直近の独り言はこの下にあります。スクロールしてみて下さい。過去の独り言もみることができますのでどうぞ!

98年1月の独り言へ

98年2月の独り言へ

98年3月上旬の独り言へ

98年3月下旬の独り言へ

98年4月上旬の独り言へ

98年4月下旬の独り言へ

98年5月上旬の独り言へ

98年5月下旬の独り言へ

98年6月上旬の独り言へ

98年6月下旬の独り言へ

98年7月上旬の独り言へ

98年7月下旬の独り言へ

98年8月上旬の独り言へ

98年8月下旬の独り言へ

98年9月上旬の独り言へ

98年9月下旬の独り言へ

98年10月上旬の独り言へ

98年10月中旬の独り言へ

98年10月下旬の独り言へ

98年11月上旬の独り言へ

98年11月中旬の独り言へ

98年11月下旬の独り言へ

98年12月上旬の独り言へ

98年12月中旬の独り言へ

98年12月下旬の独り言へ

99年1月上旬の独り言へ

99年1月中旬の独り言へ

99年1月下旬の独り言へ

99年2月上旬の独り言へ

99年2月下旬の独り言へ

99年3月上旬の独り言へ

99年3月中旬の独り言へ

99年3月下旬の独り言へ

99年4月上旬の独り言へ

99年4月中旬の独り言へ

99年4月下旬の独り言へ

99年5月上旬の独り言へ

99年5月中旬の独り言へ

99年5月下旬の独り言へ

99年6月上旬の独り言へ

99年6月下旬の独り言へ

99年7月上旬の独り言へ

99年7月中旬の独り言へ

99年7月下旬の独り言へ

99年8月上旬の独り言へ

99年8月中旬の独り言へ

99年8月下旬の独り言へ

99年9月上旬の独り言へ

99年9月下旬の独り言へ

99年10月上旬の独り言へ

99年10月下旬の独り言へ

99年11月上旬の独り言へ

99年11月下旬の独り言へ

99年12月上旬の独り言へ

99年12月中旬の独り言へ

99年12月下旬の独り言へ

2000年1月上旬の独り言へ

2000年1月下旬の独り言へ

2000年2月上旬の独り言へ

2000年2月中旬の独り言へ

2000年2月下旬の独り言へ

ホームページへ


平成12年3月8日の独り言「就職希望ランキング」

3月は卒業、4月は就職シーズンであるが、既に学生の間では来年の就職活動が山場を迎えている。我々の時の就職活動は就職協定なるものがあって、10月1日にならないと内定も出ないというような時代だった。今はまだ、4年生が卒業する前に、もう3年生が就職活動である。内定が出てから実際に就職するまで1年以上も期間がある。今の時代、特に情報通信企業など、1年の間に企業の序列が変わっていたり、また、この激動の時代、合併等により内定企業が就職を希望していた企業でなくなっていたりする場合もあろう。

「この会社の今なお残る日本的なところが選考の理由です」などと志望理由を言っていたら、外資系との資本提携により経営権を外資系企業に譲ってしまっていたり、「少数精鋭の小回りの効く会社であるところが魅力です」などと言っていたら、大合併で巨大企業になってしまったりと、えらい時代になったものだ。しかし、既にその企業に慣れ親しんだ従業員の方が、新卒の社員より大変な訳ですから、新卒内定の方はしっかりしたと考えを持って「行く」のか、「行かない」のかを決断しましょう。

また、変わってしまったのは就職活動のスケジュールだけではない。希望の企業ランキングも様変わりだ。先日、日経新聞に就職希望ランキングが載っていたが、男女共、また、文科系・理科系共に1位はソニーだ。志望動機は「技術開発力がある」「仕事が面白そう」「一流である」に加えて、将来性、国際性、広告・マーケティングなど多項目で評価が高かったようだ。株式マーケットと同様の見方出あろう。

我々の時代はバブル絶頂期で金融機関が就職希望ランキングの上位を独占していたが、今では本当に疎らにしか目に付かないのは寂しい限りだ。唯一銀行の中で10位以内にランキングされるのが公的資金に頼らない東京三菱銀行。また、バブルで痛手を被らなかった東京海上火災保険の2社である。

日本の金融機関がグローバルに金融の世界で勝負するためには優秀な人材が必要なことは言うまでもない。また、銀行は企業・個人の重要な情報を扱う企業でもあるため高いモラルも必要とされる。従って、そういう社員を確保するためには十分な報酬を用意する必要があることも必要であろう。現在の忙しいし、給料も上がらない、という状況では優秀な人材は集まり難い。石原都知事に銀行から税金を取ってやると責められるのもイメージが悪い…。我々金融機関に勤める者は金融機関、銀行のイメージをアップすることに力を注ぎましょう。

以下は今年のランキングである。ソニーが株式マーケットの見方と同様に新卒学生に買いの目でみられているとしたら、このランキング上位の株は長期保有の資産株には“もってこい”かもしれない。ということで、ご参考までに掲載しておく。但し、今の学生は終身雇用を前提に企業を選んでいないことも事実。流行が過ぎれば…、ということもご考慮に(これも株式マーケットと同様か?)!

総合ランキング男子         女子

  1. ソニー         ソニー
  2. NTTドコモ       NHK
  3. 東京海上        ベネッセ
  4. 東京三菱銀行      サントリー
  5. トヨタ自動車      全日空
  6. 松下電器産業      JTB
  7. 電通          NTTドコモ
  8. 本田技研工業      東京海上
  9. NTTデータ       資生堂

9.JR東日本       10.日本IBM


平成12年3月7日の独り言「国債管理政策」

ドイツは通貨統合後も国債の競争力強化に向けた国債管理政策を積極的に展開する方針である。

先月16日アイヒェル蔵相はアーサー・アンダーセンの提言に基づき、政府保有の子会社として国債管理機関を設立する計画を発表した。

同蔵相は「ドイツの国債管理は従来のようにドイツ非居住者のマルク選考に依存できなくなった。市場の発展を受けてより多くの専門家を民間からも採用して決定過程を迅速化する必要に迫られている」と説明し、会社法人化により給与・待遇に柔軟性を持たせることで最新の金融技術を持った人材を引き付ける方針を示した。

具体的には、法改正を経て今年10-12月期にも有限会社が設立され2002年には大蔵省、ドイツ連邦銀行、連邦債務管理局の3行政組織にまたがっていた国債管理業務が子会社による一括管理下に置かれる予定である。

このことについては事前に知っていた方もいらっしゃったのかもしれないが、私は残念ながら初耳で発表に驚いた。ドイツほど堅物な国はないと思っていたからだ。積極的に構造改革に取り組もうとしているのが分る。しかも、マーケット原理を使ってより効率の高い組織運営にしようとしている。そのため公務員の出向ではなく広く民間からの登用を行なう旨の方針なのである。

ここへ来て、ドイツ政府は2001年・2003年・2005年と段階的な所得減税や企業の持ち合い株の解消にともなうキャピタルゲイン課税の廃止などの減税を行なう方針を打ち出したり、また今回はこの国債管理法人の設立発表である。これらは、ドイツがかなり踏み込んだ構造改革にチャレンジしていると言って良い事例のひとつであろう。

それに比較すると日本の構造改革はまだ生ぬるいと感じるのは私だけでしょうか?日本政府もアーサー・アンダーセンにコンサルタントを依頼してみます?ねぇ、小渕さん。


平成12年3月6日の独り言「金利と株価」

昨年から4回に渡ってFRBは政策金利の引き上げを行なっている。流石に金利の上昇はニューヨーク・ダウを始めとして株価の上昇に歯止めをかけはじめた。しかし、ハイテク株銘柄(ネット株銘柄)の多いNASUDAQについては上昇の勢いは収まるどころか、加速している。

その状況に対しての最近のマスコミや、エコノミスト、ストラテジストの解釈にはどうも戴けないものが多い。「オールドエコノミーの会社は借り入れ金があり、金利上昇の影響を受けるが、ニューエコノミーの会社は株式で資金調達を行なっており金利上昇の影響は限定的である」というようなものである。

一義的には間違いではないかもしれない。また、二極化を説明するほんのひとかけらの理由にはなるかもしれない。しかし、株価と金利という関係はそういうものではない。現在実現している株価はその企業の将来の価値(将来稼ぎ出すであろう利益の分配を含む)を現在価値に引き直されたもの(割り引く)ということが言える。その時の割り引くために使う重要な要素が金利(ディスカウント・レート)である。

将来の企業価値は変わらなくても、その金利が上昇することによって割り引かれた後の現在価値(株価)は小さなものとなるのである。従って、金利が上がると企業の将来価値は変わらなくても、現在価値は金利が上がる前の現在価値よりも小さくなることから、その差の分だけ割高ということになるのである。そのため、金利が上昇すると割高を修正するために実際の株価が下落するのである。

金利が上がっても株価が上昇するというのは、金利が上がって現在価値が下がる分以上にその企業の将来価値が上がるということが必要になる。もし、そうであれば、その企業の株価は割高ではなく現在の価値も上昇出来るのである。好景気の中、金利が上がっているのに株価が上がる現象がみられるのは、金利の上昇による現在価値の減少分よりも好業績が期待でき企業の将来価値の上昇の方が大きいからに他ならない。

不況下の株高というのはその反対で景気後退の最終局面に近づくと、企業の将来価値の下落よりも、逆に割り引く金利が下がることにより現在価値が上昇するという現象によって引き起こされるということである。最近の日本の株高もバリュエーションの見直しが入ったことによってもたらされたと見ても良かろう。

従って、上記のエコノミスト、ストラテジストが小学生を騙すかのような理屈を並べられていらっしゃるのには注意したほうが良いということである。以上、私の小言でした。

<<<おまけ>>>GSのアビーコーエン女史はナスダック指数の予想はかつてから行なって来なかったが、割り安であるとは言っていた。しかし、流石に最近では彼女も「割安ではなくなった」とコメントしているようである。


平成12年3月3日の独り言「匠」

昨日のワールド・ビジネス・サテライトで取上げていたが、日本の製造技術の高さは素晴らしい。特に、原子力発電所などで使用する部品など、機械で作る大量生産のものでは無く、人の感覚を頼りに微細な加工を施すものである。そういう会社はこの不況期にも大変活況であるようだ。

使い捨てバブル時代にその技術を蔑ろにし、機械による薄利大量生産へ移行した工場は今、この不況に苦しんでいるという。機械に頼った生産は技術者が変わっても、誰でもその商品を作ることが出来る。企業の永続性という観点からは再現性という重要なものを手にいれているのは事実である。

反面、たたき上げの人の技術というものは一朝一夕には作れないだけに、その意味での差別化は図れる訳であり、そこにその会社・工場の優位性が保たれ、不況期にも受注は減少しないのである。確かに好景気で追風が吹いている時には大量生産とはいかないので、目の前を通り過ぎるチャンスを見過ごさなければならない悔しい時期もあるかもしれないが…。

そういう「匠」と言われる技術を持つ会社の社長の悩みはその技術の伝承である。自分自身がたたき上げで自分の感覚で学んだものだけに、その技術を伝えるのも一朝一夕にはいかない。

この悩みは全然違う業界ではあるものの、運用という世界でも同様であろう。アセット・マネジメントも一種の「匠」の世界である。これは個人の感覚で技術を研ぎ澄ましていかなけれはならない仕事である。マニュアル化すれば誰でも出来るというものではない。確かにファンドマネージャーが変わっても、普遍の運用スタイルを保てるというのは大切なことであるのは否定はしない。再現性のある運用というのが顧客からしてみれば非常に大きな安心であることも事実であろう。

しかし、この「匠」の世界はそんなに簡単なものではない。運用機関として大事なものはこの「匠」の伝承である。前出の工場といっしょだ。我々運用者は「匠」の技を磨くことと、その伝承に力をそそぐことが求められていると考える。そのためには情報の共有化と一人一人が持つ経験という固有の知識を誰でも理解できる「形式知」に換えるという「ナレッジ・マネジメント」の高度化が必要であろう。私はそういう組織作りを推し進めたい。


平成12年3月2日の独り言「Yoshihide'sレポート(Bond Bombshell)そのA

ただ長期債イールドの変動ぶりはあまりに急で、先の財務省の会見だけで説明し尽くせない。他の要因が働いた筈だ。有力視されているのは、米最大の債券ファンドPIMCOのファンドマネージャーでとんでもない高給取りの、ビル・グロスが動いたとの説。グロス自身、自らが入れた債券の大量の買いとその後の成り行きについては御満悦のご様子で、「ウチにもちょっとばかり責任がありますかねぇ。」と認めている。

そう、「ほんのちょっと」なのだ。グロスの烱(慧)眼と申せ、そはつまり他のファンドマネージャーに先見の明なきを鏡さながら映すものにて候わず哉?(『葵〜徳川三代』の光圀公風)彼らは自らが管理するポートフォリオのデュレーション(残存期間のみでなく、残余の利金のキャッシュフローをも考慮に入れた指標)を短くすることで運用成績を押し上げようと試みてきた。この投資戦略は長期債の価格が急降下した時には効果があった。価格が上がる段になり、ファンドマネージャー達はほぞをかむことになる。全銘柄中に占める残存期間10年超の債券(の額)は3分の1に達する。

長国へのニーズがあるのは債券ファンドのマネージャーに限ったことではなく、モーゲージ債(多量の住宅抵当債権を担保にした仕組み債)が良い例だ。抵当権を組んだ借り手には期前弁済が認められているが、金利低下局面ではこうした弁済ニーズが増える。結果、仕組み債のデュレーションは短期化(低下)する。ゆえに従前のデュレーションを維持したいマネージャーは(長期)国債を購入することになる。

長国のニーズがかくも旺盛なもう1つの理由に、投資銀行は自らの保有する社債や金利スワップのヘッジに今でも国債を充てていることが挙げられる。国債は、例えばスワップに比べて、流動性が高く(ゆえに低コスト)、従来ヘッジ手段としては妙味があった。逆に国債とスワップのプライス・トレンドとは必ずしも同じ歩調を取るわけではない。これが全く違ったりする。

イールドカーブが逆転 すると、(現物=売りのポジションを建てていた向きが張っていた)ヘッジ・ポジション(固定受/変動払)をたたむため更に現物債の手当てに追われることになり、ここからスワップ市場にも大きな混乱が生じる。巷間伝わるところによると − 当人は否定したが、今だにくすぶっている − 巨額のスワップ・ポートフォリオを組むので有名な米保険会社、ジェネラル・リインシュアランス社がポジション閉鎖を余儀なくされたらしい。

金利がかくも混乱している背景には、主に2つの要因が働いている。1つは投資銀行ヘッジファンド共に、依然に比べリスクを取ることに消極的になってきていること。両者に共通するのは、リスク軽減の手法としてすっかりお馴染みとなったヴァリュー・アット・リスク(以下『VAR』)なるリスク・モデルを採用していることだ。VARは、字義通りには(in a descriptive sense) 、今どのくらいのマネーが失われようとしているかを知らせるためのモデルだ。斯く有れかしということであれば(in a prescriptive sense)、あるべき方向にに導いてくれるモデル(のはず)である。

先ずはリスクの高いポジションを閉じることだ。OK。理屈はそうだろう。実際にはさほど容易ではない。今ではVARによる投資戦略を展開する金融機関の多くが気がついていることだが、(モデルの命じるままに動けば)却ってマーケットを不利な方向へと導き、結局は更なる(損切り)売りへと追いつめられてしまうのだ。近年金融危機が頻発するようになったが、1つの原因はここ(=VARによるプログラム売り)にある。

もう1つVARが処方するのが、許容リスク資本の算定だ。明らかに、殆どの銀行が― 不安定なディーリング益に頼ることを嫌がる株主からのプレッシャーを受けて ― 投下資本を減らす方針にあるようだ。「以前に比べればリスク資本の額は格段に減りました。」と語るのはさる大手投資銀行の重役。「投下資本の額が(絶対量として)減った分、振幅が増してはいますがね。」

事の起りがこうした点にある以上、価格変動は一時的な現象ではおさまるまい ― 実際この2月9日には、最近のマーケットの激変ぶり(米国債のみならず、為替、金、株式も)を嫌気してか、ダウ平均は2.9%も値を落とした。無論投資家達も、ある局面を境に、ディーリングが競争も少なく利の厚い商売だと見直し始めることになるだろう。しかしそれは先の話だ;何しろ他国も財政黒字に転じてきており、従って他の債券市場も日に日に流動性は低下、ボラティリティーが高まっている。

目にみえて問題含みなのが社債市場だ。はてさて、どうやって値をつけたら良いのやら。これまで社債の値付けというのは、残存期間が同じ国債に比べてどれだけイールドが乗っているかで決められてきた。今や当の国債が割高でかつ価格が不安定と来ている。国債の価格見合いでは御免だ、とのたまう企業(財務担当)さえいる始末。

例えば30年もの、の社債を短かめの国債と比較で値付けするというのも1つの手だ。(マンネスマン買収で名を馳せた英国の通信事業)ボーダフォン・エアタッチ社が先ごろ発行した30年債は、10年国債+スプレッドで値決めがなされた。しかしこの方法は投資家に別種のリスク(期間リスク)を強いることになる。社債市場のベンチマークとして国債に代わる役割を果たし得るのがスワップレートだ。場慣れた投資家/発行体なら、すでにしてスワップレート+スプレッドで値決めを行っている。そのスワップだが、理論上は取引は果てしなく広がるものとされており、マーケットが逼迫するとの心配は取り沙汰されていない。しかし国債発行額の縮小は、短期的には、イコール他金融市場のボラティリティー増大を意味する。


平成12年3月1日の独り言「Yoshihide'sレポート(Bond Bombshell)その@

ダブリン赴任の間何かとお世話になりました。毎度駄文を送り付けられ、さぞご迷惑だったかと思います。迷惑ついでにあと1度位配信したいと考えていますが、果たしてどうなりますか.. ....ともあれ、帰国しましても何かとご教示願うことになるかと思います。 その節は宜しくお願い申し上げます。

以上

債券市場に突発事態(Bond Bombshell The Economist 2/12〜2/18号)

米債市場が混乱している。まだまだ続くと覚悟されたし。

ほんの数週間前まで、「米経済は好景気に沸いているというより寧ろバブルすれすれ」というのが常識的な見方だった。インフレ圧力が増しつつある中、FRBの利上げのタイミングは後手に回っていた。債券アナリスト達は、ここ数週間の価格曲線が冴えないトレンドを示していたことから、物価感応度の高い30年債(俗に『長期債』)は今後値を下げ、流通利回り(以下『イールド』)も7%程度まで挙げるだろうと警告を発していた。長期債イールドは1998年のロシア危機が引き金となった市場の混乱の際に4.75%の低値を付けたが、その後は2%程度上げて来ていた。以来投資家達はイールドの上げ、即ち価格の下げには慣れっこになっており、従って長期債のエクスポージャーもどちらかというと忌避してきた節がある。

皆が同じことを言っている時というのは往々にしてそうなのだが、これは見当違いも良いところだった。というのもその後長期債のイールドは上がるどころか、下げの連続だったからだ。1月18日の6.76%を峠にその後、当初こそ徐々に下げたものの、やがて金融市場ならではの落ち着きぶりでもって(つまり「パニクッて」)下げ続け、2月3日には6.05%の下値を付けるに至った。3日の日だけで20bp(0.20%)下げている。イールドはその後戻しているものの、世界一流動性が高いと目される米市場で(外国からの売り買いも含め)ちょっとした供給不足に陥るという芳しからざる事態が依然続いている。似たような動きは国債以外のボンドマーケットにも広がっており ― ここからも世界随一の金融市場が、以前に比べ流動性が低く、故にボラティリティーが高まっていることが伺える。

直近のトレンドに限れば、戦犯は米財務省というのが衆目の一致するところ。FRBが政策金利の上げを発表したその日に、同省から、今後国債の発行を制限すると同時に買い戻しを行っていく、との発表があったためだ。何を今更...という感は、確かにある。「米経済が好調で(税収の伸びから)既に予算均衡(黒字予算)を達成している」とはすでに語り種で、知らぬ者などいようか?

買い戻しのニュースが投資家を驚かせたのは、そのタイミングと規模(今年度中に300億ドル相当)、それに対象銘柄の選好によってだ。これまでなら買い戻しは短期債が対象で、これは結果として既発債の残存期間(加重平均)を短くする効果をもたらした。300億ドルの資金のうち殆どが10年もしくはより長期の債券の買い戻しに充てられているが、斯様に慌て掴みをしているのは、まるでこれを修正したがっているかのようだ。保険会社や年金基金は自らの長期(支払)債務とマッチさせるために長期債を購入する(所謂ALM)。彼らはお目当ての(長期)資産があっという間に消えてなくなると思うから買いに殺到する ― こうして値は急上昇、イールドは急低下を見せた。

こんな具合で米債市場のボラティリティーを当の財務省が煽ったことは疑うべくもない。結果、2月9日にはラリー・サマーズ長官が自省の立場を「明確に」すべく会見をもつハメになった。買入償却は長期債に限定せず、全券種に及ぶとの説明だ。会見の目的がボラティリティーの抑制にあったのだとすれば、理論派で名高いサマーズだが、見事に失敗した。会見を受けて長期債のイールドは急上昇したからだ。

Yield on long bonds rose sharply in response.

>>>明日に続く。



ホームページへ