過去の独り言もみることができます。過去の独り言の目次はこのページの一番下にありまので、スクロールしてみて下さい。それでは、どうぞ!


平成13年5月10日の独り言「円債テクニカル・アップデート」

本日は「鮮魚輸入B」の掲載予定でしたが、円債のテクニカルが重要なポイントに差し掛かっているため本日は急遽、標題のテクニカルアップデートを掲載させて頂きます。「鮮魚輸入B」は明日の掲載となりますのでお楽しみに。

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4月、JGB FUTUREは137.40の重要な下値支持線を何とか守り、反転。国内債券市場は再び上昇トレンドに入った。直近では、その上昇モメンタムはより強力になりつつある。

以前ご案内したテクニカル・アップデート(3月28日版)に記述してあるとおり、JGB FUTUREはマイナー変化日をゴールデン・ウィーク前の4月26日に迎えている。奇しくも、その前日である4月25日に中期テクニカルが陽転し、ロングポジションに移行したが、翌26日、ちょうど変化日の26日には当日のプライスアクションから「(ロングの)自信が確信に変わった」(4月26日のポジション・トーク)とあるように、上昇トレンドをコンファームしている。

これまでトレードしているフレームは以前より引きずっている137.40−139.70という縦軸から変化はないが、5月8日にはとうとう139.70をザラ場で付けるに至った。また、昨日9日にはザラ場で139.70のレジスタンス・ポイントをアップブレイク。14:59の成り行き売りも139.70より下まで落とすことは出来ず、139.72で引けたことからフレーム替えが示唆されている。昨日の引けのみではフレーム替えをコンファームするには至らないものの、フレーム替えがコンファーム出来れば、3月にフェールした141.95を再アタックすることとなろう。

また、この戻りの相場の中でチャート的には重要な窓を2つ形成していることを確認しておきたい。一つ目は自民党総裁選で小泉氏圧倒的優勢から作った4月23日の「小泉窓(137.88−138.00)」、二つ目は株式買取機構が今国会で審議されないことが伝えられ作られた「株式買取機構頓挫窓(139.40−139.47)」の二つである。この二つの窓は今後、押し目を作った場合の大きなサポートとなることが予想されるので記憶しておくと良かろう。

フレームの横軸である日柄については6月1日に次の変化日が観測されているのでご参考までに付記しておく。以上、当たるも八卦、当たらぬも八卦…。


平成13年5月9日の独り言「鮮魚輸入A」

また、中国国内でも、既に漁でまかなえなくなった高級魚については養殖が盛んになっている。もともと日本への輸出用の“養殖あわび”を手掛けていた“青島”の業者などは、日本に売るより、中国国内で売る方が高く売れるため、現在日本への輸出はしていないところが殆どだそうだ。

そのような環境の下だからこそ、前出の日本へ輸出していた中国の水産会社は日本の市場での価格と中国の市場での価格を比較して高い方へ売るという裁定取引を行なっている。かつてのように、釣った魚は日本へ持っていけば必ず高く売れるという時代ではなくなったということである。また、価格情報はコストはかかるものの、自ら調査員を置いて携帯電話で行われるから常に新しい。

中国は未だ発展途上の国である。今後、国力が付いてくれば、あの13億とも16億とも言われる国民の胃袋を満たすのは大変なこととなろう。最近では九州の水産会社は中国への輸出も既に考えているらしい。

しかし、冒頭にも述べたとおり、福岡の漁師さん、水産会社さんは90年代の中国の輸出攻勢により既に廃業に追い込まれてしまっている様なところまで出てきており、漁業は空洞化し始めているのだ。これが非常に怖いところである。今後、中国の人々のうち贅沢できる人が徐々に増え始めたら大変なことが起きそうだ。鮮魚は中国からの輸入どころか輸出まで始めるはめに陥り、日本人はこれまで活き魚を安価に食することが出来た時代は過去のこととなる可能性が高まるということである。本当に食いたけりゃ、金を出せと、鮮魚の高騰が待っているかもしれない。状況は一変だ!

>>更に明日の独り言に続く…。


平成13年5月8日の独り言「鮮魚輸入」

TBSの報道特集で興味ある特集をやっていたので、ご案内しておこうと思う。それは中国からの鮮魚の輸入についてである。中国からの輸入によって福岡の漁師さんの中には廃業に追い込まれた人達もいる。つい先日、一部の野菜で緊急輸入制限(セーフ・ガード)が発令され物議を醸したが、こちらではもう何年もこのような状況は続いている。同じ東シナ海で魚を取り、同じ市場で売られては人件費の違いから日本の漁業では太刀打ちできないということである。

しかし、話はここからである。その中国からの輸入が2000年に初めて減少したというのである。しかも「今年も減少することは間違いなさそう」ということである。これはセーフ・ガードによるものではない。理由は中国の漁師さんが中国国内向けに魚を売り始めたのである。なぜ、そのようなことになったのであろうか…?

理由は中国国内の交通・水槽設備・冷凍設備などの普及・高度化により、中国の人達が鮮魚を食べるようになってきたことにある。インフラの整備で中国人の食生活が変わって来たのだ。中国の人が鮮魚を食べるようになったのは90年代に入ってからのことの様である。

まだ、日本と中国で比べると平均的な給与水準については大きな隔たりがあるのは間違い無い。しかし、中国のシーフードレストランのオーナーが言うには「それだけの価値のある食に対しては中国人はお金を払う」ということである。昔から高級食材としては“あわび”、“ひらめ”等があるが、これらは日本で食べるよりも高いようだ。

そのため、日本に90年代に大量の輸出を行なっていた中国の漁師は日本への輸出から中国国内への供給に船の舵を切っているということである。ある中国の輸出業者はピーク時に1600万トンの鮮魚を日本に輸出していたらしいが、現在では1000万トン程度と4割減少しているとのことである。

>>明日の独り言に続く…。


平成13年5月7日の独り言「内閣支持率A」

従って、マーケットで起こり易いと想定されるアクションとすると日本株の買い、ユーロ円の買い、ドル/円の買い、最後に円債の売りである。その余波として本邦投資家の外債投資減少が上げられるようか。

付け加えておくと、米国もファンダメンタルズは未だ悪化しているとはいうものの、既に株式市場は悪材料をある程度織り込み、先日のFRBによる「株価押上介入(緊急利下げ)」によって上昇モメンタムを維持しており、日本株投資を行なうに十分な期待とリスク許容度を持っていると推測出来ることから投資熱が高まるのは自然であろう。

最も怖いのは小泉氏自信が一番分っていること、即ち「何も変わらない」と国民が見切って内閣支持率が急速に下落することであろう。その懸念を払拭するのことがこの内閣の重要な仕事となろう。もちろん、先週も指摘のとおり「内閣支持率が上がるということは将来への期待が上昇しているということであり、それに対し株式マーケットがポジティブに反応するとの見方であるが、そうではなくて、株式市場が上がると、支持率が上がり、株価が下がると支持率が下がっているだけ(日本人のマインドは株式市場に影響を受けやすい?)かもしれないということも事実である。


平成13年5月2日の独り言「内閣支持率」

先週、小泉新政権に対する見方をコメントしたが、その中で指摘した新内閣の支持率がいろいろなメディア、マスコミア各社の調査で明らかになってきた。先週、指摘済みであるが外国人投資家の動向によって日本株式の動きは大きな影響を受けている。しかも、この外人の買い越し額・売り越し額が内閣支持率の動きとマッチしているのだから、見過ごす訳にはいかないだろう。

その集計された数字であるが、各社多少のズレはあるものの、そのほとんどが80%を超す高支持率である。今回は自民党員が選んだ総裁であるものの、国民全体で選んだというイメージが醸し出されていることも高支持率の要因と思われる。首相である当の本人は「高すぎてこれからは落ちるしかない」などと言っているが、この数字に外国人投資家が黙っていられるはずはなかろう。

なぜなら、ヘッジファンドでないリアルマネーと呼ばれる外人投資家に対するアンケートでは日本株買いの理由の上位に「入れ比率が過去最低で“上ブレリスク”がある」という結果が出ているからである。既に外国人投資家は日本株アンダーウエイトに対してリスクを感じているのだ。

これは欧米投資家ともにそうで、90年以降最低の組み入れ比率である。細かく見ると、今四半期の日本株組入れ比率計画で米投資家は横ばいとなっている。それに対して欧州投資家は1.8%の組入れ増計画となっている(平均)。ゴールデンウィーク谷間にも関わらず「小泉政権への期待から欧州勢が円買いを入れた」との観測が出ていたが、これは高い内閣支持率に反応した正に欧州リアルマネーの円株ウエイト引き上げの動きに他ならず、アンケート結果を裏付けるものであると考えられる。

>>ゴールデン・ウィーク明けに続く…。


平成13年5月1日の独り言「質問」

週末に金融情報交換室に下の質問を頂きましたのでお答えしたいと思います。

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287] ファンドへの情報提供のお仕事 投稿者:ポチ 投稿日:20010428 () 2335

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金融のお仕事からは、まったく縁がなかった私なのですが、今、社内失業しそう、、、

そこで、新しい仕事として思いついたのが、現在取引のある会社の情報提供をファンドへ行うこと。 ある分野の中小企業約500社との取引がある某大手商社の一部門なのですが、ファンドでの必要情報を中小企業から提出してもらい、対価を頂くというのは、可能なのでしょうか。 この連休は、経営分析の勉強に費やすつもりです。 

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回答:

「ファンドでの必要情報を中小企業から提出してもらい、対価を頂く」というのはビジネスにならない訳ではないでしょうが、@現在所属している企業がビジネス上、入手した情報を外部に流しても良いと承諾するかどうか、A取引先企業が情報を第三者に流してもよいと承諾するかどうか、B中小企業の情報というのはミクロのビジネスの動き・流れを把握するには有効な情報かもしれませんが、ポートフォリオに組み込み可能かどうかが不明であることから困難を極めるような気がします。また、上記@Aがクリアできず、不法な手段で得た情報で対価を取ることはお勧めできません。

しかし、@Aの条件をクリアした上で、プライベート・エクイティ・ファンドなどの投資家が、業界として将来の伸びが期待できる特定の業種に対してであれば、対価を支払うことはあり得ると考えます。また、独立しても現在の情報量・質が落ちないのであれば、情報提供会社を起こすことも可能かもしれません。また、その業界のアナリストになるということも一つの選択肢かもしれません。答えになっているかどうか分かりませんが、ポチさん頑張って下さい。

「あるファンドマネージャーの独り言」では皆さんのご感想、ご意見、ご質問等をお待ちしています。お気軽にどうぞ!


平成13年4月26日の独り言「小泉新政権A」

キーとしてはレポートの最終行にご指摘のとおり「日銀はデフレ克服のための猛烈な流動性増加を視野に入れている」というところでしょう。当然、構造改革には大きなデフレ圧力がかかると思われますが、マーケットがデフレを意識したことで、それまで延々と続いてきたデフレの相場は既にマーケットに織り込まれたと考えた方が良いでしょう。猛烈な流動性供給も視野に入っていますし、この流動性が海外マーケットの変化で本邦投資家の外債投資に結びつかなかった場合、国内にかなりの過剰流動性が残ることとなるでしょう。このテーマの相場はまだ若いと思いますので意外に続くと見ています。

金利についてはおっしゃるとおりで「超長期ゾーンまでフラットニングが進む保証はない」ですよね。逆にデフレの相場は既にマーケットに織り込まれたとすれば後はゼロ金利継続の時間軸の問題だけです。したがってイールドカーブは異常な下に凸の形状となるでしょう。それは10年金利についても同様で5年−10年スプレッドは歴史的な水準を付けると思います。また、基本的に財政で円債が売られることも無ければ、買われることもないと思います。直近の50bpの金利上昇(10年国債利回り)を財政のせいと解釈すると結論がズレると思います。私はデフレにマーケットがやっと気づき、織り込んだ(急速な金利低下。非常に長い間デフレ状況に置かれていたために感覚が麻痺してたのでしょうね。G7で指摘されてやっと当の本人−「日銀及び本邦投資家」−が気付くくらいですから)後、政府・日銀がそれに対するアクション(対処療法)を取り始めたから上昇したのだと考えています。

勝手なことをつらつらと書きましたが、何かのヒントになれば幸いです。笑って読んでください。


平成13年4月25日の独り言「小泉新政権」

某アセットマネジメントのエコノミスト&ストラテジストの方(ちょっと違いますか?)から「小泉レポート」を頂きました。ありがとうございます。その中で筆者の感じたことを思ったままに書き連ねたいと思います。

先ず第一に政治の世界は如何ともし難く、どうなるのか分りかねるのですが、ただ、今後については新内閣の支持率がポイントとなると思われます。外国人投資家の動向によって日本株式の動きは大きな影響を受けていますが、この外人の買い越し額・売り越し額が内閣支持率の動きとマッチしています。従って、新内閣の支持率が上がれば外人の買いが見込まれ、日本株も上昇という見方も出来ます。

もちろん、内閣支持率が上がるということは将来への期待が上昇しているということですから、それに対し株式マーケットがポジティブに反応するとの見方ですが、逆に株式市場が上がると、支持率が上がり、株価が下がると支持率が下がっているだけ(日本人のマインドは株式市場に影響を受けやすい?)かもしれないのも事実です。

今回は自民党員が選んだ総裁ではありますが、国民全体で選んだというイメージが醸し出されているのも事実。まあ、取り敢えす私は新内閣支持率に注目してみます。

第二に中位株堅調ですね。バリュー株が吹くのはご指摘のとおりで、

  1. 猛烈な流動性相場でマネーサプライの伸びが加速していくか、
  2. 物価指標などでデフレ圧力の弱まりが確認できるか

と思います。

今はそのどちらの点についても変化するかもしれないという期待があることから、この上昇は健全なものと考えます。当然のこととしてこの期待が裏切られた時の下落は考えるだけでも恐ろしいですが、このような変化が期待できる時が最も株価の変化する時期と思っています。

>>明日に続く。


平成13年4月24日の独り言「円債相場」

昨朝のモーニング・サテライトでTMの方が最近のJGBは財政悪化懸念で売られているとおっしゃっていましたが、私は違う見方をしている(一部の理由はそうでも)。

別の方で今回の海外勢HFのショート理由を――総裁選を契機に「変わる日本」に期待:75%、財政懸念:20%、格下げ懸念:5%未満と分析するストラテジストの方がいらっしゃいましたが、私もその見方にAGREEである。逆に国内勢は格下げが理由という人が意外に多い。

また、市場分断しているというのは足下正しいと思いますが、それが外人のせいと説明するのは如何なものだろうか。実際、4月は現物の売り越しは少なく超長期債利回りは外人が売ったことによって上昇しているというのは変な解説だ。3月の売りも基本的には、@金利低下局面での利喰い売り、A「期待」に伴う株式へのシフト、B「スワップpay・JGBbuy」のアンワインドの3つが主たる要因と考えられる。財政や円安で売っている訳ではなかろう。従って、良い金利上昇75%対悪い金利上昇25%と言い換えることも出来そうだ。

従って小泉新内閣の手腕には注目が集まる。内閣支持率の変化には外国人投資家が注目をしており、上昇すれば日本株の買い越し額は増加しよう。それは日本に対する期待の大きさとして良い金利上昇を促す触媒ともなりかねない。

また、上にも出てきた「市場分断」であるが、足下正しいと思う。しかし、「外人が売れば超長期ゾーンが売られるから外人の動向が今後のイールドカーブを決める。外国人投資家がどう動くかが重要。」などというTMストラテジストの発言には閉口してしまう。外国人が売ったとしてもそれが理に適わないものであるならば、そこに収益のチャンスがあるはずだ。イールドカーブが歪んでいる、歪むとするならば、そうなることに何らかの理由があるはずであり、それを明らかにして説明・レコメンデーションするのがストラテジストである。外国人がなぜそのような投資行動を取るかが重要なのだ。従って、そんなストラテジ、ストラテジストは笑い飛ばしっちゃう他ないということですね。


平成13年4月23日の独り言「アクセス件数14000件」

本日アクセス件数が14000件となりました。13500件到達が45日でしたから12営業日で500件ということになります。これは流石に最短記録でしょう。有り難うございます。

極力、タイムリーなアップをと心がけていますが、様々な事情(超が付くほど忙しい時もあるということも含め)もあり、掲載がdelayする場合もあることをご了承下さい。ただし、これまで同様、ポジショントークについては余程のことが無い限り毎日アップしますので笑ってお読みになって下さい。

また、先日は「週末引け値予想コンテスト」に新しく“巨人ファンさん”のご参加を頂きました。半期にお一人ずつのペースで参加者が増えていることを大変嬉しく思っています。末永く宜しくお願いします。

このサイトに掲載されていることはHPの標題のとおり、あくまでも「あるファンドマネージャーの独り言」です。本ホームページは信頼できると思われる情報に基づき作成していますが、その正確性・完全性に関する責任は負いません。ご利用に際しては、御自身の判断にてお願いします。また、本ホームページに示した意見は、そのページの作成日現在の意見を示すのみであることもご理解下さい。筆者は本ホームページ中の情報を合理的な範囲で更新するようにしていますが、都合によりできない場合もありますので、その認識の範囲でご参照下さることをお願い申し上げます。


平成13年4月20日の独り言「FRB緊急利下げ(続き)」

エコノミスト・ストラテジスト達は彼らのコンセンサスの先を行ったFRBにBEHINDしたことに屈辱を受け、今度は再びFRBを追い越そうとしている。そういうスタンス自体がどうかしている。彼らが振れすぎることが間違ったバイアスを市場にかけ、マーケットのボラティリティを上げている。

今回の利下げはマーケットでほとんど予想されておらず、意外感のある利下げだったことは事実だ。これはセンチメントの回復が認められ、5月までFRBは利下げを待つだろうと市場参加者が考えていたからだ。

マーケットのイニシャルアクションは2年債を中心に金利低下した。しかし、2年債についても5月の利下げが4月に前倒されただけならUNCHANGEでも不思議ではない。ましてやテクニカルが未だ悪い(=投資家のポジションが悪い)長期債の反発には疑問符が付く。今回の利下げはセンチメントが改善してきていた株式マーケットを更に押し上げることが予想されるからだ(短期金利は政策金利に強く影響を受けるが長期金利はマーケットの期待を反映して先に動く=教科書にも書いてあるゾ)。

この利上げは別の側面から見ると株式の「押し上げ介入」。これまでは株価が先行して下落し、FRBに利下げを“おねだり”して、利下げが行われると瞬間ショートカバーが入った後、出尽くしてから売り直される繰り返し(買い支え介入)。しかし、今回はリズムが違うことに注意が必要だ。

為替介入でも買い支えの介入をしても効果は薄く、押し上げ介入の方が小さな介入金額でも効くのと同様である。ブンデス・バンクなどの得意とするところだ。その意味ではFRBは金融政策のタイミングに関して市場分析を緻密に行っていると解釈できよう。もとよりファンダメンタルズについては詳細な分析がなされていることに口を挟む余地はない。

おまけとして付け加えておくが、ECB(欧州中央銀行)にとってはFRBの先制的な利下げが想定どおり米景況感の改善を促すことに成功すれば、年後半の欧州域内成長回復期待も強まることから、金融政策については、より様子見姿勢を強めることが可能になろう。従って、欧州債マーケットは米国債券市場よりも更に厳しい環境に変化したと言うことが出来る。


平成13年4月19日の独り言「FRB緊急利下げ」

昨日、FRBは臨時連邦公開市場委員会(FOMC)でFF金利、及び公定歩合の0.50%の引き下げを決定した。これでFFレートは4.5%となり年初からの利下げ幅は2.0%となった。4ヶ月で200BPはかなりアグレッシブな利下げであり、これで今回の利下げ局面では初回に続いて2度目のインターミーティングでの利下げ決定となった。

今回のFRBの利下げについてはマーケットの意外感は強いが、エコノミスト・ストラテジストが市場の動き・センチメントの揺らぎに振らされる中、グリンスパンは必要な利下げ(足下若干改善してきたマーケットセンチメントの押上げ)を淡々と行ったと解釈している。利下げの打ち止め感を出した場合、緊急利下げの効果が薄れることから、「引続き必要であれば利下げを行う」旨の表明を行っているが、今回の利下げに関するステートメントの中にあるとおり、基本的には不透明感に対する保険的な意味合いが強く、よほどの悪材料が出ない限り、今後はFRBが様子見に入る可能性が高いと考える(5月FOMCで利下げを見送る可能性も高い)。

なぜセンチメントの押し上げが必要かというとであるが――、足下の企業業績は悪化しており、生産調整、投資抑制から、次の段階である雇用調整が急速に進んでいる。したがって、今後最も懸念されるのは個人部門のトータルのインカムが減少する(企業はコストダウンで利益の改善が期待されるが、個人部門は所得が圧迫される。当たり前であるが、個人部門から企業部門への所得移転であり表裏一体のことではあるのだが…)ことによる消費の減速である。今後更にセンチメントが悪化すれば負のスパイラルが起こる可能性が高いことをグリンスパンは多いに懸念しているのである。センチメントの後退でGDPの3分の1を占める消費がマイナスに陥れば即リセッションが待っている。

さて、話は変わるが、全くふざけたことに「インターミーティングでの利下げなし、5月の定例FOMCでも25BPの利下げになる可能性もある」としていた向きの多かったエコノミスト・ストラテジストらは今回の決定を受けて「5月も50BP、6月も50BP利下げを行う」と修正してきた。本当に軸足がぶれている。これほどヘッド・アップしてしまっていてはクラブにボールが当たる訳が無い。

また、今回のFRB措置は「マーケットの裏をかいた行動で、マーケットを弄び、余計な不安心理を煽るものだ」とする意見まで見られるのには驚きを隠せない。今回も利下げはグリンスパン議長の決断で実現したことは明らかで、筆者はこのタイミングの選択を率直に「GREAT!」と賞賛したい。次の定例ミーティングまでは時間がありすぎるし(ちょうど前回と次回の定例FOMCの中間)、株価動向、雇用統計、インフレ指標、鉱工業生産を確認し、センチメントがボトムを打って少し回復してきた正に今しかない“JUST”タイミングである。

>>>明日に続く…。


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