過去の独り言もみることができます。過去の独り言の目次はこのページの一番下にありまので、スクロールしてみて下さい。それでは、どうぞ!
平成12年5月29日の独り言「カー・ナビ」
カー・ナビゲーション・システムの話は何度か過去に取上げたことがあるが、その心臓部であるGPS(全地球測位システム)の精度が今月の初めから従来の10倍に向上している。
GPSは米軍が開発して民間に開放しているシステムである。冷戦が終結したことによって軍事技術の民間利用がはじまったわけであるが、正にその恩恵をあずかっている技術である。
この精度が上がるというのであるが、何も米軍が新型の衛星を打ち上げたと最新鋭技術を開発したとか、ということではない。従来から軍事利用のためのものは、この精度だったのである。さすがに、民間利用させるにあたって、安全保障上の理由から意図的にデータを間引き精度を下げていたのである。世界標準時の2日午前零時(日本時間午前9時)からこの処理をやめた、ということである。この結果、従来約100メートルだった誤差が10メートルに縮小した。
今回の決定で日本など世界のほとんどの地域で精度の高まったGPS信号が得られるようになり、しかもユーザーは現行の受信機をそのまま使えるのである。これまで、カーナビ・メーカーは精度を上げるためにソフトウエアで位置や距離を補正していたが、こうした処理は今後不要となることから、受信機の価格は今後低下することが期待される。普及率も向上することであろう。
また、航空管制や航路決定も精度が上がり、安全性が向上することが期待される。但し、紛争地域など安全保障上の危険がある国や地域向けの信号は従来どおり加工して悪い情報を流すらしい。
米の軍事技術の水準は例えば衛星からの航空写真の精度などにしても、とんでもなく高いレベルで、ただただ驚くばかりであるが、やはり、このような高度な技術は平和利用に限定されることを切に望む次第である。
平成12年5月25日の独り言「政治家B」
先日、お伝えしたとおり彼は無所属の国会議員として活動を展開してきた。あえて無所属で目指したものは@現在の閉塞間のある日本を改革していくために、何者との利益にとらわれず「目指す日本の政策判断」をすることA「理想の政治活動」を自主自律の精神で具現化することということであると、彼は述べている。
従って、この2年間政党助成金は一銭も受け取っていない。そういったハンディを背負っても既得権益から中立の立場に身を置き、現在も、そして将来においても「言うべきことは、はっきり言う」というスタイルで政治に臨んでいる。それゆえ、有権者への利益誘導ではなく報告活動を通じて支持を集める活動に徹している。
そういう中田議員を応援しているのが自民党の小泉純一郎議員である。彼は昨年、横浜市で開かれた中田議員の後援会の集いに出席し、「政党が違っても応援したい人」などとエールを送った。また、中田議員の選挙区である神奈川8区の一部である宮前区は中選挙区時代に小泉氏の地盤の一つだったが、「宮前区に残る小泉支持者には小泉が中田さんを応援していると言ってくれて構わない」と述べたほどだ。
一方、自民党神奈川県連では8区には自民党の独自候補を擁立することを確認しており、小泉氏の反党行為ともとれる発言に反発が強まった。逆に、「なかなかやるな!小泉純一郎」、という感じだ。
話がすこし横道にそれたが、最後に彼の“政治スタンスの宣言”の最後の部分をご紹介しておこうと思う。
「日本を選択致し申し候」と坂本竜馬が書いたとおり、今、私たちは日本をジャブジャブと丸洗いする必要に迫られています。一政治家としての私の行動哲学をご説明した上で、政治全体を進化させて行くことへの尽力をお約束したいと思います。今後とも、有権者の皆様に自らの考えと行動を明瞭にしながら働いて参りますのでご支援のほど宜しくお願い申し上げます。
ということである。誤解のないように申し上げておくが、私は別に中田議員の後援会員でも何でもない。ただ、彼の政治に対する志の高さに感銘しているだけであることをお断りしておきたい。
<<<おまけ>>>我々投資家にも志の高さという点においては共通する部分があると感じる。我々投資家は顧客の資産を預かるに際しては「投資家(受託者)としての自分の投資行動哲学(インベストメント・フィロソフィー)を説明したうえで、ポートフォリオの時価を最大限に増殖させていくことへの尽力をお約束したいと思います。今後とも委託者の皆様に自らの考えと行動を明瞭にしながら働いてまいりますので、ご支援の程宜しくお願いします」という投資スタンスの宣言を明確に行なう必要があろう。
平成12年5月24日の独り言「政治家A」
昨日ご紹介した@金を掛けないA政策で勝負するB顔の見える政治家の名前は“中田宏”衆議院議員である。彼は第41回衆議院議員選挙の選挙公約の中で政治信条を「はっきりと公約を掲げ、常に(有権者に)報告する」と明示している。その約束に基づき、毎年「国会活動定期報告書」を駅前などで配布している広報紙および彼の公式ホームページ(http://www.nakada.net)で公開している。
彼の衆議院本会議への出席率は65回中62回の出席で95.3%の出席率を誇る。また、彼は衆議院逓信委員会にも席を置いているが、委員会への出席は16回中16回で100%の出席率である。
また、彼は国会で審議された案件について何に賛成し、何に反対したかを明確に我々に告げている。そしてその賛否に対する理由についても各案件毎に記載している。
また、政党助成金を受け取るために政党に所属することを拒否し、無所属を貫いている。従って彼の政治資金は非常に少ないものだ。当然黒塗りの車で国会に出席することはない。田園都市線で国会議事堂まで出向いている様だ。「今の不況下で多くの民間企業はコストダウンに余念がないはず。政治家も同様」と、コピーに使用する紙もすでに使った用紙の裏紙を使う徹底ぶり。
昨年、「政治家2000年問題」とまで言われていた、企業・団体の政治献金禁止問題について自民党は先送りを決めた。「直ちに行なうのは困難」ということであるが、何をおっしゃるウサギさん!この公約は5年以上前の佐川・リクルート事件の教訓から2000年1月から企業・団体の政治献金を全廃するという公約だったはずである。逆に言うと今までの5年間がその準備期間であり、今まで対処して来なかったことが問題なのである。
しかも、その禁止に合意したのは他ならない現内閣総理大臣である森善朗や、河野洋平らである(小渕氏もしかり)。ところが、彼らの政治献金の内訳は企業団体のウエイトがここ数年でも全く減少する様子はない。準備など微塵も行なっていないのである。ちなみに、森氏の企業団体からの献金は65%であり、個人献金は29%でしかない(平成10年度の数字、平成8年時点では企業団体から64%で現在は逆に増加している)。また、河野氏は企業団体から53%、個人からは僅か14%でしかない(同)。結局、口先だけの5年先送りであった訳である。
それとは対象的に、中田衆議院議員は企業団体からの献金の全面禁止を念頭に置いて、年間1万円の個人献金を募る「万縁の会」を3年前に発足。現在1000人以上が入会し、中田議員を支えている。逆に、平成8年時点で100社程度あった献金企業も14社まで減らし、今では個人からの献金が全体の93%に上昇している(平成8年当時は67%)。それでも足りない活動資金は自費(歳費)から工面しており、涙ものである。
>>>続きは明日の独り言に。
平成12年5月23日の独り言「政治家」
小渕前首相の娘が次の衆議院選挙に出馬することを表明した。この件については賛否両論あろうが、さすがに、どこまで一国の政治をやる意志と世間を見る目及び政策を持っているのか疑問が残る。お父さんの意志を継ぐというのは、「言うは易し、行なうは難し」である。また、感情論で政治をやらせる訳にはいかないし、ましてや勘定論でやってもらう訳にはいかない。
おそらく、小渕衆議院議員の議席をそのまま失うと困るのは、小渕さんの取り巻きの人達であろう。秘書の方々、議員の支援をしていた後援会の方々。それにまつわり利益を得ていた既得権者らである。
別の議員がその議席に座っても、これまでの権益は確保出来ない可能性が高い。従って、周囲は「お父さんの意志を継いで政治家に!」と大義名分を振りかざし、自分の利益を守ろうとしているのである。
自民党としても今回の総選挙は森総理大臣の「神ノ国」発言などから非常に苦戦を強いられることを予期している。彼らも小渕さんの娘に出馬してもらいこの総選挙を小渕元首相の“弔い合戦”にしたいということから、これは“渡りに船”である。
しかし、政治、選挙とは本来政策で勝負するものである。利権に絡んだ選挙など国を悪い方向に進めるだけである。こういう政策無視の選挙をしようとするから、有権者は候補者の顔が見えないと、選挙に行かなかなくなり、余計に政治の質が悪くなる。また、政策で勝負しないから日本の政治はお金が掛かるというのである。
どうも日本の政治はオカシイ。しかも良くならない。日本の経済は一流だが、政治は三流と言われていたが、経済も落ち込み、また、かつては政治の悪さをカバーしていたと言われる官僚も組織が金属疲労を起こしている。しかも、その官僚組織の中でも最も重要な警察組織まで現在の体たらくである。ここは政治改革に期待したいところ。
「そんなことの出来る政治家はいない」と諦めることなかれ。@金を掛けないA政策で勝負するB顔の見える政治家もいるのである。この続きはまた明日に…。
平成12年5月19日の独り言「資金ショート」
「英市場に上場するネット関連企業の1/4は半年以内に資金が底をつく。」<<<これは世界5大会計事務所の一つであるプライス・ウォーターハウス・クーパースが発表した財務調査結果である。
プライス・ウォーターハウス・クーパースは「個別の会社名は教えられない」としているが、投資家に不安感を抱かせ、また、大手でなく新興の財務内容の悪いネット企業は、より資金調達に困難をきたそう。
同事務所の調査対象外ではあるものの、英国では有名な衣料品ネット販売大手のブー・ドット・コムが経営破綻に陥ったことが18日、明らかになったことから、より真実味を増しており、英国のみならず、米ネット関連企業にまで飛び火することも想定される。今回の発表は企業の内情を知り尽くしている有力会計事務所の見解だけに「無視出来ない」(米系証券)ものである。
プライス・ウォーターハウス・クーパースによると、ロンドン証券取引所などに上場する代表的なネット企業28社を対象に調査したもので、利益として会社に入る現金収入と広告や社員への給与に必要な支出のバランスをもとに、資金繰りがどの程度持つかを計算したものらしい。その結果「ほぼすべての企業が平均15ヶ月で資金ショートする」という結果となったようだ。また、このうちの1/4である7社は6ヶ月で資金繰りが付かなくなるという。
ブー・ドット・コムは株式公開を前提に昨年初めから1億3500万ドルを調達し、米大手金融機関も株主になっていた。近く上場すると期待されていたが、広告などで資金を使い果たし、銀行に融資を求めたが断られたことから破綻してしまったらしい。
別の企業では株価はうなぎ上りで昨年10月から今年4月までの半年で8倍になったにも関わらず、運転資金が8ヶ月で足りなくなるということが計算から導かれている例もある。
調査報告では「資金繰りの苦しさに対応して、ネット企業の合併・再編が加速する」と柔らかな表現となっているらしいが、結構この話は寒いお話である。資金繰りが付かず黒字倒産もあり得るということである。ましてや、黒字でもない企業に資金繰りを付けるのはかなりしんどい。過剰な流動性の中、余った資金が潤沢にマーケットにあるならばそういう企業にも長い目でみた事業の将来性などを評価して投資資金が回って来ることもあるが、流動性がタイトになってくると突然、状況は一変する可能性が高い。
この話はナスダックなどに公開するハイテク・通信・バイオ等の会社の株価を更なる第2段の下げ相場に導くに十分な切っ掛けを提供する。本当に怖い、お話。グリンスパンは将来的にますます困難な舵取りを要求されることとなろう。
平成12年5月18日の独り言「ユーロ/ドルと米独スワップ金利差」
最近のユーロ安についてのマーケットの解釈がどうもオカシイと思うので記述してみたい。
最近のユーロ安については
など様々な要因が挙げられる。しかし、ギリシャのユーロ参入では弱い通貨の加入がマイナスに評価されるものの、オーストリアの話では脱退がマイナス要因とされるなど、かなり言いがかり的なイメージもある。
しかし、本来の投資家のユーロ高のロジックは「米欧の景況感、もしくは経済成長率較差の縮小によるユーロの対米ドルでの上昇」であったはずだ。投資家はその見通しが外れているにも関わらず、それを認めたくないから様々な言い訳をしていることに他ならない。
景況感、景気の強さを図る“ものさし”は正に金利である。強い経済は資金需要も旺盛である。従って民間の金利は上昇する。それゆえ、その金利差を見れば景況感の強弱は一目瞭然である。
特に日本から米への債券投資が国債に集中しているのと違って、欧州のマネーは社債市場などに入りリスクマネーを供給している。そのためレンジ内での動きに終始する国債金利の米独スプレッドを見るよりは、民間の金利により近いスワップ金利同士の米独スプレッドを比較するのが分かりやすい。
これを見るとドル/ユーロの動きが米独スワップ金利差の動きと連動していることが良く分る。直近のユーロ急落も4月末に発表された1−3月期の強い米国のGDP及びGDPデフレター、雇用コスト指数などにより米の経済の強さとインフレ懸念が高まりスワップスプレッドが拡大しながら米国の金利が急上昇したことによって、米独のスワップ金利差が急拡大したことによるものであることが観測出来る。
従って、足元では金利差の拡大が止まりもみ合いを続けている中、ドル/ユーロももみ合っているが、金利差が縮小に向かうのか拡大するのかによって、今後のドル/ユーロ相場の行方は決まると言って過言ではない。この金利差が縮小すること、即ち景況感の較差が縮小し始めた時に初めてユーロの上昇が始まるのである。結論として、ドル/ユーロ相場を予測するには「今一度、ファンダメンタルズに戻れ」ということを敢えて申し上げておきたい。
米のアグレッシブな利上げによって上昇した民間の金利が米株式市場の下落とあいまって、米経済を冷やすことに成功すれば金利差を縮小させ自ずとユーロが相対的に上昇することとなる。これが「神の国」でなく「神の見えざる手」だ。
平成12年5月17日の独り言「8500件」
昨日、「あるファンドマネージャーの独り言」へのアクセス件数が8500件を越えました。ありがとうございます。これも一重に読者の方々の声援のおかげと深く感謝致しております。
また、先期途中から週末引け値予想への参加者も増加し、現在9名となりました。まだ、今期も始まったばかりですので未だ参加したことの無い方も是非ともご参加下さい。新規の参加はいつでも受け付けています。引け値予想は半期毎に締め、各項目の優勝者には“マーケットプロファイル協会”から楯が授与されます(ちなみに今週末には99年度下期の表彰式が開催される)。
このサイトは今後も引き続き、特定少数の方々とのクローズされた情報交換サイトとして運営していきたいと考えています。敢えて作者名を匿名とし、ストレートで歯切れの良いトークを展開して行く(当然、ネット上での最低限の常識は守った上で)ということも継続したい思いますので、どこかで作者名を知り得た場合も、貴殿限りにしておいて頂けると幸いです。宜しくお願い申し上げます。
それでは今後とも「あるファンドマネージャーの独り言」を宜しくお願いします。当ホームページに関する感想などございましたらメールなど頂けると嬉しいです。 tetzu
平成12年5月16日の独り言「FOMC」
本日のFOMCでは大方の予想通り50bpの利上げが実施された。50BPを織り込んでいるマーケットに25bpは逆に危険であり、FRBはbehind-the-curveに陥るリスクの方が恐いと感じたはずである。普通は利上げをマーケットに織り込ませること自体の方がけっこう大変なことですから、今回の織り込んだ50BPはFRBにとって“ごっつぁん”というところではないだろうか?
本日頂いたメールの中に“Market drives the Fed"という表現でFRBの政策姿勢を示された方がいらっしゃいましたが、まさにピッタリ!その通りだと思います。
今回のステートメントの中で一歩踏み込んだ表現となったのは「需給のインバランスにより生産資源に上昇圧力をかけている」という点であり、予防的でgradualな利上げからアグレッシブな50bpとしたことが伺える。
ただし、今回のFOMCで事前に50BPの公定歩合の引き上げをリクエストしたのは、鷹派で知られるボストン、クリーブランド、リッチモンド、サンフランシスコの4連銀のみであり、残りの連銀は今まで同様25BPの利上げを要請したと考えられる。前回の利上げ時は11連銀が公定歩合の25BP引き上げを要請としたのとは背景が異なる。
今回の利上げ決定のパターンは昨年11月の引き締め時と同様のパターンであろう。あの時は“利上げ見送り、引き締めバイアス維持”というのがコンセンサスではあったのだが、事前に公定歩合の引き上げを要請したのは今回同様鷹派の4連銀(ボストン、クリーブランド、リッチモンド、カンザスシティ)だったのである。
今回の50BPの利上げについても鷹派4連銀の圧力に屈して50BPの利上げを決定したというよりも、寧ろグリンスパンが強いリーダーシップを発揮して多数派を説得したと見るのが妥当であろう。そして、前回について言えば、それが功を奏したのである。
利上げの効果は今後ずいぶんと効いて来ると思われる。前出のメールを下さった方もご指摘されていましたが、実質FF金利は名目金利を8−9%に引き上げた80年代に匹敵している。しかも民間の金利はスワップスプレッドの拡大でかなり高い!!
株価も下がってエクイティ・ファイナンスもやりにくいだろうし。更に、銀行の融資規制というか、貸出し内容のディスクローズ強化なども検討されており、90年代の日本の3業種規制とまではいかないまでも、ハードランディングさせてしまうリスクは高まって来ていると思われる。
GSEいじめによりエージェンシー債の評価が下がっているが、大量に保有している銀行の資産内容を悪化させ、スワップスプレッドが更に拡大ということも起こり得るストーリーである。
本日の50BPの利上げとインフレ警戒型の政策スタンス維持のステートメントを受けて、為替については以前から想定していた“7-8月にかけてドル/円で115-121円程度の円安”の実現可能性が高まったと判断している。
また、ユーロ/ドルについては逆にドル/円がピークを打ってから反転(金利差に着目。特にドイツと米国の10年スワップの金利差を見ていますが)するイメージである。
以上、FOMCを受けての雑感です。ご参考になれば幸いです。
平成12年5月15日の独り言「指標」
かつてJGBの指標銘柄は現物の最も流動性のある銘柄を指し、最も有名な89回債を筆頭に農林中央金庫がスクイーズをかけた157回債、指標銘柄プレミアムを剥がし続けて使命を終えた164回債や長期政権を誇った182回債などがあったが、指標銘柄の取引高が落ちてきたことから203回債を最後に指標銘柄は10年国債最長期債となった。
従って日本の長期金利の水準を世の中に知らしめる対象となる金利は国債先物の裁定銘柄、すなわち残存年限7年〜11年までの債券の中で流動性の高い銘柄:指標銘柄利回りであった訳である(182回債の末期は7年債で長期金利を表現していたことになる)。今は指標銘柄が10年国債最長期物であるから、10年債の流通利回りが長期金利水準を示すものということであり、コンスタントに10年という長期金利水準を表わすものになった。
従来、米国の場合、長期金利を表現するのはカレント30年債利回りであり、米国の長期金利が上がった・下がったというのは超長期債のことだった訳である。しかし、今年に入ってバイバックが始まると超長期債の需給にインバランスが起こり、イールドカーブがインバートする事態が起こっている。
そのため、昨年末あたりから各証券会社のエコノミストなどは30年債の予測は難しくなったということと、30年債は長期金利を表現する指標としては適切でないとして、代わりに10年債を長期金利の指標としてみることが多くなってきた(中でも野村証券が早かったが)。
そして、先先週あたりにはとうとうウォール・ストリート・ジャーナルが掲載する長期金利の指標として10年国債を採用することを表明し、アメリカの一般市民も長期金利は10年の流通利回りで認知することとなったのである。
また、今週に入って日経新聞も米国の長期金利を10年国債利回りで表示するようになり、さらにはモーニング・サテライトでも10年国債の利回りを放送するようになり、今後日本でもアメリカの長期金利は10年債利回りで認識するようになるということである。
国の財政が良くなる事は大変良いことではあるが、国債の利回りが経済実態を表現しなくなるというのは、少し困りものでもある。特にグリンスパンはマーケットとの対話(実際に参加者の意見を聞くこともあろうが、マーケットで取引される各種証券のプライスを見ることによってマーケットと対話していたはずである)から金融政策を取り仕切っていたのであり、不都合も生じよう。
また、我々マーケット参加者も国債の利回りが歪むということは、実務上大変困ることがある。それは無リスク(クレジットの)の金利が測定できないということである。これはかなり厄介だ。
そんなこんなであるアメリカの長期金利であるが、我々も来週の引値予想からカレント10年国債利回りを予想することにしましょう。あらら、結局このサイトが最も遅れて変更することとなるとは…。ちょっと、カッコ悪い??
平成12年5月12日の独り言「UKT-FUTUREテクニカル・アップデート」
ポンドが弱い。通貨の下落は債券にとって今までの通貨高の好影響が悪影響に変わる重要な材料である。UKT-FUTUREについてもテクニカルが陰転しており、チャートをアップデートしておこうと思う。
まず、変化日は6月1日に訪れる予定だ。日柄的には今月末の2032年債の入札が終わるまでベアなマーケットが続くことがイメージされるということだろう。
横軸(時間軸)は6月1日で良いが、問題の縦軸(価格軸)であるが、現在のメインフレームは下が111.50−上が113.70のフレームである。111.50−113.70の間の重要な価格は112.65となる。
また、上値はMAX115.95が観測される。逆に111.50を引け値でダウンブレイクした場合その下のサポートポイントは110.00である。
UKT-FUTUREはテクニカルの好きな投資家が多く、ポジションを作ったり、閉じたりするする時の一瞬の躊躇が命取りになる。動きが速く、流れも出やすいので常にこのバスに乗るには、停留所で待つというよりは動いているバスに飛び乗り、飛び降りるくらいの感じで臨む方が良かろう。
現在、テクニカル的には短期指標・中期指標ともに売り支持であることから、戻り売り圧力の強い中、下値を試す展開が予想される。売りで飛び乗ってみるのも一考。但し、投資は御自身の判断で!健闘をお祈りします。当たるも八卦、当たらぬも八卦。
平成12年5月11日の独り言「JGB先物テクニカル・アップデート」
本日JGB FUTUREは変化日を迎えた。前の大きなフレームの起点は昨年8月の安値からの修正上方波動のフレームであったが、非常に小さい価格の変動となった。
しかし、前フレームのプライスアクションからは次のフレームが未だ続く修正上方波動なのか、今年1月に付けた高値からの下落波動なのかコンファームすることは出来なかった。従って、8月の起点を10月安値の起点にズラしてカウントすることが妥当と思われる。
そのため129.50を大引けでダウン・ブレイクしない限り、今のトレンドが継続されるということとなる。日柄的には2ヶ月程度先延ばしになったということであり、次の変化日は7月が推測される。
縦軸の価格についてはメインフレームが129.50−134.00であり、その間の重要な価格は131.75である。今までの重要な価格である132.30や133.83についてはマーケットが未だ記憶している可能性もあるが、今後の重要な価格とはならないので注意。
また、本日株価急落により債券も久方ぶりに133円台で引けているが、今日の変化日は上記のとおり、この上昇で高値を付けて下落トレンドに変化するというような変化日ではないということも改めて付け加えておきたい。 tetzu
平成12年5月10日の独り言「米国10年債先物テクニカル・アップデート」
米債10年先物についても現在のテクニカルは短期指標・中期指標共に売り支持で、戻り売り圧力の強い中、下値を試す展開が続いている。
変化日は5月26日であり、その間は94−00から98−17で推移することが想定される。その間の重要な価格は96−07であるので記憶に留めておくと良かろう。
米10年債については、ここのところ下値を試す展開ばかりで戻り売り圧力が強いどころか、戻りは試していない。それほどの相場急落でありスペックのロングが切れているとは思い難い。
ただし、2−10−30年のバタフライ・スプレッドを観測するとマイナス20bpまで一時割高となっていたものが、ちょうど0bpまで戻って来ており、相対的には割高感が薄れてきている。
本日は10年国債の入札であるが、その割高感の薄れてきた10年債にどれほどの需要が集まるかが焦点となろう。結論としては相対的には10年債は買えても、テクニカルは依然厳しいということである。
以上、入札を前にしての米10年国債のテクニカルの走り書きでした。当たるも八卦、当たらぬも八卦。tetzu
平成12年5月9日の独り言「BUNDS FUTUREテクニカル・アップデート」
BUNDS FUTUREのテクニカルについては5月30日に変化日がくることが観測されるが再度、bunds futureのテクニカルを確認しておきたい。
現状、テクニカルは短期指標・中期指標共に売り支持であり、戻り売り圧力の強い中、下値を試す展開が示唆されている。
テクニカルが陰転してからは下値を試す展開となったが、先週重要なサポートポイントである103.68の1銭下103.67で引けている。その後、反発しているが、この戻りでテクニカルが陽転しなければ次のサポートである102.13まで下落することが予想される。
テクニカルが陽転出来れば、当面103.68−105.90のコア・レンジ内での取引が継続され、5月30日を迎えることとなろう。
5月30日をすぎた時には、またテクニカルをアップしてお伝えしたい。tetzu
平成12年5月8日の独り言「ドル/円テクニカル・アップデート」
日本は5月5日の子供の日で休日であったが、ドル円は変化日を迎えた。3月28日に「結論としては大きなフレームの中のコア帯である103.75−108.30の間で推移しそうである。4月6日時点で104.90まで下がっていなければコア・レンジはもう少し上の106.00〜110.60となり、7月から8月にかけての115−121程度のドル上値をチャレンジすることとなろう。」とコメントしているが、前の時間帯は結局ほぼそのコア価格帯の中で推移した。
次のフレームであるが、横軸は7月10日まで、縦軸は未だ前フレームの上のレンジ、即ち106.00−110.60となることが予想される。その間の重要な価格は107.50である。
また、110.60より上には112.80、113.60、115.10というレジスタンスポイントがあり、110.60を引け値で明確にアップブレイクしてきた場合はターゲットとして意識されよう。
そして最終的には115.10をアップブレイクし、3月28日に指摘した7月から8月の時間帯をターゲットとする今年の高値レンジ圏、115.10から121円程度のドル上値をチャレンジすることが予想される。
当たるも八卦、当たらぬも八卦…。tetzu
平成12年5月2日の独り言「地上波デジタル放送A」
自民党通信部会は4月25日、2003年末までに関東、近畿、中京圏で始まる地上波デジタル放送のネットワーク構築に伴い、放送事業者や受信者が本来負担すべき費用経費計852億円を国が負担することを了承した。デジタル化に伴うアナログ周波数の変更は「周波数資源確保のための国策」と位置づけたためだ。
部会によると、周波数変更に伴う影響世帯数は約246万世帯で、アンテナ交換やチャンネル変更などの受信者経費が約540億円、中継局の施設費など放送事業者側経費が約312億円の計852億円と見積もっており、郵政省は来年度予算に要求していく。この金額は「地上デジタル放送に関する共同検討委員会」の試算をまるまる全額認めたものである。
デジタル放送は、一つの電波に複数の映像や音声を乗せられ、視聴者の要望に応じた情報も送れる双方向性も実現するもので、2006年までに全国での放送を目指しているが、利権が絡むためか、なかなか前に進まない。
グローバルに様々な物がアナログからデジタルに移行してゆく中、放送というものはかなり出遅れている。確かに、米国でも昨年始まったばかりであり、世界的にそういう傾向であることは事実である。しかし、2003年の移行というのは3年から4年程度、米に遅れをとるということであり、このインターネット社会はドッグイヤーと呼ばれるほどに変化が激しいだけにこの遅れはかなり懸念される。人間の1年が犬の7年程度と仮定すると四半世紀の遅れとなることに等しい。
米国でもデジタル放送の規格の異なるものが参入しており、受像機の価格などが割高となっていることが指摘されているが、出遅れた日本はせめてそのあたりの調整をスムーズに行いキャッチアップを願いたいものである。このテーマに関わる最終需要への波及はとんでもなく大きいことから話が進み出した時のマーケットへのインパクトは大きい。日本ハイテク企業の2段ロケットへの点火と言ってもよいものになるであろう。
平成12年5月1日の独り言「ソロスとユーロキャリー」
先日、ユーロの話をコメントした時におまけとして、「ヘッジファンドのユーリボー15000枚売りが見えたようだが、逆にユーロキャリーでUS-BONDを買っている様である。また、ナスダックを叩いて、更にBOND買いを誘おうとしているらしい。ナスダックが下落してもユーロ買いは入らないことを認識してのポジション取りと思われる」と記述した。
このヘッジファンドというのが実はソロスと言われていた。ソロスのなかなか凝ったポジションと思っていたのだが、何のことはなく、実は損失を被ったポジションのクローズだったようである。
「マクロ経済の動向に巨額の賭けをする時代は終わった」――ソロスは28日の記者会見でこう明言し、主力のクォンタム・ファンドを低リスク運用のファンドに衣更えして再建に乗り出すことを発表した。
クォンタム・ファンドはヘッジファンドの中でも「グローバルマクロ」と呼ばれる手法のファンドであり、その草分け的存在であった。「グローバルマクロ・ファンド」は世界の経済や政治の情勢を分析して株式、為替、債券などに投資するファンドで、特にクォンタムファンドは1992年に大量のポンド売りによって一晩で10億ドルを稼ぎ「イングランド銀行を打ち負かした」とまで言われたファンドであった。
クォンタム・ファンドが今年に入って2割を超える損失を被る原因となったのはハイテク株投資の失敗である。「ナスダックが15日間で35%も急落するなんて予想もしなかった」とはクォンタム・ファンドの運用者で今回辞める事が決まったスタンレー・ドラッケンミラー氏の言葉である。
しかし、この相場の反射性というか、自己増殖、またその破裂というサイクルを利用、また分析し、高度にポジションを張るのはソロス・マネジメントの得意とするところだったはずである。
98年9月にはLTCMが破綻、今年3月にはタイガー・マネジメントが廃業した。どちらもソロス・マネジメントと並び称された巨大ファンドであるが、世界の市場の流動性がそれら巨大ファンドがトレードするには足りなくなってしまったということが破綻の大きな原因の一つとして挙げられよう。鯨が泳ぐにはこの池では小さすぎるのである。
米調査会社によると今でもヘッジファンドはいくつも立ち上げられているし、良好な成績をあげているファンドも数多いらしい。しかし、その多くは株式の売り買いの組み合わせだけで運用するロング・ショート戦略のファンドなどミクロの勝負をするファンドが主役の様だ。ダイナミックな今までのヘッジファンドというイメージからは程遠いものに形が変わっている。
ソロスは「非難する相手がい無くなってマハティール首相はがっかりする」と冗談を言う余裕もあったようだが、我々投資家からしても少し寂しい感じがするところである。しかし、ヘッジファンドの持つノウハウが全て否定された訳では無い。今後のソロス・マネジメントの動向に注目したい。