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平成13年5月31日の独り言「経済・物価の将来展望とリスク評価(詳細2)」
昨日からの続きです。
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第3のリスク要因:前述のように、日本経済は依然、企業の過剰債務問題や金融機関の不良債権問題など、さまざまな構造調整圧力を抱えている。こうした構造調整圧力の強さや、その実体経済への影響については、前述の標準的なシナリオにも織り込まれている。しかしながら、金融機関の不良債権処理や企業のリストラの動きが一段と進展する場合には、企業倒産や失業の増加などを通じて、短期的に実体経済にマイナス・インパクトを及ぼす可能性に、留意しておく必要がある。 ただし、構造調整の動き自体は、中長期的な経済発展の基盤を整備する上で不可欠であり、これを下方リスクとしてのみ認識することは適当でない。また、構造問題の解決に向けた取り組みが金融資本市場で前向きに評価される場合には、この面から経済にプラスの効果が先行して表れる可能性も考えられる。
さらに、構造調整の進展に伴って生産性が上昇する展望が得られ、経済に上向きのモメンタムが生じれば、金融政策がきわめて緩和的に運営されているだけに、景気の回復力が強まり、物価の下落傾向にも早めに歯止めがかかる可能性もある。
第4のリスク要因:現在、少子・高齢化の急速な進行による社会保障問題や財政赤字の拡大問題、さらには不良債権問題などを背景に、国民の間には将来に対する不安感が根強く、このことが、家計の支出行動にも影響を及ぼしているとみられる。 ********************************************************
上のように日銀は非常に良くリスクを整理出来ているし、理解も出来ている。特に下線を付けた部分に関しては、継続してモニタリングすることをお奨めする。
平成13年5月30日の独り言「経済・物価の将来展望とリスク評価(詳細1)」
日銀は「経済・物価の将来展望とリスク評価」の中で「金融政策運営に当たっては、前述のような標準的なシナリオを、先行きの経済・物価動向についての最も蓋然性が高い姿として想定しているが、これとの比較で下振れないし上振れとなる可能性(リスク要因)も、十分に念頭に置いておく必要がある」としており、金融政策を左右すると思われるキーポイント、即ち<日銀の視点>4点が明らかになっていることから、附記しておきたい。
@米国をはじめとする海外経済や、IT関連分野の動向
A資産価格の動向
B構造調整の影響
C国民の将来に対する不安感
である。もう少し詳細に日銀の当てている焦点を見てみると以下のとおりだ。
第1のリスク要因:米国経済は長期にわたって高い成長を続けてきただけに、その調整の規模がこうした慎重な想定をさらに上回り、本年後半にもなお回復に至らない可能性もある。その場合には、東アジア経済をはじめとする世界経済全体に影響が及び、日本の輸出・生産への下押し圧力も長引くことが考えられる。
また、そうした動き自体が、海外の景気回復を遅らせる要因となり得る点にも、留意しておくべきであろう。 さらに、米国経済の調整の深まりが大幅な円高に結びつくことがあれば、この面から日本の輸出にマイナスの影響が及ぶことも、可能性としては念頭に置く必要がある。
一方で、米国経済の調整が速やかに進捗し、本年後半に、かなりはっきりした回復に転じる場合には、東アジアをはじめとする世界経済や日本の輸出・生産へのプラスの影響も、それだけ強まることが予想される。
第2のリスク要因:米国をはじめ、各国の金融資本市場では、IT関連を中心とした株価の調整など不安定な動きが引き続きみられている。こうした中で、日本の株価も振れの大きい展開が続いており、なお不安定な状態を脱していない。さらに、地価の下落傾向も全体としては止まっていない。
>>>明日に続く…。
平成13年5月29日の独り言「JGBバブルの背景」
ばぶ・バブ・バブル。ロング・ポジションで過ごす時間が未だ継続している。以前にも指摘のとおりJGBはバブルに突入している(と筆者は思っている)。その時にもコメントしたが、筆者はバブルだから買わないというのは間違いであるという認識である。バブルは理論的に説明が付かないからバブルであって、こういう時は逆らってはいけない。コール売りなどもっての他である。テクニカルに忠実に馬鹿になりきる他ない。これはサラリーマンにはつらい。当然稟議を書かねばならないセクションはもっときつい。理由を書く必要があるからだ。よって、余計にロングが出来ず下落しないマーケットが続く。そういった相場は最後に無理にでも理由を見つける。そして、異様な足型を残し崩落するという手順を踏む。
バブルが起こるには、それなりの理由がある。今回のJGBバブルについていうと、先ず第1点目として、年度初めの為替水準の発射台の高さと円債を除くグローバル・ボンドのテクニカル悪化である。そのような状況が年度の初めに起こったことにより「外貨資産へ行けない(特に外債に行けない)」という状況が出来上がった。グローバルの資金は円債に消去法的に流れ込む構図となったのである。この消去法というのが危険なのは言うまでもない。
更に2点目は、日銀の名目ゼロ成長宣言である。日本銀行は4月26日に今年度から来年度にかけての景気や物価の見通しを示す「経済・物価の将来展望とリスク評価」を発表している。
経済展望では今年度上期中は海外経済の減速により輸出や生産の減少が続き「景気全体として調整色の強い展開をたどる可能性が高い」と指摘。下半期には海外経済の減速による調整圧力は緩和されるものの、「企業の過剰債務問題や金融機関の不良債権問題を初めとする、様々な調整圧力が残っており、民間企業も雇用や設備投資の拡大には気泡的に慎重な姿勢を維持するものと見られる」ため、「景気が明確に改善するにはなお時間を要する」と慎重な姿勢を示している。
また、物価展望については国内の需給ギャップも「本年度中は再び徐々に拡大する」と指摘。「明確に縮小傾向に転じるのは来年度入り後になる」と見ている。昨年秋以降の円安は物価上昇圧力として働くものの、上記のような需給バランスや、技術革新に伴う機械類の価格低下や規制緩和に伴う通信費等の下落、流通合理化などの動きが物価押し下げ圧力として働くため、今年度の国内卸売り物価や消費者物価は若干のマイナスになると予想している。
そして、最後に政策委員による今年度の大勢見通し(9名の委員のうち最大値と最小値を除いたもの)が最後に掲げられているが、消費者物価指数は前年度に比べ0.4〜0.8%の下落。実質GDPの伸び率は0.3〜0.8%のプラス(政府見通しは+1.7%)としている。言い換えれば日銀は今年度の名目成長率の伸び率をゼロと予想した訳である。従って、短期金利は消費者物価指数がマイナス予想になっている限り引き上げられることは有り得ない。また、長期金利についても低下すると考えるのがこれまでの経験からは普通のことであろう。
ただ、依然私はJGBがバブルに突入したとの認識は変えていない。今年の2月以降、前提としての政策が明らかに転換しているからである。金融政策は期待インフレ率を上昇させる方向に変化したし、政府も潜在成長率を上昇させる方向へと変化している。従って、短期金利は上昇しなくても長期金利は上昇する(イールドカーブのスティープニング)という素地が出来上がっていることを認識しておかなければならないだろう。
――過去の学習効果が働き、人の思考はそう簡単に変化しないし出来ない。今年度の日銀による名目ゼロ成長予測を長期金利の低下要因と判断するのは仕方のないことである。但し、時系列モデル等からはじき出される金利予測が、大きな相場の転換点で重大な予測ミスを犯すことがあることは皆さんもご案内の通りで、同様なことがファンドマネージャーの思考の中で起こっているのである。現状はそういった環境の中にあるということを前提に相場に向かわれることをお奨めしたい。その認識があるか無いかで、今後の貴方のポートフォリオの時価推移には大きな差が生まれて来る。
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>>明日以降、「経済・物価の将来展望とリスク評価」について詳細に見ておきたい。
平成13年5月28日の独り言「EURの動きについてB」
為替の話について返信を頂きましたのでまた、掲載したいと思います。<こちらもdelayして独り言に掲載させていただきました>
ありがとうございます。
確かにtetzuさんは、HPにても金利・為替の双方から外債には苦しい展開と予想されていましたよね。年金から相当の売りが出ていたという話は恥ずかしながら当方ではあまり聞こえていませんでした。為替の方では日本人の売りより外人の売りが多いとの話を聞いていたのですが・・・。
しかし、外人の日本株買いもGW明けから鈍くなり最近は売り越しに転じています。外債はユーロのウェイトが大きいのできついですが、116円窺う局面は絶好の押し目なんでしょうね。
では。
筆者:有り難うございます。年度初めから金利のテクニカルが悪化し、その後為替まで悪化したことから外債には危険が増幅していたことは独り言でお伝えしたとおりです。逆にそれらは円債を上昇させる原動力になったようでね。
平成13年5月25日の独り言「EURの動きについてA」
別の方からもご意見がありましたので、ご紹介させていただきます。<こちらもdelayして独り言に掲載させていただきました>
どうしても、構造的にユーロには消極的です。昨年の協調介入時にはリバース・ヘッドアンドショルダーから0.95までの調整はあると見てましたが、その後は、市場は構造問題の前にひれ伏すと考えてました。
この段階で0.82割れになった場合は、一気に走る可能性もありますね。霞ヶ関の巨大投資家は、それでも我慢するのでしょうかね?
筆者:マーケットでユーロ安の切っ掛けとされていた件について以下のようなご指摘を頂きました。
ユーロは、大分、やばそうですね。
私の試算。(仮に、グローバル債券投資家がインデックスに非国債も入れたら)
US:Euro:JPY=26%:36%:26%(government Index) 。
それが、US:Euro:JPY=48%:29%:16%(BIG)となるわけですから、対ドルでは、ユーロ崩落ですね。
US:Euro:JPY=+22%:▲7%:▲10%
筆者:今回の売りが本当にそれだとしたら、JGBが売られて、ドルが対円でも買われているはずではないでしょうか?対ドルではユーロ売りよりも円売りの方が多いはずです。ただ、マーケットはユーロを売る理由を探していた訳で上記のとおり、どこかの国の投資家がこのタイミングでインデックスの変更を行なったことが切っ掛けになったのは事実かもしれませんね。
また、長期の予想の中には世界中のスポンサーが非国債を入れた外債インデックス(ソロモンの場合はBIG/INDEX)へ本当に移行するか、また、そのスピードはどうなのか?というの話は十分、考慮する必要があるかもしれませんネ。
平成13年5月24日の独り言「EURの動きについて」
ある方から以下のとおりメールを頂きました。
おはようございます。
ユーロの下落がファンダメンタルから乖離した円高を招くリスクはあるなと思いつつも、ユーロはアンダーウェイトしたものの、外もの全体を落とせず、反省しています。外株は60%弱が米国ですが、外債はユーロが圧倒的に多い、加えて米債に比べれば値もちしていた欧州債がクレディビリティー懸念でさらにスティープ化が予想されるとなると、外債マネージャーとしては苦しいところです。
ドル円はトレンドが切れた感があり、ユーロも鑑みると116円狙い。そこは絶好の買い場だろうから我慢しようかなとも私は考えていますが、いかがお考えですか?それから日本の投資家の欧州債券処分の動きは見えます?
以下はその回答です。
昨日は信託年金の売りが相当出たのではないでしょうか?「今日は年金dayですね」という証券さんが多かったです。
外債担当者は苦しいですね。特に私の持つアカウントなどは実現損益縛りがあったりするものですから、ポートフォリオが固まってしまうリスクも感じています。
「外債のアセットとしての魅力は落ちている」と4月に我々のチームは表明していたのですが、昨年あれほどまでにエクイティに固執していた人達は今度はボンドに固執していて売ろうとしませんでした。
ただ、直近では公式に魅力度の引下げを行いましたのでそういう意味では「投げ」も8合目まで来ているのかもしれません。ドル/円もテクニカルは「戻り売り圧力の強い中、下値を試す展開を示唆しています」が絶好の買い場を待ちましょう。
私もユーロ・ウエイトは落としていますが、ドルとのリスクが取りきれず、対ポンドでアンダーウエイトとしています。
ここまではユーロ/ポンドは思惑どおり来ているのですが流石にポンドも足下対ドルできつくなって来ており、悩んでます。そんなに上手くはいかないですね・・・。
<内容が内容だけにdelayして独り言に掲載させていただきました>