(5)ルクセンブルク
ルクセンブルクの町中。
パリから、電車でがたごとと揺れながら5時間ほど北東の方角に進とルクセンブルクに到着します。ルクセンブルクは小さな大公国、ヨーロッパの典型的な小国でしょう。フランスとドイツの間に挟まれて、色々な文化を併せ持つ独特な地方です。
このルクセンブルクには、六年ほど昔、オランダに留学中に研修旅行の一環で来たことがあります。しかしながら、バスで到着したのはもう夜半、そして翌日朝には欧州司法裁判所と欧州議会見学を済ませて、さっさと次の目的地に向かってしまったのです。遠くに、美しいアドルフ橋を眺めながら、ゆっくりと市内見学する暇もなく去ってしまったことをとても残念に思っていました。それ故、今回は是非ともルクセンブルクに立ち寄ってみたかったのです。
緑に包まれる町中。

これは、電車の橋。 これは街並み。
それにしても、パリから結構時間がかかりました。さすがにこれだけ山の奥に入って行くからには、長い間だ陸の要塞としてあまり侵略されることがなかった理由も分かります。
田園風景をのどかに電車に揺られて行くのは、なかなか良いものです。随分と時間がかかるということで、本を何冊も鞄に入れてきたのですが、あまりにも平和的な風景とあまりにも平和的な陽気のもとで、パリ東駅を発車してから乗り換えのメッツ駅へと到着するまでの3時間を、完全に眠ってしまった。本は、わずか数ページめくったところで、座席の横に落ちていた。確か、切符の検札のおじさんがきたところまでは覚えていたのだが。
ルクセンブルク中央駅の駅前の雰囲気は、日本の地方の大きな駅と全く同じ感じです。駅前ではタクシーやバスが止まっており、駅前にはいくつかのレストランやホテルがある。そして、駅から数分でもう観光できるような、城壁や渓谷、橋があるわけです。

渓谷の街並み。 おなじく、尖塔と街並み。
これほどまでに緑と人が、一体になって、自然と街が調和している場所も少ないのでは。とても、心が和みます。こんなところで1ヶ月ぐらい読書をしたら、さぞかしはかどるでしょうね。外は雪など降っていたりして。クリスマスとかも、こういったヨーロッパの小さな街では、とても楽しいものでしょうね。
ちょっとしたレストランです。高いので入らなかったが。
ここで楽しみにしていたひとつは、「ショコラ・ショ・アベック・クレム」という、いわゆる生クリームがたっぷりとのっかったホット・チョコレートです。六年前にオランダ留学中には、これをとにかく好んで飲んだ。寒い日に外を散歩すると、ほっぺや鼻が赤くなり、体は冷えて、すぐつかれる。となると、いわゆるカフェやパブに入って、これをいただくわけです。そうするとすぐに体が温まり、暖房にしばらくあたって体力が回復すると再び外を歩くわけです。なかなか楽しい日々でした。
それとまだこのときはあまりなかったのですが、「グリューン・ワイン」というのも、魅力的ですね。これはクリスマス・シーズンに、オランダやベルギーやドイツの多くの街で、飲むことが出来ます。いわゆるホット・ワイン。ドイツのクリスマス・マーケットなどにいくと、寒い夜店の多くの中に、このようなグリューン・ワインを売っている店があって、これを飲んで体を温めるわけです。本当に暖まる。湯気が鼻の中にはいると、むせるかんじになりますが。なにせアルコールですからね。
これを日本に帰ってから飲みたくて、ある大きなお酒やさんにいったら、ホット・ワイン用のワインでなくても、むしろこういった普通のワインのほうが美味しくできますといわれ、そういうワインとシナモン・パウダーを買って、ゆっくり時間をかけたら見事にできた。全く同じ味でした。感激。
さて、ホットワインからルクセンブルクに話を戻しますと、ここは大公の国で、町中に小さなお城があります。
ルクセンブルクの大公宮殿。
さすがに、国のサイズに合わせてか、小さめだった。もちろん、パリのルーブル宮やベルサイユ宮殿とは、全く大きさが違います。むしろこういった控えめなサイズだから、現在でも大公の制度が続いているのかも知れませんね。
ルクセンブルクを走る電車。その向こうは、ヨーロッパセンター。
てなわけで、ルクセンブルクで楽しい一日を過ごせました。
なかなか立ち寄るには、遠い場所にありますが、一生に一度はこういった街に立ち寄ると、色々と心が安らぐと思いますよ。
(完)