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平成12年8月8日の独り言「今週の日銀金融政策決定会合(続き)」
ゼロ金利解除についてメールを頂いたのでちょっとご紹介したいと思います。ちなみに円債のディーリング業務に携わっている方からのご意見です。
「私はtetzuさんと同意見です。ゼロ金利解除はやるべきでないし、やらない。
デフレリスクが残存し、インフレリスクがほとんど全くない状況で、ゼロ金利解除をやる必要性が全くわかりません。ダム理論についても、果たして本当にダムの水位は上がっているのでしょうか。確かに企業収益は回復しているかもしれませんが、不良債権処理等バランスシート調整が終わっていない中では、ダムに穴が空いていて、其処から水がもれていき、ダムに水が流れ込んでも水位が上がらないという状況にあると思います。(これは誰かが言っていた受け売りですが・・・)
さすがに日銀も、そこのところはある程度踏まえているんではないでしょうか。速水総裁のような頑なな信念を持った人ばかりでないと思うので、多数決でゼロ金利解除派が増えるのは、まだ先ではないでしょうか。」
う〜ん、心強い!メールありがとうございました。本日も速水さんは「デフレ懸念は払拭された」とコメントし、利上げに向けての説明責任を果たそうとしている。「そごう問題の市場に与える悪影響も杞憂に終わった」とか発言すると、駄目押しですかね?
ますます、楽しみになった11日、日銀金融政策決定会合です。
平成12年8月7日の独り言「今週の日銀金融政策決定会合」
今週は週末に日銀の金融政策決定会合が行われる。日銀は収益の回復で企業部門のダムの水位が上がってきており、やがては下流の家計にも水が流れるという「ダム論」を主張している。
「ダムの水が個人の所得にもこぼれ落ちてくる」・・・そうあって欲しいものですね。先月、独り言でもご紹介しましたが、某エコノミストさんは7月の金融政策決定会合の時、既に”ダムの水位理論”で「やるべきだが、出来ないだろう」との意見でした。
今回、某ファンドマネ―ジャーの方も「やるべきではないがやるだろう」との見方から、「やるべきであるし、やるだろう」に変更されています。
私はといいますと、相変わらず、「やるべきでないし、やらない」もしくは「やるべきではないけど、危機回避措置または非常事態宣言の解除ということなら、どうぞ勝手にやってください」との立場です。10年来の緩和政策の転換という位置づけであれば、止めて欲しいものです。
中央銀行の政策目標はあくまでも持続的かつ安定的な成長率の維持をサポートするものであると思いますので、需要と供給のインバランスが将来のインフレを招き持続的な経済成長を阻害する懸念がある場合にのみ、金融を引締め経済を冷ますオペレーションを行うべきと考えます。今の日本はその状況には全く当てはまらないというのが私の認識です。
さて、今週の金融政策決定会合、どんな結果が発表されるのやら…。楽しみですね。
平成12年8月4日の独り言「マネックス証券上場A」
本日、マネックス証券が上場した。株式市場の地合いが悪い中、最近ローソンなど新規公開銘柄が軒並み公募価格を下回って売り気配でスタートするなど、厳しい環境となっており、いったい幾ら位いの初値が付くのか興味があったが、初値は公募価格45000円を40.7%上回る63300円となった。結局大引けは68300円となり上々の滑り出しだ。
今日の松本大氏の“つぶやき”は、
8月4日
本日マネックスは東証マザーズに上場致しました。株価はマーケットが決めることですから敢えてコメントは致しません。私たちの意志で、ある程度決めることが出来るのは流動性です。
本日マネックスの株は2万9352株取り引きされました。1株が1売買単位ですから、2万9352単位です。現在東証において、これだけの単位が取り引きされる株がどれほどあるでしょうか?マーケットは流動性が命です。これからも高い流動性を伴って取り引きされることを切に願います。
というものであった。さすがにマーケットを知り尽くした経営者の発言と言えよう。
今回の早めの上場は松本氏らしい渋い戦略が隠れていると評価したい。
まず、一点目としては、今回のブックビルディングへの参加するには事前に募集株数×募集価格の預託金を入金する必要がある。従って、入金してから抽選が終わるまでは自然とMRFに資金が滞留するのである。
2点目としては、結局薄く広く当選者を出すことによって結局(募集株数−当選株数)×募集価格の預託金が残る訳で、その余った資金はまたも、マネックスに滞留するのである。
3点目としてはこのブックビルディングに参加してもらうことで、顧客に新規公開株購入の手続きを学んでもらう(難しいことではないことを理解してもらう)ことが出来る。
4点目は新規公開株が買えた位だから“株式の売買”は簡単に普通に出来るものだと、ネット売買を体験してもらうことが出来る。そうすると、今まで口座開設はされたものの、取引が全くなかった、所謂「休眠口座」が目を覚ます(動き始める)、ということである。MRFに滞留している資金は株式購入に当然の様に充てられるであろう。
「さすが!」、と言わざるを得ない。東証で開かれた公開のセレモニーにはマネックス証券に当初折半出資したソニーの出井氏も駆けつけたらしい。松本氏がプロデュースするマネックスの今後の戦略が楽しみである。
>>>更に、おまけではあるが5点目としては、これで、マネックス株が上昇すれば株式売買が楽しいものという印象を参加者に植え付けるというメリットも出てこよう。顧客の5分の1は株主である。
平成12年8月3日の独り言「マネックス証券上場」
明日、マネックス証券が東証マザーズに上場する。公開株式は150000株(公募150000株)でブックビルディング方式を採用した。ビルディング期間は7月17日から24日までの間に行われ、1株40000円-45000円での積上げとなった。主幹事はJPモルガン証券である。
今回の公開にあたり発行した15万株の新株の過半数を抽選でマネックス証券のオンライン証券取引利用者に販売した。極力、広く多くの株主を作りたいとのことから結局1.8万人の当選者を選んだ。このうち88%が初めて新規公開株を入手、14%は株式そのものを初めて購入したという。
マネックス証券は以前にこの独り言でも紹介した元ゴールドマン・サックス証券のパートナーだった松本大氏(ゴールドマン史上最年少の30歳でパートナーとなる)がソニーと折半出資で設立したオンライン金融サービス専門会社で、99年7月に証券業と投資顧問業の免許を取得した。
今年2月にはゴールドマン・サックス証券やソロス・ファンド・マネジメントなど4社が第三者割当増資に応じている。マネックス証券のオンライン口座数は5月末で9万口座であり、口座を持つ5人に一人が株主であるということになる。この9万口座という数は口座数を公表している証券会社の中では野村証券や大和証券に次ぐ高水準だ。
松本大氏は毎日、日記風に本人が書いている“つぶやき”のコーナーに本日、次のようにコメントしているので紹介しておこう。
8月3日 <いよいよ上場>
マネックスは明日東証マザーズに上場します。弊社のように不特定の幅広い大勢のお客様に対してサービスを提供し、しかもお客様の大切な金融資産を扱う業務をしている会社は、プライベート・カンパニーよりもパブリック・カンパニーであるべきだと常々考えてきました。
このことは、マネックスを設立するためにソニーと話し合っている時から考えていたことであり、この点については設立時にソニーにも同意して頂いていたことです。資本を恒久化して会社に永い命を与えること。公開会社として公衆の監視と牽制を受けること。特定の株主だけでなく、会社の所有を徐々に分散させて、普通の会社になって行くこと。上場すればそれで真の公開会社になれるとは考えていません。上場は本来の意味での公開会社になるためのあくまでも第一歩だと考えています。これからもマネックスを宜しくお願い致します。
さあ、明日は「いよいよ上場」である。この続きは明日の独り言で…。
平成12年8月1日の独り言「外人投資家」
1月から外人投資家の売りが散見され始め、この4月からは売りが拡大していた。直近4週ほど売りも収まっていたところであるが、7月21日の週は1309億円の売り越しとなり、再び売りを浴びせる気配である。
外人の持ち株比率上位40銘柄のうち、その年初ライ高値からの下落率が50%を越える銘柄が7銘柄もある(7月28日現在)。TOPIXの高値からの下落率が17.21%であることを考えるとその下落幅の大きさが分かろう。ざっと、3倍の下落率である。
この上位40銘柄の平均下落率を取ってみても▲31.69%であり、TOPIXの約2倍弱の下落率である。ちなみにソニーは外国人持ち株比率17位であるが、年初来高値からの下落率は44.56%である。
昨年の大上昇相場も外人の買いが作ったものであるが、今年に入ってからの高値を買ったのは日本人である。今回は未だ外国人が売って、日本人は余程、目先の効く足の軽い投資顧問を除けば買いに回っている主体である。日本人の投資パターンから考えると、これからまだ、相場は下落し、その最後の髭のところで投げるのが「お決まり」と考えられる。
8月は以前から指摘のとおりサイクル的には32ヶ月周期のボトムを付ける月である。外人の売りを全て吸収し、外人を踏ませることが出来ればかなりのショートカバーが期待出来よう。最終的には幅を出して調整する(1万4千円台)ことが想定されるが、「頑張れる」か、「頑張りきれないか」それが問題である。
参考として下に外人の持ち株比率上位40銘柄のうち、その年初ライ高値からの下落率が50%を越える銘柄が7銘柄をご紹介しておく。
銘柄 外人持ち株比率 下落率
4716 日本オラクル 87.34% ▲58.77
6917 デンセイ・ラム 75.63% ▲58.96
6802 赤井電 50.71% ▲72.31
8603 日興證券 48.48% ▲50.34
9747 アサツーDK 45.96% ▲50.34
8056 日ユニシス 44.52% ▲54.66
8597 商工F 44.07% ▲61.37
以上
平成12年7月31日の独り言「コンコルド」
25日に、エール・フランスのコンコルド機がパリ郊外のシャルル・ドゴール空港を離陸後に墜落し、114人が死亡する事件が起きたことは、全世界にショックを与えた。コンコルドの墜落事故は始めてだったからだ。日本の新幹線で脱線などによる人身事故が起こっていないのと同じ程度に信頼が高かった(飛んでいる数が少ないというのもあるが…)。
しかし、記憶も薄れない30日、英国ブリティッシュ・エアウェイズのコンコルドに2件のトラブルが相次いだ。ヒースロー空港を30日夜離陸したコンコルドは機内に燃料臭が確認されたため、カナダの空港に緊急着陸したのだ。また、30日朝ロンドン発のニューヨーク行定期便でも燃料補給系統の故障が見つかり、急きょ、別のコンコルド機を使用したらしい。
1件目はロンドン発ニューヨーク行きコンコルド機で、カナダ・ニューファンドランド州ガンダーに緊急着陸した。 最初、地元空港関係者は関係者は、「BAのコンコルド機が着陸したとしか言えない。何らかの技術的な問題があったに違いなく、そうでなければ着陸しないだろう」と語っていたが、上記のとおり燃料臭がしたというものであった。
2件目もヒースロー発ニューヨーク行きコンコルド旅客機で、技術的な問題から1時間以上も出発が遅れ、代替機の使用を余儀なくされたということである。 スポークスマンによると、現地時間午前10時半(0930GMT)発予定の旅客機の燃料システムに問題が発見され、別のコンコルド機が用意され、同11時45分(1045GMT)に出発したようである。こちらも燃料システム関係であり、ちょっと不安になる。
外資系の企業ではコンコルドの利用を取りやめるように社員に呼びかけているところも実際にあり、何と昨日のロンドン−ニューヨーク便では6人しか乗っていない(100人乗りではあるが)という状況もあったようだ。少し、神経質になり過ぎの面もあると思われるが、危機管理上は当然であり、早期の安全宣言が出されることが待たれる。 BAにとっては明らかに採算割れであり、収益の圧迫要因となろう。
平成12年7月28日の独り言「ご参考(続き)」
質疑応答
Q.ユーロは上がればウエイトダウンとのことだが現状はオーバーウエイトとなっているのか?
A.現状もアンダーウエイト。更にアンダーウエイトを深める予定。
Q.ソロモンのグローバルボンド・インデックスでは日本のウエイトが徐徐に増加しているが日本国債の格下げなどで、ソロモン・インデックスを嫌がる投資家などはいるか?
日本の国債は個人と外国人の買いで今後支える必要が出てくるだろう。外国人の買いを呼ぶには源泉税の廃止が不可欠。当局は「日本国債のベンチマークに占めるウエイトが高まって、外人も買うのでは」とのんきなことを言っているのには冗談とは思うが驚く。
それでも、ベンチマークはソロモンが多くJPモルガンやリーマンのインデックスを指定してきている顧客は今の所無い。
Q.顧客からベンチマークのみの指図があってリスクについては特にガイドラインが無い場合、どうやってリスクコントロールを行うのか?
以上がある投資家の見通し・考え方です。かなり期待して出席したのですが、パフォーマンス(上記の「*** ワールド債券ファンド」の超過収益は▲3.4%、過去6ヶ月▲0.8%、過去3ヶ月▲0.7%、過去一ヶ月+0.2%(6月末現在)で、直近はリスクを抑えた運用とのこと。儲かっていない)にしても、見通しにしても目を見張るものはあまり無かった。あの程度であれば、外資系投信投資顧問といっても、我々も十分、対等以上に競争可能と思われる。日本人は「自信を持って」、見通しに基づいたストラテジをポートフォリオに落とし込むことに注力する必要があるとつくづく思った。(<――自分に言い聞かせている!)
おしまい。
平成12年7月27日の独り言「ご参考」
本日、ある投資家(各国年金をはじめ、中銀等の運用も行っている外資系)の話を聞くことが出来たので、ご紹介します。特別に伏せなければならないような内容は取りたててなく、今後の見通しについてをご案内します。ちなみに、そのファンドマネージャー(マネージング・ディレクター)は1992年よりグローバル・ボンド運用の担当とのことでした。
まずは金利。
米国:
米経済はソフトランディングを予想。長期際は米国債の発行減とバイバックにより妙味あり。バーベル・ポジションで臨む。エージェンシー債は依然、先行きが不透明なことから先週全額売却したとのこと。
欧州:
利上げがまだ続きイールドカーブはフラットニング、逆イールドへ。やはりバーベルポジションに妙味。デュレーションも長期化してゆく予定。キャッシュ比率は落とす。
日本:
日本の景気回復スピードはコンセンサスよりも弱めで見ている。国債発行増で需給は悪化するが、キャッシュ・リッチの投資家多く、今年中は1.6−2.0%でのレンジ取引。アンダーウエイトを保ちながらトレーディングに徹する。
結論:債券については欧米のイールドカーブ・トレードと円債のトレーディングのみ。
次に為替ですが、
ドル/円:
相対的に弱い日本の成長力と日本からの海外投資の少なさが相殺しあってトレーディング・レンジ内での動き(102-112円/ドル)。
ユーロ:
@ドイツの税制改革により持ち合いの解消が進む。例えば、ドイツ銀行が保有するダイムラークライスラーの発行株式の20%などが現金化されれば、ドイツ銀行はユーロ圏以外の国の銀行を買うかもしれない。――>ユーロ売り。
A年金改革:国際分散投資が更に進むことから潜在的なユーロ売り圧力。
B投信ブーム:預金やMMFからリスクを取った投信への投資がブームに。その中の30%くらいは外物の投信となるか?――>ユーロ売り。
短期金利の引き上げによりユーロが強含む局面ではユーロの売りを行う方針。
とのことでした。
>>>この続き(質疑応答)は明日の独り言で…。
平成12年7月26日の独り言「クレジット・スプレッド」
「そごう」の民事再生法申請は結構あとを引きそうですね。日本の機関投資家のリアロケーションの引き金になったようです。
昨年、エクイティ・オーバーウエイトでアロケーションで超過収益を上げ、なおかつ株の個別資産としてのアウトパフォーマンスで好成績をあげた機関投資家はボンドへのアロケーション変更でリスクを抑えざるを得ない状況でしょう。先に外債へ出て行きましたが、やっと円債にも動きが出てきているのではないでしょうか?
さて、スプレッド物の動きですが、円債へのアロケーションアップが図られると、世の中のパッシブファンド比率が高まってしまっている現代においては、スプレッドものを高くても買わなければならない投資家がいることから、クレジット・スプレッドの拡大スピードは意外と緩やかになると予想しています。
しかし、次の円債ウエイトダウンの時には逆に、パッシブファンドの解約で安くても売り叩くという展開が想定されます。しかも、オールジャパンで円債ウエイトを引下げた時にはパッシブファンドの比率も高いことから急速にスプレッドが拡大するのではないでしょうか?
以上、思い付くままのコメントですが、皆さんは如何お考えですか?雪印もようやく牛乳の生産を再開するようですが、雪印の債券を購入する投資家は出て来るでしょうか。一方通行なのが日本のクレジット物マーケットの悪いところでもあるのですよネ。ん?パッシブファンドなら買える??比率に気を付けてどうぞ!
平成12年7月17日の独り言「円債テクニカル・アップデート」
JGB先物は先週末に変化日を終えた。しかし、今回も相場の方向感を示すことなく日柄の延長を行なうだけものである。次の変化日は8月16日が観測され日柄は1ヶ月程度延長される。
今フレームの縦軸は130.28−134.80のレンジとなり、前回よりは下値が80銭程度切り上がる形となっている。要するに10BP程度レンジを切り上げたということである。
従って、このカウントは130.28を下回らない限り有効となり、逆に130.28を割り込んだ場合は今上昇相場が終了したことを意味しよう。その場合、下落トレンドのカウントがはじまっていることを示すものとなることから起点も変化し、カウントの修正が必要となる(アップブレイクした場合はカウントの起点は変わらず、上値の目処を再確認するのみ)。
また、130.28−134.80の中間点である132.54は重要な価格であるので記憶しておくと良い。前回の押し目で129.50−134.00の中間点である131.75がサポートとなったのと同様である。しかし、132.54を割り込んだからと言って完全に下落モードがコンファームされるわけではなく、あくまでも130.28が重要であることは付け加えておきたい。
テクニカル的には明日の大引けが133.36を上回って引けると、押し目買い圧力が強い中、上値を試す展開を示唆することとなることから、押し目買いのスタンスで臨むことが有効であろう。
マーケットは「そごう窓」を意識した展開となるであろうことから、その窓の上(132.75)あたりから上記132.54までが押し目買いのポイントとなるか?当たるも八卦、当たらぬも八卦…。tetzu