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平成12年8月29日の独り言「小数取引」
「小数取引、順調に始まる」――いったい、それ何?という感じに皆さん思われるでしょう。ニューヨーク証券取引所(NYSE)で28日から、呼び値単位をこれまでの分数から小数に変更した取引が始まったのである。世界的には小数が一般的だが、200年余りの歴史を持つNYSEはずっと分数を使ってきた。昨日から小数取引に変わったのは、コンピューターのゲートウェイ、宅配のフェデックスなど6企業の7銘柄(不動産のフォレスト・シティ・エンタプライジズはA株とB株の2つが対象)。
NYSEによると、7銘柄の小数移行は問題なく行われ、会員証券会社のコンピューターシステムの対応も順調だったようだ。初日の取引では、ゲートウェイが前週末の66・1875ドル(66 3/16ドル)から66・55ドルに値上がりするなど4銘柄が上伸、2銘柄が下落、1銘柄はもちあいだった。
9月25日からは対象が50銘柄増える。この中にはインターネット接続大手のアメリカ・オンライン(AOL)やパソコン大手のコンパック・コンピューターが含まれる。
アメリカン証券取引所(AMEX)もこの日から6銘柄で小数取引を開始、店頭株式市場のナスダックは来年3月の開始を予定している。証券取引委員会(SEC)は取引所やナスダックに、来年4月までに全面的に移行するよう求めており、ウォールストリート・ジャーナルなど新聞の株価欄は既に、すべての銘柄の株価を小数表示に切り換えている。
分数標記はアメリカならではのものであるが、コンピュータには馴染みにくい。EXCELであればセルの書式設定−数値のところで変換の設定が可能であるが、面倒極まりない。グローバルスタンダードは米国流というイメージがあるが、この件に関しては「小数」がスタンダードの様だ。
米では株式だけでなく債券も分数標記である。現物も先物も分数標記(**/32)だ。また、10年・5年の先物であればその下に+が付く。「32分の1」の「2分の1」である。現物であれば1/4、1/8まで取引される。「32分の1」の「8分の1」は「256分の1」だ。0.4銭にも満たない存在である。初めて「セブンエイス」と聞いた時は「…?(ウルトラセブン?ウルトラマンエース?)」何のことか分からなかった。「SEVEN EIGHTH」ですか!ふ〜む。でも、Bloombergは優れもので、例えば「103−03 1/4」とか「105−12+」とか打つとチャンと認識してくれて、括弧書きで小数を表示してくれる。スバラシイ!と感激したものだ!!
もっと参ったのは先物。外債のトレードを始める前にチャートをパソコンで管理しよう!と意気込んで、EXCELに数字を打ち込みはじめたのだが(情報端末の使い方も分らず、手入力をしていた。原始的!)、なぜか31より大きい数字に出くわさない。2ヶ月分(2ヶ月気がつかなかったわけではないですヨ)くらい入れて変だなあと思い、BLOOMBERGのチャートを見ると整数の中間に16という数字が!「…」少し時間を置いて、分数ということに気がついたのであった。ああ、懐かしい…。
株式の小数標記が済んだら、債券も小数にしましょうね!でも「102.50」を「102.497」に値切ったりはしないのでしょうね(せいぜい0.5銭刻みまでか)。そう考えると、分数も趣がある…(笑)。
平成12年8月25日の独り言「大家3連勝!」
「ウォー!凄いぞ、10日間で3勝!!」と言っても、皆さんは、「何それ?」「誰それ?」という感じかもしれない。以前独り言で採り上げた米で野球に挑戦している元横浜ベイスターズの日本人選手である。
やはり採り上げていて良かった。大家の先物でも買っておけば良かったと思うくらいだ。米大リーグ、レッドソックスの大家友和投手は24日、先発したエンゼルス戦で6回途中までを1失点に抑え3勝目を上げた(被安打5)。前回紹介した3Aでの完全試合の後ダイリーグに昇格し、先発の大役を与えられ2連敗したが、引続きチャンスを与えられ、その後、結果を出しての3連勝である。
この大チャンスはマイナーリーグとはいえ完全試合を達成し自分で掴んだものである。ただ、主戦力のR.マルティネス、セーバーヘーゲン両投手が怪我で前線を離れているという要因も助けたのは事実である。彼らも復帰のタイムングを探っているところということで、このチャンスをしっかりと掴んで離さないでもらいたいものだ。今後もこの24歳の若者をしっかりと陰ながら応援していきたい。
平成12年8月24日の独り言「エシュロン(続き)」
日本にも三沢基地にこのエシュロンの機能がある。17基の大型パラボラアンテナが設置されており、通信衛星経由で本国のエシュロン本部に情報が流れているらしい。タクシー無線まで傍受できるというくらい詳細なところまで情報管理できるようだ。
エシュロンについて取材を重ねていたテレビ朝日のスタッフによると、取材中にエシュロン関連のメールだけが全て消えたらしい。本当にエシュロンがメールのデータを削除したのかどうかは分からないが、ほんとにそうであれば、恐ろしいことである。
エシュロンの技術からすればそれくらいのことは簡単なことということだ。しかも、もうその記者は少なくともエシュロンのブラックリストに乗ったということである。これからは渡米した場合入国を拒否されるかもしれない。また、継続的にメールを監視されたり、米国に入国出来ても、監視が付くかもしれない。映画「エネミー・オブ・アメリカ」さながらである。
1995年の日米自動車交渉では日本の情報が米側に盗聴されていたことが発覚した。これはCIAのリークによって発覚したものと言われている。CIAとエシュロンの覇権争いもし烈を極め始めたということかもしれない?
繰り返しになるが、冷戦が終わってスパイ活動は不要になることはなく、経済戦争にはさらにスパイ活動(盗聴)が必要となってきた。その盗聴技術の集結がこのエシュロンと考えられなくない。90年台前半以降、米国の経済拡大は他国を圧倒している。それが軍事技術の民間転用によるものであることに疑いはない。しかし、米一局集中のマーケットとなっているのは、米が情報を完全に支配している(非合法的に)からと考えると、ちょっと怖すぎますかね?もしかしたらこのページもエシュロンに削除されてしまうかも…。
(おまけ)金融の世界はユダヤが完全に情報を仕切っており、思いのままとも言われることが多いですよね。少し角度は違いますが、情報戦争の時代ということなのでしょうか?
平成12年8月23日の独り言「エシュロン」
冷戦が終結して早10年も経つが、冷戦後のアメリカの躍進には目を見張るものがある。冷戦が終結してから、米はそのズバ抜けた軍事技術を民間に落とし込んで来てから、この繁栄が続いている。
冷戦後、敵国はソ連・東欧から明らかに日・欧に変わってきている。1990年CIAは「これからの敵国は欧日」と明言しているのである。1992年には彼らの予算の3分の2が欧日向けらしい(定かでないが…)。スパイ活動に盗聴は付き物であるが、その盗聴技術の集結がこのエシュロンという機構なのだ。
簡単なところでは、米のポケベル監視システムは凄い。全国のポケベルの内容をチェックすることができるらしい。全てを見ても埒があかないために、やはりキーワードでチェックしているようだ。「爆弾」とか「爆発」とかいう言葉は少なくともチェックを受けている。
元カナダ通信保全機構のマイクフロスト氏によると、エシュロンはe-メール、電話を含め全ての盗聴を行い解析を行なっているようである。しかも、全世界である。建前はテロなどを未然に防ぐためのようだ。
エシュロンは本部20万人世界各地の支部に3万人の構成員を配しているらしい。前述したとおり、米の敵国が欧日に変わったということは軍事ではなく、明らかに経済敵国ということである。それゆえ、企業情報の傍受がターゲットとなっているのだ。
ドイツのバートアイブリングには巨大なアンテナを備えたエシュロンの基地がある。ドイツの電力会社であるエネルコンは米に先駆けてあるエネルギー関係の特許を取得しようとしていた。しかし、その直前に米企業が同様の特許を取得してしまったというのである。
エネルコン側は明らかに情報が漏洩したと認識している。そのため同社ではその後、@一般電話回線を使った社内情報の授受を取りやめたり、A手渡しで情報の授受を行なうなどの盗聴防止策を行なっている。
EC議会でもこのエシュロンの存在は問題視され、報告が行われた。ドイツは沈黙を守っているが、フランス国会でも米の盗聴疑惑について「特別な警戒が必要」としており、米国内でも追求され始めている。
>>>続きは明日の独り言で…・。
平成12年8月22日の独り言「欧州マーケット報告」
8月22日火曜日発表のドイツIFOサーベイ(100.4――>99.1:マーケット予想101.5)を受け、ドイツの景気に翳りが出てきたとの懸念からユーロ安が進展した。
IFOサーベイについては、前回も予想を下回ったが、前回の解釈は「独の減税案可決前のアンケート調査であり、実態はもう少し強いはずだ」というものが大半であった。そして、今回の発表を待った訳だが結果は上記のとおりとなった。
この2ヶ月連続の下落の大きな要因は“業況見通し”の下落である。これはドイツが米の景気減速を気にしている表われと推測できる。輸出依存度の高いドイツにとっては当然とも言える。従って、このサーベイだけで独の経済は減速傾向と判断するのは早合点であろう。米の今後の景気動向に注意が必要ということである。
ただし、欧州経済の3分の1を占めるドイツのセンチメントが弱まって来ているのも事実であることから、8月の月報でインフレ断固阻止を掲げたECBとしては難しい舵取りを強いられよう。
このIFO発表後のマーケットの反応はユーロ安が対ドルで進み0.90を割り込んだ。ECBは本当に利上げを推し進めることができるのか、懐疑的な見方も台頭しはじめ、ユーロ安が進む中、短期債が下げ止まる展開となり、月曜まで強まっていたベア・フラット化がおさまっている。
さて、それを受けてのレコメンデーションであるが、ユーロの急落は恐ろしいものを感じるのは事実である。材料・テクニカル・投資家のポジション、どれを取っても厳しいと言わざるを得ない(真っ暗なところに妙味もあるとも思われるが、説得力に欠ける…)。従って、一時的な危機回避としてユーロ/円のヘッジを実施することを検討したい。
今はヘッジを行い様子を見ることに徹しマーケット状況とマーケットポジションを再検討した上、ヘッジを買戻せるような環境となるかどうかを見極めたい。
欧州債券についてはベアフラット進展に対処するために中期債(4年近辺)のウエイトを落としキャッシュ・ウエイトを高めているが、ECBのスタンス、マーケットの状況を注視したうえ、キャッシュ――>2年・6年債の購入を行う事を検討したい。
以上、ご参考になれば幸いです。
平成12年8月21日の独り言「米国債券市場の現状」
米国債券は未だショートの投資家が多いようだ。特にドメスティックの投資家。
プライマリー・ディーラーもショートから入っては、やられ続けたことからやっとポジションをスクエアにしているくらい。アジア中銀も言うほど買えていない模様。投資家は売るものは持っていない。特にリアルマネーの投資家は買えなくて困っているというのが現状の様子。
(プライマリー・ディーラーはポジションをスクエアにして冷静に周りを見渡すと「リアルマネーが買いたがっている」というような話ばかりが聞こえてきて、おしりの座りが悪いようである)
投資家は今の金利水準を理解できないでいる。FFスルーの債券(特に短期債)を買う理由を見つけることが出来ない。
「需給で買われているのであれば、需給で売られるはずだ」というのが理由と思われるが、そうは言っても国債の絶対量が投資家の需要に不足しているのであれば、需給の改善は見込みずらい。ライアビリティ・サイドの長い投資家にとっては長期のアセットが必要で、その長期のアセットはクレジット・リスクを抑えたいというのはまっとうな考え方である。
最近の長期オフザラン銘柄はバイバックで割安な銘柄を選りすぐって丹念に買い上げて来たことから、プライスは非常に理論値に近くなってきている。また、バイバックが始まって最初数ヶ月についてはバイバック前にオフザランが買われ、バイバックが終了すると相対的に売られるという展開が続いていたが、直近数回についてはバイバック前に買われ、バイバック実施後に更に買われるという現象が見られることからマーケットの流動玉はかなり吸い上げられた可能性が高い(応札倍率も落ちてきている)。今後もこの買戻しが淡々と続けばオフザラン銘柄のレポはスペシャル化する可能性も否定できない。これは米国債券市場にとって脅威となるはずである。
また、今後国債の残存額が減少してくるとGCレポがタイトとなってくることも想定でき、FFスルーが常態化してくるとの予想も短期債サポートの要因の一つとなっているようだ。例えばGCレポがFFをスルーし6.3%になれば短期債もFFに関係なく、FFをスルーしてくるのは当然ということである。
先日、メリルのサーベイで「投資家が予想する1年後のFF金利の平均は6.3%」ということが発表された。平均がこれであるから、もっと大幅な利下げを予想している投資家も多いはずだ。投資家がこれほどの予想を持っているにも関わらずショートになっているというのもおかしな話ではあるが、やはり水準感から来るものなのであろうか?
ある人は「ロシア危機の時の様」と言う。ロシア危機の時に国債が買われるということはみんな納得していた。にもかかわらず、当初国債を買うことが出来ず、最後の最後に高値で皆が買ってしまった、というものだ。今回も最後はパニック買いとなるのであろうか…。
平成12年8月18日の独り言「電子メール傍受A」
英に続いて、米国で検討されている法案は当局の電子メール傍受の権限を拡大する内容である。米国ではすでに電話回線を対象に電子メールの傍受捜査を認めているが、これをネット接続の手段として急速に普及しているケーブルテレビ回線にも広げる。また、英同様にブラックボックスの設置が盛り込まれる可能性もある。
米政府も英同様に個人情報の保護規定を厳しくするなど「ネット時代にふさわしい法体系を整備する」(ポデスタ米大統領首席補佐官)ための作業にも同時に着手しているということである。
麻薬取引やマネーロンダリングなどに電子メールが使われるケースは国際的に急増しており、従来の捜査手法では端末レベルの摘発は出来ても組織の中枢に迫るのは困難となってきているのが現状である。また、コンピュータウイルスを電子メール経由でばらまく様な犯罪の摘発には電子メールの追跡技術が不可欠である。
英国では北アイルランドのテロ組織が電子メールを駆使して連絡を取り合った事例や、ネットを通じて有害写真の取引をする大規模な組織の存在が明るみに出ている。また、英政府は現行法に基づいて行なった電話や書簡の傍受捜査約2000件(1998年)の約半数が重大犯罪の摘発に繋がったと主張。「傍受がなければ摘発が不可能脱他ケースが大半」(内務省)としており、今回の電子メール傍受法の正当性と効果を強調している。
昨日の独り言でも述べたが、個人のプライバシーに関わる問題であり、安易な導入は危険である。しかし、ネットの匿名性を悪用する犯罪が増加していることも事実である。ただし、ネットの傍受が強化されれば、それに対応するのが犯罪巧者であり、当局との“追いかけごっこ”となることは間違いないであろう。
我々が注意しなければならないことは、当局の暴走を抑止することであることはもちろんのこと、もう一つ重要なことがある。危険な言葉をメールなどで発信しないことである。当局はキーワードで網を張るので、うかつな言葉を連発すると当局のブラックリストに載る可能性があるからだ。
来週はその怖いお話を…。
平成12年8月17日の独り言「電子メール傍受」
国際的な麻薬取引やハッカー行為に代表される電脳犯罪(サイバーテロ)など、インターネットを悪用した犯罪の急増に対応するために米国と英国が電子メール傍受の法制化に乗り出した。英では捜査当局による電子メール傍受を認める法案が成立し、10月に施行される。米では同様の法案提出を一部の議員が準備している。
沖縄サミットの首脳宣言も「e犯罪」の多発を受け、国際的な協力体制確立の必要性を強調しており、15日に通信傍受法が施行された日本も欧米の動きとの連携を求められることとなりそうである。
英国の法律は暗号化された電子メールの解読ソフトを当局が入手したり、特定の送受信者の電子メールの電子メールをすべて傍受できる装置(ブラックボックス)の設置をインターネット接続業者に義務付ける権限を政府に認めた。
特に暗号が解読不能の場合には、当局が発信者や受信者に暗号ソフトの提出を求めることが出来、拒否すると最長2年の懲役刑に書処せられる。解読ソフトの提出まで踏み込んだ精度は日欧米で初めてである。
日本の通信傍受法との大きな違いは犯罪の発生を確認する前に傍受の体制を整えることができるところであり、捜査の迅速性を重視したものであるが、個人のプライバシーの侵害という基本的人権に踏み込むことが懸念される。
そのため、英では個人情報の保護に考慮して、捜査活動に対しては@内相の許可が必要A入手した解読ソフトについては捜査終了後に当局が破棄し、他の電子メール解読には使わないB判事を含む独立機関の監視のもとに進めるなど、一定の歯止めをかけることにしている。
この続きは明日の独り言で…。
平成12年8月16日の独り言「円債テクニカル・アップデート」
本日、JGBの変化日を迎えた。残念ながら134.80の高値トライはフェールした。しかも、日柄の延長を繰り返した前フレームで134.32の1月28日高値を抜けることが出来なかったことから、次のフレームは134.32からのダウン・トレンドのフレームと理解しなければならない(134.32を引け値で上回った場合にはカウントが間違ったことを意味することから数え直しが必要となる)。
従って、今フレームの縦軸はメインフレームが134.32−129.82となる。134.32と129.71の間の重要な価格は132.17である。また、このフレームは中心限月のカウントであることに注意されたい。
横軸である日柄の次の変化日は10月17日が示されている。また、その間のマイナーな変化日は9月13日である。
現在のテクニカルは短期指標・中期指標共に売り支持であり、戻り売り圧力の強い中、下値を試すことを示唆している。134.32までの戻りを丁寧にショート・メイクすることに妙味がありそうだ。当たるも八卦、当たらぬも八卦…。
平成12年8月15日の独り言「9600件」
先週の月曜日に「あるファンドマネージャーの独り言」に対するアクセス件数が9500件を越えましたありがとうございます。先週は金融政策決定会合を控え、活発な意見交換(意見伝達)を行っていたことから御礼が遅くなりました。
また、昨日にはアクセス件数も9600件に達し、あと400件弱で10000アクセスに達しようとしています。これもひとえに皆様方の激励のおかげであり厚く感謝申し上げます。
今後とも高いレベルの双方向コミュニケーションがとれるHPを目指して頑張りたいと思いますので宜しくお願いします。 tetzu
平成12年8月14日の独り言「日銀の専管事項」
先週末の日銀金融政策決定会合で、とうとう日銀はゼロ金利を解除した。いろいろと揉めた今回の利上げであるが、日銀としては「危機回避措置または非常事態宣言の解除」という位置づけをはっきりと説明し、サクッ、とゼロ金利解除を行えば良かっただけのことだったと思う(これだけで誰しも納得でき、十分説明責任は果たせると思うのだが…)。
藤原副総裁が「10年来続いた緩和政策の反転」という表現をしたことが説明を困難にしたのは明らかだ。実際は裏にそういう意図があったとしても、非常事態宣言の解除という形で一旦、ゼロ金利を解除しておけば、日銀は時間的猶予をかなり確保でき、その間に経済状況をゆっくりと見定めることができるはずである。そして必要があれば追加利上げを断行すればよいだけのことで、これは中央銀行の戦術のレベルの問題である。
新聞等では、時期尚早の利上げと評価も多く聞かれる。私も以前独り言にも書いたとおり、その通りだと思いう。「経済状態が少し上向いてきたから金融の微調整をしただけだ」というのは少し乱暴すぎる。経済成長率が潜在成長レベルにも達していなくて、しかもインフレの無い中で、政策金利を引き上げて金融を引き締めるというのは世界中のどこを見ても有り得ない政策だ。
また、世界中がY2Kで膨らんだ流動性が収縮しているのは明らかである。日本もその例外ではない。今年に入ってからは明らかに流動性が締ってきている。その影響がこれからでるかもしれない(特に株式市場)という時に、政策金利の引き上げを断行してしまった。
中には「構造改革を促すためにゼロ金利解除は必要悪である」とする意見もあるが、それは間違いであると思う。日銀にそんな権限はないし、日銀の考えることではない。そういった意味での利上げを支持した人は今の日銀ボードのメンバーにはいなかったと思われるが、もし、そのような判断が働いたとするならば、金融政策は「日銀の専管事項」とはいえ、それは日銀の業務の範囲を逸脱しており、ただの「横暴」と言える。ただ、どちらにしても日銀が今後の日本の景気と株式市場の動向に結果責任を負ったことだけは間違いない。今後の日銀と政府と景気(株式市場)の動向には注目だ。
(おまけ)今回の利上げの中で「マーケットとの対話」という言葉がキーワードとしてよく出て来るが、本当の意味で「マーケットとの対話」というのはマーケット参加者と言葉で話し合うということではなくイールドカーブなどマーケットの動向から政策判断をするということだと思うのですが、日本ではどうも理解はされていないようである。「・・・。」