ANDO'S EXPRESS 2


- これまでの「雑感」より-
(1996年9月ー97年2月)


Tower Bridge, London, England

ANDO'S GLOBAL EXPRESS 英国リンク集

「雑感」REVIEW

(2月23日)日本を外から見ていると、近隣諸国に言われっぱなしの感があります。日本人の過去の行為に関して、恥ずべき点が無いとは言えないでしょうし、 それは素直に自省してみるべきでしょうが、歴史をありのままに見、法と正義に基づいて判断することが一番大切だと思います。そういう意味で、近隣諸国の 態度はあまり感心しませんし、変に自虐的になったり(一部の報道も含め)、逆に変に感情的に反発したりする日本側も問題です。 例えば、尖閣諸島の領有に関して中国や台湾が論ずるなら、本来、台湾の領有を巡る歴史的事実も含め、過去の条約に則って、冷静に議論すべきでなのでしょうに、日本は外交に於いて、堂々とこういう議論をしません。 北方領土も竹島問題も然りです。いや、領土問題だけではなく、他にも本来、法と歴史的事実に照らせば、言われる筋合いの無いことは、山ほどありそうですし、それ以前に、内政干渉気味のこともありますね。
言うべきことを言わずに損をするのは、国際社会では美徳でも何でもなく、単なる愚か者です。真の友人になる為にも、言うべきことはお互いにきちんと論理的に言うべきです。 英国は、紳士であると同時に、遠く離れたアルゼンチン近海のフォークランド諸島の領有について、一歩も譲りませんでした。 日本及び近隣諸国が理解すべきなのは、「感情的な議論では誰も相手にしてくれないが、法と正義に基づく限り、世界はそれを理解し、支持してくれる筈だ」ということです。

(2月15日)英国への動物の入国は、大変厳しく規制されています。たとえペットであっても、犬・猫などを入国させる為には、例外なく6ヶ月間の検疫所(Quarantine)暮らしを経なければなりません。 私は、米国から引っ越す時に、10匹の小さなハムスター(時価千円位)を持ち込んだのですが、何と、30万円位払わされて吹きっさらしのドーバーの検疫所に6ヶ月入れられ、あげくの果てに、引き取るまでに9匹が死んでしまいました。 農業省に例外扱いの要望を出したのですが、「英国人が安心してペットを飼う為には例外は認められない」という慇懃無礼な返事が返ってきました。 一説には、検疫所の職を奪うことへの抵抗が強いからとも言われていますが、動物に対してこのような扱いを強いながら、わずかな量のクジラ漁に強く反対するなど、この辺は自己矛盾と言われても仕方ないかもしれません。 又、公園は、いつも青々とした素晴らしい場所ですが、101匹わんちゃんの舞台となっており、市街を見下ろす眺めも超一流のPrimrose Hill公園などは、地元のガイドブックに「犬の便所」と酷評されている位で、こと「落とし物」の処理に関する飼い主のマナーは最低です。 ペットに関しては、英国人はちょっと自己勝手かもしれません。これは、英国の数少ない悪い面の一つだと思います。

(2月8日)日本に久しぶりに来て驚くことは、人々の礼儀や恥じらいのなさです。どんなに電車が混んでいても若者が座席を二人分占拠したまま平気な顔をしているとか、まともに返事をしないとか、自転車が、歩道を歩く人を警笛で追い払いながら通るとか、 後から来る人の為にドアを押さえておかないとか、列に平気で割り込むとか、レストランで子供を泣かせるとか、そんな風景に毎日出くわします。 昨年10月2日付けのWall Street Journal紙は、「日本で、今唯一成長している産業は、中高校生の売春産業だ」と、大々的に報道しています。 英国は、日本に比べると大学進学率はずっと低いけれども、まともな社会常識を身に付けた人間の率は、日本の何十倍もあると思います。 その原因を宗教に求める人もいるようですが、多民族化している英国では、一般の学校でキリスト教を教えることはありません。 結局は、両国の、今の親の世代の教養の差ということでしょう。日本は高度成長の陰に、何かを忘れてしまったようです。 「グローバルスタンダード」という言葉が流行りだしていますが、制度だけ変えても、うまくいかないでしょう。まず、個人のレベルで、最低限のモラル(Morale)と教養を備え、フェア(Fair)で合理性がある(Reasonable)ことが必要です。 家庭と学校での教育者(先生と親)の資質をまず見直すべきでしょう。

(2月9日)今週14日はSt.Valentine's Dayです。日本では、女性が男性にチョコレートを送る習わしになっているようですが、これは誰が決めたのか知りませんが、笑止千万です。 欧米では、この日は、女性から男性に、だけではなく、男性から女性にも、愛を告げる日です。新聞の広告欄は、大切な人へのウイットの効いたメッセージで埋まります。 心がこもらない無駄な出費は、そろそろやめませんか。

(2月1日)英国の住居は、一軒家も、アパート(英国では'Flat'と言います)も、19世紀以来の古いものが多いのですが(この辺の事情はいずれ触れます)、基本的に全館暖房ですから、 暗く長い冬でも、家にいる限りは快適です(・・・とは言っても、よくボイラーが故障して1ー2週間も直らないなんてことがありますが)。そうなってくると、ソファーに横たわってテレビを観ることが多くなるのですが、 英国(ロンドン)の地上波テレビは、BBC(日本のNHKに相当),BBC2(日本のNHK教育に相当)、ITV,Channel 4 の4チャンネルしかありません(現在5つ目のチャンネルが計画されています)。 また、先週、スポーツがつまらないというお話をしましたが、テレビ番組も、それを反映して、なかなか地味な作りです(例えば牧羊犬のコンテストとか、室内馬術とか、アンティークの鑑定とか・・・)。
一方、衛星放送は、90年台に入り、メディア王と言われる、豪州のマードック氏が率いるB Sky Bが進出、米国のスポーツなど、番組内容も充実しております。勿論、日本語放送もあります。 又、BBCは、現在、地上波放送をデジタル化する計画を進めております。
英国の魅力は、このように、古いシステムを大事にしながらも、斬新なものをどんどん取り入れていることでしょう。

(1月25日)冬の数少ない楽しみの一つは、スポーツ観戦だという方も多いと思います。実際、日本のみならず、米国でも、冬は、アイスホッケー、バスケットボール、そしてアメフトと、週末は飽きることがありません。 しかしながら、英国ではそうはいきません。冬にスポーツ番組をつけると、ボウリング(Bowling)ダーツ(Darts)、そしてスヌーカー(Snooker)が'World Championship'などと銘打って延々と放映されています。 ボウリングと言っても、それは、'Lawn Bowls'と言うもので、芝生の上に投げた小さな白球に、如何に近付けるかを二人で争うゲームです。日本で普通に行われるあの豪快なボウリングは、Tenpin Bowlingと言って、全く別物です。 スヌーカーと言うのは、ビリヤードの一種ですが、赤玉(1点)15個と、その他色々な色(色によって点数が違う)の玉7個を、->その他の色->->その他の色という風に、交互に穴に落としていくというもの。 ダーツはご存じのダーツですが、点数と上がり方のルールは細かく決められています。このような「スポーツ」を、英国人と一緒にビールを飲みながら楽しめるようになれば、あなたも英国の暗い冬が問題無く乗り越えられるでしょう。

(1月18日)英国滞在を始めて間も無い人にとっては、1月は明るい気分になれない月でしょう。緯度が高い英国は、夏は非常に日が長く、冬は非常に日が短いのが特徴です。 冬至の前後は、明るくなるのが朝の8時前、暗くなるのは3時半といった案配です。しかも、この時期、その短い日中も、晴れることは少なく、いつもどんよりとしています。 でも、滞在が長くなるにつれ、夕方、薄暗く、霧雨が降る路地のパブから洩れるほの暗い明かりに誘われてエール(ビールの一種)を一杯・・・というのがたまらなく良くなってくるものです。 一部の英国人に言わせれば、緯度が高いにもかかわらず、英国の冬がさほど厳しくないのは、暖流と、曇り空のお陰だとか。確かに、からっと晴れた日というのは寒いものです。
とはいえ、やっぱり、英国人といえども、この時期、休みを取って、南の島に日光浴に行くというのが大変ポピュラーではありますが。

(1月12日)日本の株式市場が暴落しています。踊り場はあるかもしれませんが、株価下支え材料は乏しく、このままで推移すると、平成の金融恐慌も現実味を帯びてきます。 昨年夏に、この欄で、FairReasonableな議論がなされる、英米流の社会への変革が必要と述べましたが、 昨今政治家が表明している行政・金融等の改革も、こうしたカルチャー変革を伴ったものでないと実態を伴わないものとなります。欧米はここ数十年、日本という国が非常に異質であることを 知っていますから、表面的に制度をGlobal Standardにするというだけの改革には反応しません。従って、政治と各企業が、形態的な変革のみならず、社会経済のGlobal Standardである、アングロサクソン流の考え方を社会及び企業(コーポレートガバナンス)に持ち込み、世界と 価値観を共有するという意思表明をすることこそ、必要なのです。それは、必ずしも、日常レベルでの日本の伝統的な文化を破壊するということではありません。
とはいえ、今回の株価暴落の直接の原因は、経済が安定していない状況下で、増税や、ビジョンの不明確なビッグ・バンを打ち出した、政治の失敗です。英国で行われたビッグ・バンは、不況を抜け出し、 サッチャー政権で経済が安定軌道に乗りつつあるタイミングで行われ、その際に避けて通れない、中央銀行(BOE)による不良金融機関救済の手法(Life Boat)に関しても、70年代前半に試行済みでした。

(1月5日)良いお年をお迎えのことと思います。今年も宜しくお願いします。
正月に斑尾のスキー場に行ったのですが、久しぶりにタイヤチェーンなどという野蛮な道具を目にしました。 以前、冬には零下20度を下回り、雪も頻繁に降るChicagoに住んでおりましたが、タイヤチェーンなどしている車はありませんでした。 勿論、ロンドンでも雪が降り、たまに古い地下鉄や国鉄をストップさせますが、タイヤチェーンにはお目にかかれませんでした。 夏にスイスで猛吹雪に見舞われた時も、皆、普通のタイヤで走っていました。
日本でもスタッドレスタイヤが使われるようになってきていますが、タイヤの性能は以前より向上していますし、そうむきになってチェーンを付けさせる必要もないのではないでしょうか。
それにしても、帰省・Uターンにスキー帰りの車で、高速道路の混雑はひどかったですね。欧米でも帰省はThanksgivingやChristmasの時に集中しますが、行楽は別に休みを取りますので、 何もわざわざ、こんなに混んでいる時に出かける必要はないのです。

(12月28日)いよいよ年も押し迫ってきました。英国では、大晦日には、正装してディナーを取るというのが上流階級の習わしです。
トラファルガースクエアには、年の終わりのカウントダウンの為に大勢の人が集まります。
テレビを付ければ、この一年間を、ウイットの効いた言葉と映像で振り返る番組に続き、ビッグ・ベンが0時を告げる場面が映し出され、 それから新年を祝う蛍の光が歌われる・・・という具合です。
でも、欧米ではクリスマスが最大のイベントで、新年の休みは元日だけです。 1月2日からはビジネスはフル回転しますので、在住の日本人には、つらい時期です。
皆様、良いお年をお迎え下さい。

(12月21日)クリスマス・イブは、家族(親許)で、静かに、且つ楽しく過ごすもの、というのが欧米の常識です。
そして、英国では、クリスマス当日は、親族一同で、料理とシャンパン、そしてこの日のために長く保存されてきたクリスマス・プディング(但し私には、お世辞にもおいしいとは言えませんが・・)を囲んで祝います。
日本人も、もうそろそろ、商業主義と横並び意識に毒された、不謹慎なクリスマスの馬鹿騒ぎから脱却しては如何でしょうか。 クリスマス・イブに、婚約もしていない男女大勢が、競ってホテルに泊まる図など、欧米から見れば笑止千万。 よく恥ずかしげも無く出来るものだと、変な感心をしてしまいます。
何はともあれ、世界のキリスト教徒の皆様、メリー・クリスマス!

(12月7日)師走を迎え、慌だしいですね。英国では12月に入ると、クリスマスを前に、ビジネスは一気に減ります。クリスマスには皆ホームタウンに帰るのを楽しみにしています。 米国の場合は、皆、11月の Thanksgiving Day の時に家族の許に帰っているので、雰囲気は少し違いますが、まあ似たようなものです。 日本では帰省は盆・暮れですよね。日本人がお屠蘇気分でいる1月初旬は、英米は宴の後で、ビジネスはフル回転です。

(11月30日)日本の高速道路の制限時速は遅すぎるように思います。欧州では、法令はあっても、事実上、速度制限は無いに等しく、車の性能を十分に楽しめます。 一方、米国では、制限速度は55ー65マイルと厳しく、実際にハイウエー・パトロールが頻繁に出没するので、どんなに広い荒野の一本道でも油断できません。 日本は米国に似ていますが、それにしても、制限速度80キロ(50マイル)はひどすぎます。もう少しドライバーと車の性能を信頼してはどうでしょう。
尚、高速道路は、英国では Motorwayと言い、'M-4'(高速4号線)のように表示されます。ドイツは、ご存知の通り Autobahn で、一般に欧州大陸の高速道路は'A-XX'と表示されます。 米国では Highway/Express Wayです。

(11月17日)英国ではタクシー(Cab)の運転手になる為には、「その地域(例えばロンドン)のすべての道の名前と場所」、「ある地点に行くためにはどう行けば一番近いか」などを問う、 厳しい試験に受からねばなりません。従って、交番が無い英国では、道に迷った時は近くのタクシーの運転手に聞くのが最も確実です。勿論、乗ったら、「XXストリートXX番地」とだけ言えば、確実に連れていってもらえます。 これに比べ、東京のタクシードライバーは、住所を言っても「それはどこ?]と聞かれてしまう始末。その割に、値段は高く、態度も横柄で、一体どうなっているのかと思います。

(11月3日)日本は3連休です。ところで、日本ほど訳の判らない「国民の休日」が多い国も少ないのではないでしょうか。 因みに、英国では、国民の休日は、元旦・イースター(4月)・クリスマス(12月)だけです(他に「バンク・ホリデーという休日が3日ありますが)。
どうして自由に休暇を取れる雰囲気が無く、こうして皆で画一的に休まされるのか、考えてしまいます。 これでは、どこに行くにも混んでいて、非常に効率が悪いと思うのですが。国民の休日など最低限にして、普通に認められている有給休暇を当たり前に取れるような社会にならないものでしょうか。

(10月12日)エスカレーターに乗るとき、先に行く人の為に片側を空けておくという習慣は、漸く日本でも定着しつつあるようです。 これは英国の習慣の輸入ですが、大変良いことだと思います。但し、英国では左側を空けておくことになっているのに対して、日本は右側のようで、ちょっと戸惑いますね。

(10月5日)秋になると思い出す英国の行事の一つに「ガイ・フォークス・デイ」というのがあります。
昔国会議事堂を爆破しようとした一味の名前に因んだものですが、「爆破」に引っかけて、当日はあちこちで花火を打ち上げます。長く暗い英国の秋の最中にあって、人々の大きな息抜きになっています。
又、以前米国にいた頃は、花火と言えば独立記念日に見るものと決まっていました。朝から家族・親族でバーベキュー、それからその町で一番花火がよく見える丘やビルに陣取るのです。
花火は日本では夏の風物詩ですが、英国では絶対に秋から冬のもの、米国では夏の始まりを告げるものなのです。
ついでに言えば、「蛍の光」は英国のスコットランド民謡ですが、英国では年明けと共に歌われるものと決まっており、決して(古い年への)惜別の歌ではありません。 12月31日の内にあの歌が歌われるのを聴くと、英国人は奇異に思う筈です。


ナショナルトラストの紹介数を増やせとの強いご要望に応え、「ロンドンから日帰りで訪ねるナショナルトラスト」を大幅に増やすと共に、ヨークシャーのナショナルトラストのページも新設しました。今後とも徐々に増やしていきます。 尚、ナショナルトラストに行く際の道路に付いては、英国観光局から道路地図を入手するか、英国内の売店でAA(Automobile Association)の地図を購入して下さい。

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