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98年2月27日の独り言「所得税の最高税率引き下げ検討」

以前独り言で述べていた政策(98年1月16日の独り言「見えない日本の先行き」参照)がひとつひとつ出て来ている。とうとう最高税率の引き下げまで視野に入って来た。所得税の累進率の傾斜をよりフラットにして国民に働くインセンティブを与え、経済の活性化を促す政策である。やっとやる気が出てきたようだ。日本の所得課税は最高65%程度である。現在米国では最高約46%であるから20%程度高かったことになる。

“政策の小出し”とマスコミやエコノミストには受けが悪いが、ブルドーザーか戦車で周囲を包囲されていくような不気味さがある。着実に淡々と日本の枠組みが変化しはじめている。これまで、日本経済は手のつけようのないところまで徐々に・淡々と悪化してきたが、政府・エコノミスト・マスコミは見て見ぬふりをして放置してきた。少しずつ少しずつ悪化していくので気が付かないうちにいきずまったという感じだ。まさにお風呂の中のかえるが徐々に熱くなるお湯に気が付かずいつのまにか煮えあがってしまったというところだ。熱い湯に飛び込めばかえるもお風呂から飛び出すこともできたであろう。

しかし、今度は反対に淡々と日本の枠組みが変わっていっているのに、エコノミスト・マスコミ・マーケットが見て見ぬふりをしようとしている。現在のように経済がどん底の時に熱湯をかけるような一時的な大型の対策はいらない。しかも、今まで日本はその失敗を繰り返して来ているのだからそんなことは期待している人は、今の現状を全く理解できていないということを自ら宣言しているようなものだ。着実に淡々と政策を実行に移し日本の枠組みを変えていけば今までと逆の(良い)意味で日本経済を茹で上げることが出来るであろう。それゆえ、エコノミスト・マスコミ・マーケット参加者は政策の小出しを批判することばかりでなく、その政策の中身と今後の波及効果を今一度検証するべきである。即効性はなくても1年後・2年後…10年後により良い日本のビジョンが見える・描けるとするならば、マーケットは反応するはずである。

来週末(3月5日)には公的資金による劣後債・優先株の購入に、各銀行から申請が行われる。こんな事がこんなに速く実現するとあなたは3ヶ月前に想像していましたか?少なくとも私は、予想できませんでした。今一度、小出しの政策の中身をきっちりと検証してみる時ではないでしょうか。


98年2月26日の独り言「送別会」

私が5年前にお世話になった某証券会社の方が異動となり今日は当時のセールスのメンバーが集まって送別会が催されることとなった。私もその会に参加させてもらうことになった。異動される方というのは回想録<某証券会社での研修>に出てくる当時、弁当を買いに行ってくれていた方だ。大変お世話になった(弁当のはなしではなくて、仕事上でもお世話になったということですよ、勿論!)。

今日、集まるセールスのメンバーは回想録にあるとおり、すごいセールスばかりだ。昔話も盛り上がるだろう。今は皆別々の仕事を仕事をしているがおもしろい話が聞けそうで楽しみだ。それでは、行ってきます。


98年2月25日の独り言「最高級マグロ物語(その2)」

革命的勝負とは端境期に冷凍ものでないマグロを安定的に市場に供給するというものである。手法は地中海でマグロを秋口に大量に捕獲し海上にある“いけす”で太らせ、日本のマーケットの高値時に空輸により供給する計画だ。

彼は会社の資金と銀行借入れ(自分の家を担保)によりプロジェクトを実行に移す。市場には「彼が何かを企てている。」といううわさが早くも広まる。彼の同士が地中海に飛ぶ。まずはマグロの大量捕獲だ。なかなか大きな魚群に出くわさない。一度で大量捕獲をしないとペイしない。待つ・待つ・待つ…。ついにマグロの大群を発見。捕獲に成功!当初想定量の2倍の大群である。マグロを生きたまま船でひっぱりいけすに連れ帰る。

その後はマグロにえさをたらふくやって太らせて機が熟すのをじっと待つだけだ。東京では、彼が前宣を懸命にやっていた。「いい物が入りますよ。」と。安定供給をうたい文句に料亭・すし屋・ホテル・スーパーにも直接売り込む。当然、市場にも…。それだけに、良いものを初荷で供給しなければならない。つかみ(最初)が肝心である。

ところが、その頃地中海では問題が勃発。なかなかマグロが太らないのだ。出荷時期が迫る。だんだん時間がなくなる。太らない・太らない・太らない…。しかし、この地中海産生マグロの築地市場デビューは待った無しだ。結局、マグロは太らなかった。そのうえ、成田直行便の飛行機が待つ空港まで飛ばすはずだった、チャーター機の飛行許可がおりないことが前日に分かる。悪い事は重なるものである。しかたなく、トラックでの輸送となったが東京までマグロが届くまで1日余分に時間がかかった。生マグロは鮮度が命なのは言うまでもない。

東京でマグロの初荷が届くのをわくわくして待っていた彼は、荷解きをして肩を落とす。あまりに貧相なマグロだ。さらに輸送に時間がかかったためかマグロの命である赤身の色も飛んでしまっている。そのマグロの善し悪しは彼が一番分かっている。

そして、築地市場デビューの日がやってきた。どんなマグロが並ぶのか?市場関係者は固唾を呑んで見守る。競りに参加した仲買人はそのマグロを見て笑った。罵声を飛ばした。彼は顔色を失いフリーズしてしまった。失敗だ。キロ4000円〜5000円を狙っていたのが付いた値段は2400円〜3000円。このままでは赤字確定だ。「これは試験品だ。次はもっといいのを見せます。」その場を彼は必死で取り繕った。

その後、なぜマグロが太らなかったのかも原因が分かった。現地スタッフが所定のえさをやっていなかっただけのことだったのだ。それからはすくすくとマグロも育ち、正月の初競りに合わせた第2弾の出荷が始まった。今度はチャーター機の許可も下りている。スムーズだ。東京で待つ彼の元に荷が届く。今度失敗したらこのプロジェクトは完全に葬り去られる。だが、荷解きをした彼の今度の顔は自信に満ち溢れていた。いざ、出陣!!

再び市場で彼のマグロに仲買人の視線が集まる。今度は熱い視線だ!競りが始まり、値が上がっていく。3800、4000、4300、4800、5000、5200。5000円オーバーだ。この日は初競りで、御祝儀商いであったこともあるが、どのマグロも十分納得の出来る値が付いた。彼は勝負に勝った。リスクをとった者にのみ与えられるリターンと喜びが満ちていた。彼は「まだまだ、これからですよ!」と力強く語った。

私の記憶するには確かこんな話だったと思う(多少、違っている所があったら御免なさい)。いい話だと思った。まさにマグロを売りたい人と食べたい人のマーケットの話だ。どこのマーケットも基本は同じ。売りたい価格と買いたい価格の均衡した価格が時価だ。金融商品だってプレーンなものから、場合によってはデリバチィブを使った仕組みものまでいろいろあるし、様々な売り方もできる。債券も大漁の時は冷凍(ヘッジ)して端境期に売ることもある。大量に債券がマーケットにあふれて需給が崩れている時にそっと捕獲して、かわいい債券にえさをやって太らせてから端境期を狙って再び市場で売却するのは理想だ(えさをやっても太るどころかやせ細ったり(時価が大きく下がったり、スプレッドが大きく開く)死んじゃったりする(デフォルトする)債券もあるだろうが…)。私はそういう職人気質なマネージャーを目指したい。


98年2月24日の独り言「最高級マグロ物語」

先日、テレビで「最高級マグロ物語」という話を見た。といってもドラマではなくドキュメンタリー番組であった。マグロは季節性のある相場商品である。たくさん採れる夏から秋は安いし、冬場採れない時は価格が上がる(確かそうだったと思う)。当然、近海ものの本マグロが最も高い値がつくが、それに混ざって、築地市場辺りでも世界各国のマグロが競りにかかっている。これはマグロのバイヤーがオーストラリアなど各国を渡り歩き市場より安いと思われるマグロを仕入れて来たものだ。また、冷凍ものも競りにかかるがこれは冷凍庫を所有する大手の水産会社がたくさん採れる時期に市場に出さず冷凍し端境期に冷凍庫から蔵出しされたものである。当たり前の話だが冷凍ものの方が生より安い。それゆえ、採れた時、生で売りにだすかそれとも冷凍して端境期に売るかは相場観もあるし裁定も効く。マグロ先物はないのでなかなかヘッジは難しい。

この話の主人公は元水産会社のいか担当のバイヤーで、以前、相場を見誤ったことから、数十億の損失を出し、その会社を去ったという経歴の人だった。その後、マグロの買い付けを行う会社を設立し現在に至る。いかのプロではあるがマグロのプロではない。しかし、いかよりもボラティリティーの高いマグロの方が相場性があり、リターンも大きい(リスクも大きいが…)。彼は相場師であり、商品としては、いかもマグロも関係なかったのだろう。かずのこも昔、大手水産会社が買い占めて冷凍し価格を吊り上げていたという話を聞いた事もあるが、かずのこでもしゃけでもなんでもいいのだ。

話を元に戻すが、その番組では、彼が各国の安いマグロを仕入れて競りに出すのをやっていたが、結構ちまちま儲かる。しかし、近海で本マグロが大漁という情報が流れるや否や、マグロ相場は暴落、仕入れた外国産マグロは当然ビッドが立たず、大損。冷凍する設備もなく、そんなコストもかけれないので、腐らせるよりは投げることとなる。周辺市場はほとんど壊滅状態だった。大証で売られれば東証でも売られるのと一緒(?)である。

彼はある日ひとつの革命とも言える勝負に出る。

<<<この続きは明日の独り言で…。


98年2月23日の独り言「クロス商い?」

本日、前引けに3月限で16000億円、6月限で17000億円の出来があった。クロス商いか?単純にロールといってもロングロール・ショートロールをうまくマッチングさせないとこんな大量にスプレッドを壊さず出来る訳がない。1社のドレスか?毎週月曜日に3,000枚づつ6月限に建て玉を作った人だろう。

引けてみて、またまたびっくり!!3月限は予想どおり1兆円、建て玉が減少。し、しかし、6月限は建て玉が増えるどころか1500枚も減少しているではないか!う〜む、分からない。毎週月曜日の6月限3000枚建て玉増攻撃の時も意味不明だったが、なぞは深まるばかり。なにかの決算対策かなっと、想像するくらいである。知っている人、もしくはこうじゃないかな、と思い付くことのある人がいたらこの好奇心いっぱいの私にこっそり教えてちょうだい。よろしく。


98年2月20日の独り言「地方債の期限前償還」

米国の地方債マーケットでは免税扱いの地方債の課税扱い変更をめぐって混乱しているようであるが、日本では、今週に入って地方債の期限前償還が行われるのではという話が広まって来て混乱している。

これは2月15日(日曜日)の朝日新聞などで報道されたことから大きく取り上げられるようになったが、以前(半年くらい前)から耳にすることはあった。朝日新聞によると「繰り上げ償還をしているのは北海道・富山・石川・山梨・長野・和歌山・島根・佐賀・大分・宮崎・鹿児島の各県。償還の対象は地方銀行からの借り入れが中心で銀行と交渉して年数十億円程度を返済する例が多い。」ということである。

文面からすると地方債とは言っても銀行(指定金融機関)による縁故の証書貸し付けが該当していると推測される。ただ、例えば3%定時償還の債券でも償還条項には半年毎に3%以上の元本償還を行うとなっている。言葉どおり読めば3%以上なら何%でもいいのではないか?ともとれる。通常、慣行により3%づつ償還されるし、当然その事を前提にプライシングされ流通している。突然、定時に5%づつ償還され始めたら、マーケットが混乱するのは当たり前だ。ましてや、期限前償還条項があるからといって、満期一括返済ものが残存を3年残して一括繰り上げ返済なんてされようものならマーケットは機能しなくなるだろう。

徳島県の市民オンブズマンは「繰り上げ償還をしないのは自治体に損害を与えている」として同県の監査委員に知事らに賠償させるよう監査請求する方針を決めたらしいが、償還資金はどこで調達するのだろう?繰り上げ償還を実施した自治体発行の債券はそれ以降繰り上げ償還があることを前提としたプライシングがされてしまうはずだ。増税でもして償還源資をつくるというのか?国に頭を下げて地方交付税で面倒をみてもらうというのか?オンブズマンに聞いてみたい。

自治省は「繰り上げ償還は資金の出し手である地元金融機関に不利益をもたらし、地方債の信用を落とす」と慎重な対応を求めているそうだ。ここで言う信用とは元利払いの確実性という意味でのクレジットとは意味が違うし、現状では自治体と銀行の間の縁故(譲渡制限あり)による証書貸し付けタイプのものだけだと解釈しているが、実際、マーケットで流通している地方債が期限前償還をするようなことになれば、大きな混乱は避けられないだろう。


98年2月19日の独り言「優先証券」

先日、住友銀行の優先証券が米国で発行されたことが話題となった。なぜ、話題になったかというと、その利回りがT+380bpで発行されたからである。$建てで9%を上回る利回りとなりスプレッドだけみるとジャンク債並みである。

その後、日本興業銀行も同様の優先証券を米国で発行した。興銀の場合は住銀の優先証券が馬鹿売れしたことから、利回りはT+325bp(ブルムバーグより)で発行できた。住友銀行と興銀の発行利回りに差がでたのはクレジットがどうこうという訳ではなくて、単に住友銀行が初めてだったので需要予測も手探りで投資家のニーズを集めるために厚いスプレッドをつけたということである。実際、発行直後にセカンダリーでは両銘柄共にT+315程度で出会った様だ。

優先証券の正式な名前は米$建て永久非累積型優先証券というらしい。確かに自己資本の増強にはなるが、とてもコストの高い資金となる。$金利も長短スプレッドはないに等しいし、何か妙案はあるのだろうか?背に腹は代えられないというところかもしれないが逆に体力を落とすことのないようにお祈りする。しかし、政治主導・官僚主導の金融安定化策を待ったり、期待したりするのではなく、自らの力で歩き出そうとしている金融機関は実に頼もしい。今回のこの2行の行動は護送船団行政の幕を降ろし公的資金による直接支配を狙う大蔵省に対する銀行からの逆最期通告と言えるものだろう。


98年2月18日の独り言「拓銀本州店舗の中央信託への営業譲渡」

昨日、中央信託による北海道拓殖銀行の本州店舗の引き受けの話が報道された。なぜ中央信託が引き受けるのか?しかも、なぜ、今なのか?非常に興味深い。はっきり言って、少なくともいまの私の貧困な発想の中では理解できない。

中央信託は従業員3569名、店舗55(うち東京12、神奈川4、愛知8、海外3、他28)。四季報には“港区芝に新本店建設を計画。期末銀行勘定債特引き当て率61%と上位行に遅れ。”とある。一方、拓銀本州は引き取り従業員約1100名、店舗63(関東58、他5)だ。

単純に想像すると、個人金融資産1200兆円を取り込むためには関東に店舗が必要と考えたのか?それとも、これで当局に対し貸しを作り、公的資金は最も優遇して注入してもらえると考えたか?う〜ん、分からない。

今回の営業譲渡ついては賛否両論あろうが、短絡的には決め付けないようにしたい。目先の反応は明日の株式マーケットに聞いてみるとして、本当の意味・真意はじっくりと考える必要がありそうだ。本当の結果は今は誰にも明確に分かる分けない。しかし、数年後にこの経営判断の善し悪しで大きな違いが出ているのも明確だ。

「拓銀本州店舗の中央信託への営業譲渡」についてどのように考えるか、”金融情報交換室”にご意見をお寄せせ下さい。

金融情報交換室(リアルタイム)


98年2月17日の独り言「インカム資産の投資家間における動向」

最近、新聞紙上で銀行の貸し渋りに対して生保・農林系が貸し出しを伸ばしているとの報道が見られる。銀行はリスクアセットの圧縮を進めなければならず、やむなく貸し出し債権を圧縮し、ノンリスクのJGBの保有ウエイトを増やしている。かつてのアメリカでも90年代初めに金融システムを立て直す際、トレジャリィー保有ウェイトを一時的に大きく増やした経験がある。銀行が長短スプレッドをクレジットリスクなしに取ることによって収益を上げ、体力を取り戻したのである。しかし、今の日本において違うことは、長短スプレッドの大きさだ。日本の場合、国営金融機関が長期債を買い進んでいるため、既にイールドカーブがフラットニングしており、長短スプレッドが小さい。まして、調達金利が現状のように、1.1%を超えるようではなお更である。結果的に銀行はインカム資産をより低収益のインカム資産に入れ替えたことになる。

反対に生保・農林系金融機関はインカム資産を貸し出しに振り替えている。クレジットリスクをとってインカムの収益アップを図っているのだ。ただ、気を付けないといけないのは、クレジットリスクを取っているのであるから、審査には十分注意を払う必要があるということだ。また、今の時期だから少ないとは思うが、同じ会社に対して、貸し出しよりも債券の方が利回りが高かったりする場合だ。有利な債券を買わずしてより低収益の貸し出しを伸ばすのは如何なものか?と思う。とは言え、場合によっては、債券よりも貸し出しの方が企業どおしのつながりも深まるし、レート交渉も比較的状況に応じてしやすい。さらに、債券は満期償還と共に発行体との関係は全くとぎれるが、貸し出しは期日が来れば、また継続するなどこれまた交渉できるメリット(今の時代スッパリと関係が切れる方が良いということもあるが…)もあるので一概には言えないか?

もう一方で外人や損保の一部などは生保や農林系の資金が貸し出しに廻ったことで割安に放置されたクレジットの少し落ちるSBを貸し出しの代わりに買ったりもしている(当然、貸し出しと裁定して割安なものに限定)。

そういう訳で、このようなインカム資産の投資家間における動向を見ているとクレジットリスクを無視すれば(実際、無視できる訳ではないが)、保有するインカム資産のリターンは、銀行<生保・農林系<外人・損保の順になって来ている。リスクを取らないとリターンも生まないことを考えると、やっぱり今回も銀行が一番割を食っているのではないかと、危惧してしまう。


98年2月16日の独り言「債権流動化」

「担保不動産の証券化商品を郵貯・簡保でも購入する」という記事が先週、日経に出た。マーケットはあまり反応しない。しかし、官民がもう少し腰を入れて、年金基金にも組み入可能となればどうだろう。もうちょっと効くかな?DMGの水野氏が言うとおり、価格・ブローカー・投資家の3点セットが揃ったことで一気に不動産の流動化が進むかもしれないことには注意を要しよう。大きな流れが変わろうとしている時かも知れない。

先日、国内でも特別目的会社が作れるよう最低資本金や法人税について法的な整備がなされた。そして、これまで金融機関しか購入できなかった担保不動産の証券化商品が金融機関以外の法人でも購入できるようになる。民都の話が新聞を騒がせたが大蔵省と建設省で相当練り上げた話と思われ、今までの実績から民都では何も出来ないと高を括っていると足元をすくわれる可能性があることに注意されたい。

これで、大蔵省・建設省・郵政省と役者も揃った。また、この件については官だけでなく、民も積極的である。ゴールドマンサックスなどブローカーはマーケットが未熟または出来たばかりの時にはマージンが大きく抜ける(魚屋がない地域でマグロが食べたいという人に漁師からマグロを買ってきて売ってあげれば、ほんとにマグロを食べたいひとは多少値段が高くても買うし漁師も腐るより売れた方が良い訳で多少安くても売るだろう。そして、売り方からも買い方からも喜ばれるのだ。)ことをよく知っており、大変力が入っている。投資家も外人をはじめ、国内でも大手機関投資家が資産配分の中で不動産(流動化債権という形で)のウエイトを増やそうと虎視耽々と狙っているところもあると風の噂で聞く(これって、風説の流布になるの?)。官民揃って乗り気なのだから、条件さえ整えばあとは立て板に水を流すかのごとく物事は進む(そうは簡単にいかないか…)。

という訳で、本日マーケットはあまり注目していないが、これからのマーケットを左右するテーマとして大きな関心をもって見守って行きたい。


98年2月13日の独り言「ドラマ(その2)」

先日、ドラマの台詞について書いたが、そのドラマで耳に残った台詞をもうひとつ二つ紹介しよう。一つ目は“先が見えない方がワクワクする。”もう一つは“自分の実力を磨かなきゃダメだと思ったの。”というものである。

我々が接しているマーケットというやつは先が見えないから面白いのである。参加者の欲望が絡み合って期待感・絶望感の中でその瞬間の価格が決まる。だからワクワクする。そういう意味では“予想しても当たらない”とか“インデックスには勝てっこない。”とか言う人はせっかくの面白さとかワクワクするとかいう気持ちを放棄してしまっていると思う。とても残念だ。そういう人たちは先の見えることの方が好きなんだろうし、マーケットの仕事(特にアクティブ運用)には向かない人だろう。仕事を変わったほうが幸せかもしれない。

私はこのファンドマネージャーという仕事が好きだし、とてもワクワクする。この仕事にもっと深く携わりたいからもっと自分の実力をつけないといけないと思っている。マーケットはそんなに誰にでもやさしくはしてくれない。好きということはこの仕事をする上で必要条件だと思う。しかし十分条件ではない。いくら好きでもこの仕事には向かないことはあると私は認識している。

このドラマは内館牧子の作品である。所々にこのようなピリッとした台詞が出てきて考えさせられる。カミサンはださださドラマというがつい私ははまってしまった。


98年2月12日の独り言「星取り表」

星取り表というページが作ってある。ここ2週ほど相場予想を中止していたことなどにより、この“星とり表”のページには未だ星はひとつ、S氏のところにあるだけである。

現在、この相場予想は私の周りにいる7名で行っているが、金融情報交換室をせっかく作ったのでこれを契機に皆さんにも参加して頂けたらと思う。

ルールは簡単!週末の債券先物(10年もの)の終値を予想するだけである。予想の一番近い人が星を取る。但し、一番近くても予想より31銭以上離れていた場合はなしとする。また、ピタリ当たった場合は2つ星が取れることとしたい。日曜日の夜12:00までを申込期限とする。投票はニックネームで結構です。(差し支えなければ、プロフィールもどうぞ。金融情報交換室へプロフィールを書きにくい場合は直接私宛てにメールを送ってくれてもいいですよ。)

まあ、遊びなんだから、適当に投票してください。出来れば、その値段を予想した背景なども一緒に書き込んで頂ければ幸いです。参加型のホームページに一歩でも近づければと思っています。どうぞよろしく!

<追伸>今のところ星取表で当てまくった人に賞品を出す予定はありませんが、なにか考えていきたいと思っています。いいアイデアがあれば金融情報交換室に書き込んでください。参考にさせて頂きます。


98年2月10日の独り言「安定に魅入られる程私は歳とっていない」

このフレーズはあるトレンディードラマの中で主人公の女性が男に振られたことを契機にフィレンチェへ勉強のために旅立つ際に周りの友達が結婚という女性にとって安定した場所に収まっていくのを傍目にポツリと口にした言葉である。

「う〜む…」思わず、うなってしまった。私自身もまだ若いつもりでいるし、もちろん安定しようと思って結婚したわけではない。日本という国も老齢化社会が近づいているとはいえ、まだまだこれから。規制緩和・行政改革・税制改革で民間の力を活性化できれば潜在的な成長力はあるはずだ。ましてや、年金基金はまだまだ、“安定に魅入られるほど歳をとっていない”。いまこそ、この逆風を契機に基本に立ち返ってリスクを前向きに取ろうではないか。

先日、ドラマ(カミサンが言うにはださださドラマらしい)を見ていてふと呟いた独り言である。


98年2月9日の独り言「バージョン・アップ」

“あるファンドマネージャーの独り言”も開設して約1ヶ月が経とうとしている。一方的に独り言を書いていても、ホームページも作者も成長は見込み薄と思われることから、少しでも面白くてみんなが参加できるホームページを目指してリニューアルを行いました。

まず、“今日の振り返り”は堅くて面白くないといった要望に応えて“今日のポジショントーク”を新設しました。これは作者の主観が入った振り返りです。ファンドマネージャーの生の声・見方・感情の浮き沈みが見えるかもしれません。私が読者ならとても楽しみ!そして、今日の振り返り”はなくしてしまおうとも思ったのですが、これはこれで客観的にマーケットを振り返るためには必要と判断し残すことにしました。状況によって使い分けて欲しいと思います。

もう一つは、インターネットの利点を生かしたホームページを志向しようというものです。具体的には情報の発信に留まらず、双方向・多チャネルの情報交換サイトを目指すものです。そのために“金融情報交換会(リアルタイム)”を開設しました。これによりリアルタイムで情報のやり取りがネット上で出来るようになりました。複数の参加者で会話や作戦会議が出来るというものです。これはこのページを今読んでいるあなた方の参加がなければ成り立ちません。どうぞよろしくお願いします。どんな事でもかまいません。マーケット情報でも近況報告でもあるディーラーの独り言でも構いません。どんどん書き込んで下さい!

それでは、今後もより面白いホームページを目指して頑張りますのでこれからも末永いお付き合いをよろしくお願いします。今後のホームページ作りのアドバイスや要望も引き続きお寄せ下さい。参考にさせていただきます。


98年2月6日の独り言「星によると…」

ここに書くのは非常に僭越ではあるのですが、星によると、今月は“木星が4日から魚座に動き、吉影響がなくなる。そのため土星の凶影響をもろにかぶり相場は下落する。水星は19日まで魚座に移り中立となるため、それ以降の下落がきつい。”のだそうだ。

ちなみに1月は“水星は11日まで射手座で吉。ここまでが今年の高値です。12日から山羊座で凶ですが、水星の最後の吉影響のためにもみ合いに。”というものです。みごとに1/13からの下落相場を当てています。しかも恐いのはあの高値が今年の高値と言っている点です。

昨年の株式相場は春日大社のご進言がみごとに当たった年でした。今年も今のところいい線いっているらしい。債券相場はこの星のお告げのとおりになるかどうか。当たるも八卦当たらぬも八卦。信じるも信じないもあなた次第!ちなみに、星のお告げで今までで最も当たった年は95年の大相場の年だ。この話はまた今度、回想録のページでお話したい。


98年2月5日の独り言「生保業界に注がれるマーケットの目(その2)」

昨日の独り言で“生保業界に注がれるマーケットの目”という話をした。今日は別の角度からの生保業界に注がれるマーケットの目の話をしよう。眉につばして聞いて欲しい。

生命保険会社は先日も述べたとおり、マーケット参加者であり、機関投資家である。彼らは大変大きなポートフォリオを有する。彼らはバブルの頃、株式に巨大な含みがあることをいいことに、インカム収入を得るために膨大な金額の外国債券投資に走った。それがどういう結末を迎えたかは皆さんよく知ってのとおり、80円割れの円高に遭遇し、へたをすると元本が半額になるような所まで追い込まれた。その頃にはあてにしていた株の含みも吹っ飛びかなりの危機に陥ったのだ。その間、リスク許容度は落ち続け、外債も資産圧縮する他なかった。

しかし、マーケットとは皮肉なもので生保(国内金融機関はほぼ皆そうだが…)が外貨資産をかなり圧縮し終わったところで今度は一転、円安である。当時、“ミスター円”こと大蔵省国際金融局長の榊原氏は日本の金融機関に「外債を買いなさい。」とおせっかいにも説いて回った。それでも、やっと圧縮したばかりの資産を日本人はなかなか、買うことはできなかった。大手生保が米債の定例入札時に一定額をミスター円の顔を立てて買っていたのがやっとだった。

ところが、ここ1年くらいの間に昨日書いたような時間を焦った“社運をかけて”ではなければ良いが外債に再び資産を振り向けているところもあるようだ。今年の場合は生保の貸し出しも大幅に増加しているようだし、うまくアロケーションが変更されていれば良いが円安で一発逆転なんて狙おうとしているのなら大変危険だ。必ずや足元をすくわれる。マーケットは弱肉強食の世界で、弱いものは徹底的に狙い撃ちにあう。それは食い尽くすまで続く。

確かに強いアメリカの強い$、アジア通貨不安などによる逃避資金も$に流れ込んでいるし、4月には日本の外為法も改正され日本の個人資産の海外流出も起こりうる。しかし、最強の$にも落とし穴はある。マーケットに絶対は絶対ない。昨年も調子にのって証券会社各社が拡販したオプション付きデュアルカレンシー債がヘッジファンドの魔の手にかかった。彼らは販売されたデュアル債のノックアウトプライスを緻密に把握、計算し次々にブレイクしていったのである。損失を被ったのは当然債券を購入した個人顧客だが最も痛手を被ったのは簿残を抱えていたり顧客からの打ち返し玉を抱えた証券会社だった。

来年度は生保業界にマーケットの目が注がれる。どこかで必ず、為替の逆襲が彼らを襲う。


98年2月4日の独り言「生保業界に注がれるマーケットの目」

本日、GEキャピタルが東邦生命を傘下に治めるとの報道があった。選択としては時期的にもスキーム的にもかなりハイレベルのものと思われる。

ここ数年バブルの崩壊と共に、金融機関は厳しい市場の目と戦っている。銀行は大蔵省の護送船団方式による保護政策もなくなり、さまざまな構造改革や経費削減、さらにはBIS規制のクリアなど乗り越えなければならないハードルは多い。再建半ばで立ち行かなくなった銀行も数限りない。証券会社にしても株式相場の低迷に伴い収益環境は悪化。四大証券の一角までもが自主廃業に追い込まれた。

しかし、バブルの崩壊で負の遺産を抱え込んだのはなにも銀行・証券だけではない。バブル期に一世を風靡した“ザ・セイホ”も中身は同様だ。昨年、日産生命の破綻でクローズアップされたが状況はかなり厳しい。なぜ彼らが構造改革に遅れたかはその会社組織にある。株式会社ではなく契約者を社員とする相互会社だからだ。株式会社であれば、銀行・証券同様、株主から厳しいチェックを受けるし、マーケットからも厳しい判断をくだされる。しかし、同じ機関投資家としての一面をもつセイホをマーケットが放って置くわけがない。銀行・証券の次に目が行くのは生保業界である。そういった意味で冒頭の東邦生命の経営判断は時期的にもかなりレベルが高いということなのだ。

生保という業態は本来の生命保険事業を行うだけであれば破綻することはまずない。今の状況は企業年金を一般の個人生命保険と同じどんぶりに押し込み、その利回りを逆鞘にもかかわらず5.5%で支払い続けた経営判断の悪さに伴うものである。原因ははっきりしており数年前から、その方向転換も進んでいる。既に時間に間に合って回復を終えた生保もあるだろう。長い時間を掛ければ自然治癒ということも可能な業態のような気もする。時間を煽って“一か罰か”とか、“社運をかけて”とかいうのが最も恐いのだ。

しかし、時間はもう待ってはくれない。来年度は生保にマーケットの目が向く。今日の東邦生命の経営判断は中堅生命保険会社の経営陣に大きな意識改革をもたらすだろう。ベストの選択を期待したい。


98年2月3日の独り言「国に頼る事は本来の姿からは逆行である」

6兆円規模の経済対策とやらで昨日は株買い・債券売り・円買いとなったようであるが、本当にそれが、日本の将来に明るいビジョンを描くためのものと言えるのか?答えはNOである。再三述べているが、国に需要を創造してもらうような保護的政策は今の日本が求めているものではない。むしろ、逆行している。日本の民間企業がもっと、自由に羽ばたける基礎と枠組みをしっかりと作って欲しいのだ。だから、前にも言ったとおり、税制における直間比率の見直しや、所得税における累進税率の傾斜の緩和や、有価証券取り引き税の撤廃や、配当二重課税の撤廃や、民間金融機関を圧迫する郵便貯金や簡易保険の民営化などを着実に行って欲しいだけである。

規制緩和は痛みを伴うものだし、一時的には経済にマイナスインパクトを与えることになるかもしれない。だが、今マーケットが試しているものはそういう政治の推進力があるか、ないか、なのである。繰り返すが、国に頼ってはいけない。「6兆円規模の景気対策は検討に値する。」などと経済同友会の代表の人なんかが言っちゃーいけねー。民間が前に進む進み方を忘れてしまう事が今の不況の長期化がもたらす最も恐い症状なのだ。手後れにならないうちに民間企業がすもうをとれる土俵をしっかり作ってあげて欲しい。

きっちりと政策が打たれていけば、たとえ来年度がマイナス成長になろうとも、株価(比較劣位の産業および会社の株を除く)は上がり、金利も上がるという答えをマーケットが出すだろう。


98年2月2日の独り言「風邪」

風邪をひいてしまいました。何度かアクセスして下さった方、申し訳ございません。早く直してアップデートしたいと思います。悪しからずご了承ください。


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