過去の独り言もみることができます。過去の独り言の目次はこのページの一番下にありまので、スクロールしてみて下さい。それでは、どうぞ!
平成13年3月1日の独り言「デフレ状況」
「独り言」および「相場予想」の中では即座に指摘しておいたが、改めてコメントしておこう。先日のG7では日本に対して厳しい見方が多かった。日本の景気下振れリスク指摘されたことが然りである。
しかし、日銀にとって最も厳しかったのは「デフレ状況」を突かれたことであろう。景気は財政・政治・経済政策・民間企業の力量なども含めた共同責任であるが、物価安定については景気動向に左右されるとはいうものの、金融政策と表裏一体の日銀の専管事項であるからだ。日銀はこれまで「デフレスパイラル」の状況ではない、という言葉で国内投資家を煙に巻いていたのであるが、外人には「デフレはデフレだろ?!」と簡単に指摘されてしまったのだ。日銀にしてみれば、公定歩合の引き下げとロンバート型貸し出しの導入というお土産を用意して臨んだG7だっただけにショックが大きかったに違いない。
特に英国MPCに代表されるようにインフレ・ターゲットを政策の目標に置いている立場から見れば、日銀は政策放棄しているように見えるだろう。最近、流石に減税を是認する見解を示しているFRBであるが、彼らはインフレのみならず、景気についても全責任を負っているかの如く振る舞っている。中央銀行の信任の違いは歴然と言わざるを得ない。G7後、日銀はその批判を真摯に受け止め、二の矢を放った(昨日の利下げ)ということである。マーケットが更に三の矢を期待するのも当然といえよう。
それゆえ、G7のステートメントを真摯に受け止め、名目金利、名目株価を取り引きしていることを再認識出来た投資家のみが短期間に、ご褒美を得ることが出来たのである。その意味では、株価の水準訂正と、金利の水準訂正は起こるべくして起こったということを投資家は認識する必要があるのだ。日経平均リンク債やEBが株価を下落させている訳ではない(一部に悪いトレーダーがいるようであるが、それによる下落は一時的なものでしかない)。
平成13年2月28日の独り言「行ってこい」
以前(1月22日)にコメントしたとおり、JGBの次の重要な変化日は3月27日となっている。但し、その間のマイナーな変化日は2度観測されていた。一つ目は2月22日(2月22日は警戒していましたが、急落した日でしたね。今から思えば絶好の買い場だった。:サポートの137.40割れ)、2つ目は3月5日なので記憶しておくと良かろう。
また、重要な縦軸を構成する価格軸であるが、これまで重要なレジスタンス・プライスであった136.65(1月19日の日銀金融政策決定会合までのこと)の上に137.40と少し離れて139.70が認められる(これが現実味をおびてきた。98年10月の139.56を抜けたところが肝ということでしょう)。
日経平均株価指数は昨年4月に銘柄の入替えがあったとは言え、本日98年10月9日のザラ場安値を更新した(先日バブル期以降の安値を更新と報道されていたのは引値ベース安値をザラ場が更新したというだけ。今日はそのザラ場安値12787.90をしっかりと割れた)。結局、どちらのマーケットも行ってこいということである。
結局、昨夏に解除したゼロ金利も本日0.15%に引き下げることを日銀が決断した。オーバーナイト金利を、ほぼゼロに近い金利に誘導するというのまで「行ってこい」だ!
平成13年2月27日の独り言「トルコ・リラ・キャリートレードB」
2月20日に起こったこと:前日のキャリートレードの手仕舞いは為替ヘッジをかけたところまでに止まり、現物(トルコリラの運用部分、例えば短期運用、市場金融商品)には手を付けていなかった事が考えられる。従って、市場にはトルコリラ建ての証券ロングと足下のトルコリラのショートという歪んだポジションが残る状況となるのだ。
ところがこの日、トルコ週銀はレポオペを停止したことから翌日物金利が暴騰し最終的には2300%まで上昇し、足下流動性のスクィーズに掛かった。
キャリートレードに通貨ヘッジを掛けてしまった投資家の取る選択肢は3つある。@リラ建て証券を売り払って、完全にトルコから撤退する。A高くても市場で足下流動性を確保し急場を凌ぐB掛けたヘッジを外しす、即ち為替市場でトルコリラを買い戻し、バスケットを売り戻すの、3つである。
多くの投資家はBを選択した様だ。なぜなら、この日トルコのローカル銀行が、トルコ中銀に対して約2000MILのドルを対トルコリラで売却していたからである。
但し、トルコ中銀はここでも、あくまでも対米ドルでしかリラを供給しなかったため、バスケット・ポジションを再構築するためには市場でユーロ売り/ドル買いを行なう必要が生じた。このユーロ売りが2匹めの鰌(ドジョウ)を狙ったユーロロングの投げを巻き込んで、ユーロ/ドルは0.9240の高値から0.9050の安値まで急落したのである。
今後のグローバルな通貨への影響であるが98年のロシア同様トルコに対するドイツ等欧州圏のエクスポージャーが高いことが指摘できるが、ロシア危機の時にはマルクはドイツ経済への悪影響懸念から売られるのではなく、逆にリパトリから買われたことも頭に入れておく必要があろう。今回はいったいどういう風なフローになるのか現段階で判断は付けづらいというのが本音である。
平成13年2月26日の独り言「トルコ・リラ・キャリートレードA」
>>先週木曜日(2月22日)からの続きです。
2月19日に起こったこと:セゼル大統領が国家監視委員会を派遣して銀行調整監視機構、および預金保険基金の管理下にある銀行の業務調査をエジェビット首相との事前協議なしに決定したことから同首相が激怒。エジェビット首相は軍が支配する国家安全保障評議会を招集したが、その席上で大統領と衝突し、「このような状況を続けることは出来ない」と発言し会議を途中退席してしまった。市場はこれを“首相が辞任する”可能性が高いと解釈した。「首相辞任=IMFが要請している経済改革路線からの逸脱」懸念からトルコリラに売り圧力がかかったのである。
しかもタイミングの悪いことに、21日には58億$相当のトルコリラ建て国債の償還を控えており、政府は20日に償還資金の約70%に相当する3000兆リラ(約43億$)を7ヶ月および12ヶ月物の短期国債で調達する計画だった。従って、マーケットはより敏感に反応する結果となったのである。
そのためトルコ株式市場は最大14%の大幅下落を起こし、トルコリラは急落。先日紹介したキャリートレードが破綻、手仕舞いを余儀なくされることとなったのである。その結果として市場にはリラ売り/バスケットの買い需要、即ちリラロングと米ドルショート&ユーロショートのポジションが大量に発生することになるのである。
市場のリラ売りに対してトルコ中央銀行はトルコリラ防衛のためにドル売り/リラ買い介入を実施。総額は4.5BIOドル相当の介入となった。しかし、リラ買い介入が対米ドルに限定されたためリラ単体では売り買いが均衡したものの、市場には大量のドルロング/ユーロショートが発生する結果となった。このポジションをカバーするためにユーロ/ドルは急騰、0.9130〜0.9236までの棒上げとなったのである。
明日に続く…。
平成13年2月23日の独り言「日経平均株価指数最安値更新」
最初にくだらない話をひとつ。昨日の日経平均株価指数はバブル崩壊以降の安値を更新したという報道が多いが、正確には「ザラ場でバブル崩壊以降の引値ベース最安値を更新」したである。これまでのザラ場の安値は1998年10月9日の12787.90で、昨日の安値(12861.33)は、その73.43円上で止まった。引値ベース同士では当然最安値は更新していない。その意味では日経新聞夕刊の書き方が最も適切だった。ちゃんと「引値での安値を一次割り込んだ」と書いてあったから。
以前に独り言でもコメントしたが今回の安値更新は昨年4月の日経225採用銘柄入れ替えによりハイテクの値嵩株が組み入れことが大きな要因となっており、TOPIX(東証株価指数)が安値を更新していないことを見ても明らかなように株式市場全体が1998年の水準を下回ったとは言えないところがある。
しかし、「日経平均株価の最安値更新は銘柄入れ替えが原因で悲観することは無い」というのは大嘘で、株式市場全体、いや日本経済自体が悲観的な状態にあることは疑いの無い事実である。宮沢財務大臣は「日本のファンダメンタルズに問題はなく米国株式市場の下落につられているようだ」などと嘯いているが、TOPIXが安値を切った後では「既に時遅し」であることは明白で、現状認識を切り替えて長期的な税制改革、規制緩和などの経済対策(景気対策ではなくて)を早急に実施する必要があろう。
「銘柄入れ替えのせいだ」と叫びたいのは、日経平均株価が対象となっているオプションを扱っている人達、特にプットを売っている人であり、悠長なことは言っていられない。首の皮一枚でザラ場安値の更新は免れたものの、いつ日経平均株価がザラ場安値を更新してもおかしくは無く、実際先日もリンク債は12月に引続きヒットされていたものが見られた様だ。指数を相手にする怖さでもある。
平成13年2月22日の独り言「トルコ・リラ変動相場制へ移行か」
トルコ情勢の不安による通貨の変動の裏にはトルコリラに絡むキャリートレードの存在があるがそのことについて記述しておきたい。
これまでトルコリラはマネージドフロート制(クローリング・ペッグ制)を採用していた。これはバスケット通貨(米ドル:ユーロ=1:0.77)に対して一定の比率(例えば月2.1%)の割合で減価していくように中央銀行が金融政策や為替介入を通じて誘導するものである。
しかしながら、トルコリラとバスケット通貨の市場金利差が、マネージドフロートの減価率を上回っているため、裁定取引(アービトラージ、所謂キャリートレード)の余地が生じていた。
具体的にはバスケット通貨売りのトルコリラ買いのポジションを持ち購入したトルコリラを市場金利商品で運用(例えば1ヶ月物4.0%で運用)するという形になる。
この場合、バスケット通貨の調達コスト(例えば米ドルの調達コストが月0.5%、ユーロの調達コストが付き0.3%だと仮定すると上記の比率1:0.77で言えばバスケットの平均調達コストは約0.4%/月となる)に、トルコリラの減価率を差し引いても、トルコリラでの運用利回りが上回るのであればキャリートレード(裁定取引)が成立することになるのである。上記の仮定に基づけば1.6%/月=(4.0%−2.0%−0.4%)の収益が転がり込むわけだ。
従って、このキャリートレードはこの3つのファクターが安定していれば問題なく美味しい取引となるが、@バスケット通貨の調達コストが急上昇した場合、Aトルコリラでの運用が失敗した場合、及びB(この要因が最も大きいリスクである訳だが)トルコリラの対バスケット通貨での減価率が予想範囲を超えて減価してしまう、即ちリラ安が急速に進んだ場合はキャリートレードが成立せず失敗に終わり手仕舞いを余儀なくされるということになるのだ。
>>>明日に続く。
平成12年2月21日の独り言「御礼12500件」
「あるファンドマネージャーの独り言」へのアクセス件数が一昨日、12500件を突破しました。ありがとうございます。
先日お伝えした「ネットランナー」の件であるが、発売された「ネットランナー3月号」を見て驚いた。この「あるファンドマネージャーの独り言」のURLが掲載されてしまっているのだ。筆者の返信が先方の締め切りに約3時間程度遅れたことが原因であると思われ、既に原稿が出来上がってしまっていたものと推察されるものの
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「「お返事遅くなりまして大変申し訳ございません。「ネットランナー」掲載辞退の件、承知致しました。また機会がございましたらよろしくお願い致します。」」
*********************************
という返信をいただいていただけに、残念である。
ただ、筆者が想像していたものよりも控えめであり(どんなものを想像していたのか?そんな大きく採り上げるわけ、ねーだろう f(^^;)、現在のところアクセス件数にも何ら支障は出ていないことから、今後の経過を見ていきたいと思っている(このHPはグローバル・ボンド・サイトであるのですが、為替のサイトと紹介されていたのにはちょっと残念さも感じましたが、牛熊i-modeさんと同列に並んでいたことには少し嬉しい気持ちもあります…)。しかし、今後も読者の皆様方のための特定小数を対象にしたサイトであることに変りはありませんので引続き宜しくお願いします。
<<おまけ>>
「ネットランナー」に紹介されたことから、“あるファンドマネージャーの独り言”にも「ソフトバンクVコード」が付けられている。 i-mode携帯からソフトバンクV(http://sb-v.net/)にアクセスして、このVコードを入力すれば、あっと言う間に「あるファンドマネージャーの独り言(i-mode版)」にアクセスできるので、こうなったら逆に活用して欲しい。Vコードは“V0883”である。ちなみに「牛熊i-mode」は“V0877”だ。
平成12年2月20日の独り言「フィリッパ大統領副補佐官講演会F」
6.経済減速と円高進行
通常、一国の経済が悪化するとその国の通貨は弱くなるのが普通である。しかし、日本の場合であれば円安が進むはずである。しかし、過去の経験からも明らかなように、なぜか円高が進む。その理由は日本人の投資パターンとして、経済が悪化した場合、本来収益機会を見つけて投資すべき資金が収益機会を無視して、資金の安全を重視するために起きることが指摘できよう。言い換えれば、日本人は経済が悪化すると守りに入り、国内への資金環流を起こしてしまう。それは強さではなくストレスから来るものである。
以上がフィリッパの講演内容である。11月に聞いた時と比べると大統領も決まり、かなり方向性が見えてきた様子で切れ味が良い。聞けば聞くほど米国の健全性が浮き立ち、投資したくなって来る。1月からの米ドルの巻き戻し(一人勝ち)の背景が説明されたようにも感じる。
しかし、ヨーロッパ中央銀行が2月の
ECBレポートで米国と日本の景気に懸念を表明しているのと好対照で面白い。ただ、どちらにも共通しているのは日本の景気に対して下ブレ・リスクが大きいと懸念を持っているという点である。構造的でもあるこの問題を日本は他国に言われるまでもなく解決する必要があろう。平成12年2月19日の独り言「フィリッパ大統領副補佐官講演会E」
5.日本経済
非常に悲観的であり、現在の状況(バランスシート不況)は当面続くことから、構造改革が必要。マーケットで円安は日本経済にとってプラスであると考えているが、実際は違う。
*円安が良くない理由としては
@アジア経済へのダメージ:円安により日本の米国、アジア向け輸出が増加するが、97年のアジア危機のことを思い出せば、どちらが良いか分るはずだ。
A JGBマーケットへの影響:JGBマーケットは94%が日本人の資金である。日本の投資家は投資先として、JGB以外にも現金、国内株、海外が考えられるが、投資先としては現在、消去法的にJGBしかない。また、昨年はユーロに投資して大きな損失を出し、苦い思いをしたことから、日本の投資家はユーロへなかなか行きづらい。従って、米国債券は魅力的であり唯一の扉は米国である。しかし、なぜ米国への資金流出が加速しないのかというと、それは円高のリスクが常につきまとうためであり、もし円高リスクがなければ資金はJGBから米国へ向かい、JGBマーケットの大暴落を意味すると考えられる。
Bエネルギー価格
イメージと違うかもしれないが、日本はGDPの60%を原油価格に依存している。1バーレル20ドル以上の原油は日本にとってコスト高い。それに加えて円安が進行すれば、GDPに大きなダメージを与えることが想定される。
以上から円安は決して日本にとっても良くない選択と言えるのだ。
>>>明日に続く。
平成12年2月16日の独り言「フィリッパ大統領副補佐官講演会D」
4.ドル高政策について
*アメリカは強いドル高政策を継続する。ただし、フリー・マーケット(介入には否定的)であり、為替のレベルは特に関係ない(政治的な理由でドルの価値を変えたくない)。それは、アメリカが海外資金に完全に依存していることを充分承知しているにも係らず、産業界(例えばGM)を救って、アセット・マーケットがクラッシュするような政策転換する事はありえないからである。
*政策転換しないにもかかわらずドルが売られた場合はどうするか?
先ず何故売られるか?ということを考える必要がある。売られるとすれば米国経済が回復しないとマーケットが判断しているためだ。従って、介入を行っても根本的な解決策にはならないことは明らかである。ドルを安定させるためには、更なる財政、金融政策を打ち出して、マーケットの不安を払拭することが一番。つまり、ドルが売られるのは通貨が悪いのではない。
>>>更に来週に続く。
平成12年2月15日の独り言「フィリッパ大統領副補佐官講演会C」
3.欧州経済について
一般的には米経済は減速、欧州経済は安定的とマーケットは考えているが、そのように考えていない。
前述の@ABともに米国に比べて劣っているからだ。
理由としては
(1)ドイツ、フランスは減税したものの、効果は限定的。財政面での追加策の余裕はない。
(2)インフレ:アメリカは過去9年間にわたってインフレなしでの成長を経験しているが、欧州は6ヶ月の成長ですでにインフレが始まり、1年半でインフレターゲットの上限を突破した。
欧州では投入単価の上昇=製品単価が上昇、故に企業の利潤は落ちないが、最終価格への転嫁により個人消費が落ち込む。ドイツは選挙前で成長率を下げたくないのであるが、2.8%→2.5%へ減速と言われている。それも実際はもっと低くなるだろう。
(3)人的にも、生活保護政策が厚く、経営側もアメリカのようなドラスティックな改革は困難。
以上(1)(2)(3)から考えると欧州と米国どちらが早くリカバリー出来るか?答えは明白である。
>>>明日に続く。
平成12年2月14日の独り言「フィリッパ大統領副補佐官講演会B」
2.米国株式下落による個人への影響
米国民の株保有比率は確かに高く、今回のナスダックを中心とする株下落によって個人の消費に影響を与えることは間違いないが、以下の理由から影響は限定的と考えられる。
米国では65歳以下の人は株売却時の税金が高いため、超長期保有を基本としている。401Kも然り。
経済への影響(Wealth Effect)を把握するため行われたある調査によると、平均的な家計(年収28,000ドル)の保有資産に占める株の比率(除く401K)はほとんどゼロであるとの結果が出ている。
投資家、個人ともにここ数年間はダウが高値圏にあると考えていたため、決して高値掴みをしておらず、世の中で言われているほど個人は影響を受けていないのではないかと考えている。
資産価格について注目しているのは株よりもむしろ地価である。個人は自宅を担保に借入れを行ってきた。現在はまだ地価が上昇しており、今のところ問題はないと思われるが、もし、今後地価が大幅に下落するようなことがあれば、米国経済の楽観的な見通しを修正しなければならない。
>>>明日に続く。
平成12年2月13日の独り言「フィリッパ大統領副補佐官講演会A」
先週末に金融政決定会合で公定歩合が引き下げられたことなどから、予定を変更してコメントを発しました。フィリッパ講演会の続きを今週もお届けします。
A金融政策の政策余地
現在、インフレについては極めてうまく管理されている。FEDは多くの政策余地、さらにはそれを行う意志を持っているとの認識。ただし、マーケットは次々と利下げを織り込んでいっているために(3月に50bps)、利下げ余地があるものの、今後の利下げ効果は減る事が考えられ懸念している。
B人的要因(Human Factor)
労働者の人的レベル:2世代にわたって仕事を失い、その度に素早く新たな仕事に適応してきた米国人の力は侮れない。また、経営サイドは贅肉を落とすことに関して非常に情け容赦ない。この容赦の無さは投資家側にとっては大きな「買い」材料である。
労働需給面のひっ迫した状態は継続しているため、職を失っても次の仕事が見つかる。従って、米国民は現在の経済状況に対し非常に楽観的であり、異常に高かった支出が多少落ちた程度と考えている。
・政策者の人的ファクター
ブッシュ次期大統領はMBAを持っている初の大統領であり、経営、バランスシートも理解できる。さらに、政府のKey
Manであるグリーンスパン、チェイニー、リンゼー、オニールいずれも昔からの付き合いであり、政策面でも結束力が非常に強い。ブッシュは必要であれば非常に積極的な政策をとることが可能だ。
以上@ABの3つの理由から米国経済は安定的と考える。
>>>明日に続く。
平成13年2月9日の独り言「日銀金融政策決定会合」
日銀は本日の日銀金融政策決定会合で公定歩合の引き下げとロンバード型貸し出しの採用などを決定した。以下はその記事。
(RTR) 02/09 17:52JST 公定歩合引き下げは、ロンバート型貸出の市場金利安定化効果を
一層強化するため=日銀
(RTR) 02/09 17:56JST 金融市場の円滑な機能維持と安定性確保に安全を期し、金融面か
ら景気回復を支援していく=日銀
(RTR) 02/09 17:58JST 個別行が必要に応じて資金もらえる制度作ったことが最大のメリ
ット=ロンバート制で財務省筋
時事の解説はチャートで、より分かりやすく説明されている。以下のとおり…。
(JIJ) 02/09 18:01JST ○流動性供給方法の改善策および公定歩合の引き下げについて
*1.ロンバード型貸出の新設
…公定歩合による受動的貸出実行メカニズムを通じた市場金利の安定化
2.短期国債買い切りオペの積極活用
…返済圧力のかからない短期の流動性供給
3.全国手形オペの早期具体化
…日本銀行の本支店網を通ずる、地方所在の金融機関も含めた幅広く安定的
な資金供給
+
◇公定歩合の引き下げ(0.5%→0.35%)
…ロンバード型貸出の市場金利安定化効果を一層強化
↓
▽金融市場の円滑な機能の維持と安定性の確保
・金融調節の柔軟性の向上
・幅広く安定的な資金供給
▽金融面から景気回復を支援する力を強化 〈8301〉(了)
今回の決定のミソである「ロンバード金利」とはいったいどのようなものか。これは欧州通貨統合前のドイツ連銀や、現ECBが導入している金融調節の方法である。
ドイツ連銀を例にとると、連銀が金融機関に対して実行する貸出のうち、連銀法で規定された有価証券(*下記ご参照)を担保とするもので、期間は最長3ヶ月である。この貸出金利がロンバートレートである。ロンバート貸出は、公定歩合による手形再割引と異なり、法的には金額的な制限が存在していないが、連銀の政策運営上の必要性(金融引き締め)から量的制限が課せられたり、貸出が停止されたこともあった。こうした場合には、連銀は緊急避難的な信用供与として特別ロンバート貸出を実施した(1973-74、1981-82)。1981年には、特別ロンバートレートは12%の高利が適用されたので、公定歩合との金利差は4.5%にも達した。
ドイツの短期金融市場においては、公定歩合が最下限、ロンバートレートが最上限をな
している。日銀の場合は少し異なり、コールレートが最下限、公定歩合が最上限のロンバートレートとなる形。また、日銀がこれまでの日銀貸し出しに加えてロンバート型資金供給を採用した意味は金融機関が能動的に資金供給を受けられるか、受動的に資金供給を受けるかの違いと解釈出来る。
*過去のドイツにおけるロンバート貸出の適格担保
@再割引業務での購入条件を満たす手形(大蔵省手形を含む)
A1年以内に満期となる割引中期債
B債務者が連邦政府または連邦特別財産である確定利付債務証書、及び登録債
C銀行の定めるその他の確定利付債務証書、登録債
D債務帳簿に記載されている平衡請求権
上記の説明は独短期金融市場についての説明であるが、日本でのオペレーションの具体的融資条件は28日の決定会合でまとめられる予定である。貸し出し期間についてはドイツの最長3ヶ月というもの程長くなくて4-5日程度までか?また、適格担保についてもドイツとは当然異なることが考えられるのでご注意を。
今回の政策がどの程度実態経済に対する実効性があるのかに関して、疑問符が付くのはやむを得ないが、昨夏ゼロ金利解除を行なった日銀の次の一手が公定歩合の引き下げであったということは日銀が実態経済を無視して政策に固執するのでは(?)という懸念を取り払った意味でも非常に大きい政策判断であると評価したい。
平成12年2月8日の独り言「フィリッパ大統領副補佐官講演会」
フィリッパ大統領副補佐官講演会について資料を頂いたのでご案内したいと思う。よく日本を訪れ、最近は弊社にも顔を出してくれる。
1.米国経済について
マーケットは非常に悲観的に捉えている様だが、非常に楽観的に考えている。
なぜなら――
@財政、減税
A金融政策の余地
B人的要因
があるからである。以下に説明したい。
@財政政策
*減税案は無事可決されると考える
(1)大統領選挙の接戦により共和党・民主党間に大きな確執が残ったことから、今後あらゆる政策面での合意はありえないと思われた。しかしUS CENSUS(国勢調査)の結果、拮抗すると思われた下院が予想外に民主党議席が7〜8議席減る可能性がでてきた(5%はいつも浮動票)。
これを受けて民主党の減税案に対する発言も一転している。
・減税には反対であったデイビッド・ボニアーは24時間で態度を変えた。
・民主党ゲパート議員も48時間後に減税について妥協点は見いだせると発言。
(2)減税財源:今後10年間で1兆ドルの財政黒字が出てくると試算(CBO)している。この前提としては、現在の株価に対し40%下落したレベルが今後10年続く、GDPが2期連続でマイナスになるというかなり余裕を持った計算根拠である。
また、減税規模については1兆3000億ドル付近で決着するのではないかと考えている。また、成立時期はマーケット予想より相当早く、今年6〜7月頃になるのでは?
*減税案が可決されない可能性は?
<今回の減税案>
ブッシュプランはただ「貧しきに与える」だけでなく、「貧しい者が中流階級に上りやすくするする政策」なのである。たとえば年収25,000ドルの看護婦が減税と教育機会を得ることにより、よりステータスの高い看護婦となり、中流階級に入る政策。故に、彼らが将来的には 共和党支持層となる。
これまでで最も共和党寄りの政策を打ち出したが、民主党の説明が不十分であったため、共和党は反対していた。同じ減税をするにしても、党の性格を反映して論点が違って見える。お互いがお互いの論点で有権者にアピールできるような案で落ち着き可決されることが予想される。
>>>明日に続く。