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住宅性能表示制度と品確法の概要



 「住宅品質確保の促進等に関する法律(品確法)」は全98条(附則4条)からなります。
大きくその内容を示すと、以下の3点になります。このうち「1.住宅性能表示制度」が、本ホームページの主要な対象です。

 住宅性能表示制度の新設(第3条〜第61条)
 住宅取得者のうち希望する人は、取得する新築住宅について、品確法で定める住宅の性能表示に関する基準(日本住宅性能表示基準。内容は参考図書、建設省HP参照)に基づいた評価を受けることができます。
 この評価を行うのが指定住宅性能評価機関の評価員または外部評価員(建築士で認定を受けた者です。また評価費用は1件あたり10〜15万円程度となっています(建設省の指導)。
  
 住宅紛争処理体制の確立(第62条〜第86条)
 住宅性能表示制度に基づき、評価を受けた住宅の紛争については、新たに設置される紛争処理機関(住宅紛争処理支援センター。弁護士会等が設置)に申し立てができます。
  
 瑕疵担保期間10年間の義務づけ
 新築住宅の工事請負人または売買契約の売主は、新築住宅のうち「構造耐力上で主要な部分等」にあたる瑕疵について、10年間の修補等の義務を負うことになりました。
 「構造耐力上で主要な部分等」とは、建物構造の部分(基礎、壁、柱、土台など)と雨水の浸入を防ぐ部分(下地、サッシなど)で、住宅性能表示制度による評価の有無にかかわらず、全ての新築住宅が対象となります。

なお法律の詳細については、参考図書などを参照してください。

■住宅性能表示制度の概要
 
住宅性能を契約の事前に比較できるよう新たに性能の表示基準を設定するとともに、客観的に性能を評価できる第三者機関を設置し、住宅の品質の確保を図るものです。主な内容は以下のとおりです。

1)構造耐力、遮音性、省エネルギー性などの住宅の性能を表示するための共通ルールを建設大臣が定め(日本住宅性能表示基準)、住宅の性能を相互比較しやすくする。

2)住宅の性能評価を客観的に行う第三者機関(指定住宅性能評価機関)を整備し、表示される住宅の性能についての信頼性を確保する。

*住宅性能表示は任意の制度で、利用するかしないかは住宅供給者または取得者の選択によります。指定住宅性能評価機関は、申請者の求めに応じて住宅性能評価を行い、住宅性能評価書を交付します。

3)住宅の売買契約の際に指定住宅性能評価機関により交付された住宅性能評価書の記載内容(住宅性能)が契約内容として保証されます。

4)性能評価を受けた住宅にかかわるトラブルに対しては、裁判外の紛争処理体制を整備し、万一のトラブルの場合にも紛争処理が円滑化、迅速化されます。


■性能表示される項目
 
以下の9項目が性能表示されます。このうち音環境は希望者のみが性能評価を受ける選択項目です。

表 性能表示される項目
   項 目
内   容
1 構造の安定 地震や風などの力に対する建物の壊れにくさ
2 火災時の安全性 火災発生時の避難のしやすさや建物の燃えにくさ
3 構造躯体の劣化の軽減 柱・はりなどに使用する材木の腐食、鉄のサビなど建物の劣化のしにくさ
4 維持管理への配慮 水道・ガスなどの配管の点検・清掃・修理のしやすさ
5 温熱環境 室内の温度や冷暖房時の省エネルギーの程度
6 空気環境 内外装材のホルムアルデヒド放散量の少なさ、換気の方法など
7 光・視環境 居室の窓などの大きさ
8 音環境(選択項目) 騒音の低減など
9 高齢者等への配慮 加齢等に伴う身体機能の低下に配慮した移動のしやすさ、転倒などの事故防止

 上記の各項目ごとに、下表の考え方に従って等級や数値によって、住宅の性能が表示されます。
 どの等級・数値を採用するかは、申請者の自由意志で決めます。

表 各項目ごとの性能表示のレベルや数値の考え方(評価5が最も高い評価)

項 目
評価
5
評価
4
評価
3
評価
2
評価
1

1.構造の安定

例:地震に対する倒壊のしにくさ

極めて稀に(数百年に一度程度)発生する地震による力の
1.5倍の地震力に対して倒壊、崩壊等しない程度

-
極めて稀に(数百年に一度程度)発生する地震による力の
1.25倍の地震力に対して倒壊、崩壊等しない程度

-
極めて稀に(数百年に一度程度)発生する地震による力に対して倒壊、崩壊等しない程度

2.火災時の安全

例:延焼の恐れのある外壁の耐火時間

耐火時間60分以上 耐火時間45分以上

-
耐火時間20分以上 その他

3.構造躯体の劣化の軽減

大規模改修までの期間の目安

おおむね75年〜90年の対策

-
おおむね50年〜60年の対策

-
建築基準法のレベル

4維持管理への配慮

配管の維持管理を容易にするための対策

余裕のある対策

-
基本的な対策

-
その他

5.温熱環境

エネルギーの削減の大きさ

大きな削減 一定の削減

-
軽微な削減 その他

6.空気環境

例:内装材のホルムアルデヒドの放出量

放出量が少ない 放出量がやや少ない

-
放出量がやや多い その他

7.光・視環境

例:居室窓面積の方位ごとの比率

-

-

○○%

-

-

8.音環境

例:共同住宅住戸の相当スラブ厚(重量床衝撃音)

27cm相当以上 20cm相当以上 15cm相当以上 11cm相当以上 その他

9.高齢者等への配慮

安全な移動と車いす使用者への対策

特に配慮した措置 配慮した措置 基本的な措置 基本的な対策(移動のみ) 建築基準法のレベル

 
注)「−」は隣の欄の評価との中間にあたる評価
   東京都住宅局パンフレット「新築住宅の住宅性能表示制度がスタートします」を参考に作成した。

■評価費用と評価員の報酬額

住宅供給者または取得者が住宅性能評価書を受けるための評価費用は、1件あたり10万円程度といわれています(建設省の指導)。

評価員の報酬は、指定住宅性能評価機関の諸経費などを差し引いた額になるはずですので、上記の評価費用の半額以下と見込まれます。
仮に1件5万円の報酬とすると、1ヶ月に10件をこなせば50万円の報酬が得られることになります。

■住宅性能評価書
 
設計段階を評価する設計住宅性能評価書と完成段階の評価を行う建設住宅性能評価書の2種類があります。

1)設計住宅性能評価書
 
住宅性能評価の依頼を受けた指定住宅性能評価機関は、設計図書(設計図面や仕様書など)を日本住宅性能基準(および評価方法基準)に基づいて評価し、その結果を設計住宅性能評価書に記載し、交付します。
 依頼者は、設計住宅性能評価書に記載された性能を確認した上で、住宅の建築工事の契約を締結するか否かを判断することになります。

2)建設住宅性能評価書
 
建設される住宅が設計住宅性能評価書どおりの性能を実現できるか否かのチェックの結果が建設住宅性能評価書です。そのため、施工段階において指定住宅性能評価機関は数回中間検査を行い、さらに完成段階においても最終の検査を行います。こうして、完成住宅についての評価書である建設住宅性能評価書を交付します。
 住宅取得者はこの建設住宅性能評価書に記載された性能を確認した上で、住宅の引渡しを受けることとなります。

*詳細は国土交通省HPで公表されています。
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/torikumi/hinkaku/hinkaku.htm



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