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番外 NHK出演記
■放送の3週間ぐらい前
NHKのディレクターよりメールを受け取る。NHK特集で「都市のヒートアイランド現象」の特集をやるので、1999年7月21日の豪雨の時の写真やビデオを撮っていないか、という内容だった。練馬区役所から紹介されたとのこと。
写真やビデオなどはないと返答した。
6月下旬に「都市のヒートアイランド現象」の番組が放映された。主に気候学の観点から新しい研究成果などを分かりやすく紹介していた。都立大の三上教授が出演していた。以前に本か論文を読んだことがあり、名前は知っている。東京湾と相模湾からの湿った空気に加えて、鹿島灘からの湿った空気がぶつかって上昇気流が起き、局所的な集中豪雨が起きたとのこと。しかし、どんな気象条件で、こうした特異気象が発生するのかは、まだ分からないようだ。
また床上浸水した米屋さんのインタビューと水害時の写真が放映された。近くの新井公園一帯は巨大な池になったようだ。あらためて、あの水害の激しさを感じた。
■放送の2週間ぐらい前
NHKの別のディレクター(男性)からメールを受け取る。ホームページを見たが、朝の番組で水害対策特集を行いたいので話を聞きたい、というので受諾する。
次の日に訪問してきたので、ホームページの内容などを使って簡単に説明する。先の米屋さん近くの公園や、江古田駅北側の窪地などを歩いて案内する。
NHK側は、水嚢を使った対策(消防庁推奨)に特に興味がある模様。番組として取り上げるかどうか社内で検討したいとのこと。
私の方は、ホームページの内容を使って説明したのだが、居住者の対策については不十分な点が多くあることに気づき、ホームページの内容の補充・改訂をおこなうことにした。
■放送の1週間ぐらい前
NHKの女性ディレクター・sさんから電話を受け取る。社内の都合でディレクターの担当が代わったので、申し訳ないが再度話を聞きたいとのこと。仕事がひまだったこともあり受諾。
次の日に訪問してきたが、小柄で賢そうな若い女性だった。まだ20代だろう。テレビ業界の(いい意味での)若さを感じる。突然の引き継ぎだったようだが、ホームページは読んでいてくれたので、説明はしやすい。居住者の対策の改訂版を渡す。
NHKの上司の意見では、もし放送する場合は水害が実際に発生して視聴者の関心が高いときがよいとのこと。それもそうだと思う。日本人は被害が出ないと行動しない。私もそうだ。
放送について大家さんの了解を得る。
■放送の4日前(7月8日)
台風が接近しつつあるが晴天が続く。sディレクターから電話で金曜日(7月12日)に放送が決まったとのこと。台風が近づいているので、視聴者の関心も高いとのこと。しかし、生放送なのでもし台風で各地に大被害が出たら、その放送が優先されるので、延期になるとのこと。
放送する場合は、私のところから中継で、放送時間は3分間ほど。放送内容は、NHK側で決めるとのことで、私には簡単なコメントをお願いしたいとのことで了承する。
自分が3分間も何をどう話そうかと考えていたので、気楽になった。台風もちょうど首都圏直撃コースだったので、放送は半々ぐらいかなと思う。
■放送の2日前(7月10日)
sディレクターから電話で、アナウンサーを含め放送スタッフが明日下見をしたいので、よろしくとのことだった。
■放送の1日前(7月11日)
台風接近のため薄曇り。放送スタッフが訪問。アナウンサーとあと1人ぐらいかと思っていたら、6〜7人もいて驚く。sディレクター、武田アナ、カメラさん、音声さん、照明さん、ADさん、中継機器のスタッフなど。照明さんはベテランだったが、そのほかのメンバーはみな20〜30代前半といったところ。
台本にそってsディレクターが、マンションの入り口から順に部屋の中、ベランダまで、カメラ位置やコメント内容などを説明していく。「絵にしにくいな」とか「移動の距離が長すぎて、放送が間延びしそうだ」とかいいながら、意見を出し合っている。
放送内容の方針は、
1.家庭で簡単にできる水害対策を紹介する。なるべく消防庁などの推奨方法。
2.特殊な事例の説明などは避け、普通の家庭でできる共通の対策を紹介する
3.朝の忙しい時間帯の放送なので、分かりやすいものにする。
であるので、それに沿って20秒ほどのコメントを話してほしいとのこと。
そのほか、洗濯機の前の戸をはずしてほしい、カメラが移動しやすいように、机を隅に置いて、不要なものは片づけて置いてほしいとのこと。
打ち合わせは1時間もせずに終わり、全スタッフは帰社。明日の放送のために、資料の段ボールなどを片づける。コメントも考えるが、うまくまとまらず。
■放送日(7月12日)
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3時頃目覚めた。台風は太平洋上を通過し首都圏には被害なし。快晴。
6時前には放送中継車到着。昨日会ったスタッフとあいさつ。
右の写真の前の車が中継車。中は放送機材が満載。屋根にある丸いアンテナから、周辺家屋の屋根の間を縫って、渋谷のNHKまで電波をとばす。昔はもっと大きなトラックだったが、いまは機材がコンパクトになったどうだ。
後ろの車は、スタッフの移動用、兼休憩用のようす。
早朝なので人通りはない。
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スタッフの注文どおりに部屋は整理して置いたので、この点の雑作業はなし。
が、水嚢をたくさん玄関口に並べたいとのこと。急遽、sディレクターと東京都推奨ゴミ袋に水をいれて、水嚢を10数個作る。
右の写真は、玄関口の水嚢。右側にあるのは、テレビカメラの撮影内容を確認するモニター。
床とかが苔むしているところがあり、きれいとは言えないが、放送では強い照明のためか、分からなくなっていた。
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リハーサルは4回実施。
私はベランダの陰に隠れて、最後に武田アナの隣に現れてコメントをすることに。カメラはみずに、武田アナの方をみてコメントするように予め注意をうける。カメラをみると、素人は緊張してしまうからだろう。
◎リハーサル1回目
コメントがつっかえて、最後までうまく言えず。「決めた文章を話そうとするからダメなんだ」と独り言をいうと、すかさず武田アナが「そうなんですよ。日頃思っていることを話せばいいんですよ」という。武田アナも台本を作らず、その場でコメントを変えながら対処している。特に武田アナの場合は、現場の状況で放送時間を3分以内に収めなくてはならないから、
コメントは文字にせず、小声で話しながら調整する。武田アナに練習をつきあってもらい、なんとか形になってきた。
リハーサルの合間に武田アナと記念撮影。sディレクターに撮ってもらう。
◎リハーサル3回目
渋谷のNHKに電波を送り、そこにいる上司のディレクターの人にみてもらう。ピンマイクをADさんにつけてもらう。(右)
渋谷ののディレクターさんによると、私のコメントにある「1時間20ミリの雨」などは一般の人には分かりにくいとのことで、内容を変更してほしいとのこと。
武田アナから、ホームページに書いてあった「浸水が起こる前に地下からゴボゴボと音がした」というのは、経験した人でしか分からないので、そういうことをコメントしたらどうかと提案があり、なるほどと思う。
なお全体の放送時間の割り当ては3分間だが、リハーサルでは3分15秒ほどになっているという。どうやって15秒を短縮するか、武田アナを中心にスタッフはそれぞれ考えている模様。
わたしも、新しいコメントを考え、20秒を越えないように時計をみながら練習。
◎リハーサル4回目
最後のリハーサルを終え、なんとかなりそうな感じ。数字を交えたコメントは難しいので止めることにした。時間も3分間を少しオーバーする程度に収まりそうとのこと。スタッフは本番が近づきだんだん緊張してきたのか無口になる。
◎本番(生放送)
私はベランダの陰に最初から隠れているので、状況は分からないが、武田アナの説明する声が、少しずつ近づいてくる。3分間はアッという間だった。コメントも最小限に絞ったので、なんとか無難にこなす。
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武田アナに紹介してもらった、網を使った排水溝の詰まりの予防方法。2つ重ねるのが私の工夫。
網は前日100円ショップで購入。
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排水溝への設置
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終了後、武田アナから「何も問題なし。百点満点ですよ。」とほめられる。スタッフ全員緊張が解けて、ほっとした雰囲気に。
玄関に並べられた水嚢は、お風呂場に移動。洗濯機の前の戸を、武田アナとsディレクターに手伝ってもらい、元に状態に戻す。
謝礼として、「利家とまつ」のテレホンカードと緊急放送が入るポータブルラジオをいただく。後日、黒磯の母に渡したら、喜んで仏壇に飾っていた。
NHKのスタッフは、アッという間に片づけを終えて30分後には撤収。また次の現場の準備だそうだ。3分間の放送のために、この人手をかけるとは、さすがに公共放送だと思う。
ビデオで放送をみたが、自分が太り気味なことにがっかりする。私は「近所の変わり者のおじさん」なのだとつくづく感じる。
また、この前後のコーナーが深刻な話題(高齢者を狙ったサラ金の問題)だったので、ほのぼのとしたコーナーとなっていた。番組としては良かったのではと思う。
■放送後
台風の影響で延期される可能性があったので、あまり連絡していなかった。しかし、意外な人たちがみていた。
・田舎のお寺の和尚さん(全国ネットはすごい)
・生命保険会社の若い女性
・文房具屋さん(買い物時におまけしてもらった)
また、後日水嚢をかたづけるために、中の水を使って洗濯を行った。余るのではないかと思っていたら、全然足りない。洗濯機がいかに水を消費するかを痛感した。
以上
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