とオープンな議論を重ね良いシステムを構築して下さい。しかし一方で、廃棄物の様々な問題は至急取り組まなければならない問題です。大変でしょうが頑張って下さい。
今後の廃棄物対策の在り方に関する意見・提案〜第2弾
今後の廃棄物対策の在り方に関する意見・提案について、再度意見を述べさせていただく。先日の生還審の「廃棄物行政プロジェクト報告案」(99年6月14日)において今後の廃棄物処理のあるべき姿が案として、提示された。廃棄物の減量化および適正な処理というこの報告案の方向性はおおむね評価できる。しかし、今後の廃棄物処理を提言する上で必要でありかつ非常に大きな問題が欠落しているので指摘したい。
@廃棄物処理コストの透明化
一つは、一般廃棄物処理コストの透明化という点である。現在の廃棄物処理費用は自治体単位に、そして一般会計上で処理されており、さらに処理施設には国からの補助がある。そのため、本当に廃棄物処理にいくらコストがかかっているか、非常に不透明である。また、今後、廃棄物処理コストは、ダイオキシンの抑制やリサイクルの推進等による処理の水準を上げていくに伴って上昇することが予想され、さらに一般会計を圧迫することは明らかである。
電気、ガス、水道などの他の公共サービスは完全とは言えないが、受益の量に応じた料金となっており、廃棄物の処理だけが税金で行われている。他の公共サービスは民営化、さらには規制緩和による市場原理の導入により、より、効率を上げる方向に向かっている。
さらに、案では廃棄物処理費用の有料化によって廃棄物の発生を抑制するとのことであるが、有料化の目的をはっきりさせる必要があるだろう。つまり、排出者責任として、廃棄物処理コストの負担を目的として有料化を行うのか、あくまで廃棄物の発生を減量化に導くことを目的として有料化するのかによって、そのありかた、目的は大きく異なる。例えば、排出者責任とするならば、廃棄物処理コストを明確化し、そのコストを排出する量に応じて分担することになるが、減量化が目的であれば、減量化に効果がある費用を設定することになろう。後者の場合、その費用は、減量化の効果のために、廃棄物処理コストの一部であるかもしれないし、また廃棄物処理コストを超えて徴収しなければならないかもしれない。現状の案では目的がはっきりしておらず、安易な有料化の提言と言える。
廃棄物処理コストの有料化は、「廃棄物処理費用を明確化し、そして受益者がその負担を行う」という原則を明確にし、そして「そのコストを削減させることにより効率化を進める」という方向性を明確にするべきではないか。さらに、廃棄物の減量化を進める必要があるのなら、環境税的な料金を上乗せすると言う方法が良いであろう。いずれにせよ、市民の納得を得るためには、廃棄物処理コストと支払料金の透明化が必須となる。
A廃棄物処理の事業主体
廃棄物処理コストを明確にし、そのコストを削減することによる効率化を図ることと同時に、廃棄物処理の事業主体の見直しも必要であろう。
現在廃棄物処理は自治体固有の事業であるが、今後の廃棄物処理はリサイクル、ダイオキシン等の問題を考えた場合、技術的、コスト的、社会効率的に、現在の自治体という単位で対応することは事実上不可能と言える。その結果、廃棄物処理は広域化せざるを得なくなるだろう。
そのときに単に自治体が協力して処理を行うと言うスキームにするのではなく。廃棄物処理を効率的に行うためにはどのような事業主体がよいのか、改めて検討する必要があるのではないか。この検討ではその事業主体の民営化も含められなければならない。またその際には、収集・処理・処分を1社で行うか、分割するか、それぞれの地域的範囲の検討等が必要となろう。
公衆衛生上重要だから民営化できないという理屈は成り立たない。電力やガス等も生活に欠かすことの出来ないライフラインであり、それらは立派に事業を行っている。廃棄物処理のみを聖域化するのではなく、他の公共サービスと同様に費用の明確化や透明化、事業主体の民営化、市場の規制緩和等を検討する必要があるといえる。