1998年第1回研究会報告結果

共通テーマ
「戦前日本外交における協調政策の研究」

日程     1998年1月24日(土) 15:00 - 17:00
場所     慶應義塾大学三田校舎大学院棟5階 352号教室 (別紙参照)
最寄り駅  JR田町駅、都営地下鉄三田駅から徒歩約10分

報告

関東大震災後の国際緊急援助と日本政府の対応 ―アメリカ援助の場合
   報告者 飯森明子 (常盤大学大学院博士課程)
   討論者 吉村道男教授 (静岡県立大学)

1920年代政友会の対外政策構想
   報告者 冨田圭一郎 (国立国会図書館)
   討論者 酒井哲哉助教授 (東京大学)

     司会 細谷雄一 (慶應義塾大学大学院博士課程、院生研責任者)


報告者紹介
飯森明子   常盤大学大学院博士課程
論文
「辛亥革命と駐清公使伊集院彦吉」『法学政治学論究』(慶應義塾大学)第31号 (1997年)

冨田圭一郎  国立国会図書館
論文
「『田中外交』への一視角」『外交時報』1997年3月号

討論者
吉村道男 静岡県立大学教授
主著・論文
『日本とロシア』(原書房、1968年)他多数

酒井哲哉 東京大学助教授
主著・論文
『大正デモクラシー体制の崩壊』(東京大学出版会、1992年)他多数


今回の報告では、飯森会員と冨田会員が、それぞれ戦前の日本外交史における1920年代の国際協調と政策過程、そして政党政治の問題に関わる報告を行った。

飯森会員の報告では、関東大震災後の米国の復興援助をめぐって、陸軍が「思想的理由」から援助を拒むという、興味深くかつ新しい問題を提起した。そこでは、その後の日米関係における対立の側面と協調の側面tが複雑に結びついていることが明らかとなり、ある意味では日米冷戦の「イデオロギー」的側面を照らし出すものである。

他方で、冨田会員は、従来のように、国際協調に積極的な幣原外交と、否定的な田中外交という単純化された構図に意義を唱え、政友会の提唱した「産業立国論」に焦点を当てて、むしろ政友会では軍事問題ではなく経済問題を外交の中心に据えて、日中提携を模索したことを明らかにした。

この興味深い二つの報告に対して、その分野で既に高い評価を受けている吉村教授と酒井助教授から、実に問題の本質に迫る鋭い質問があがった。また、自説をふまえてさらに新しい問題提起を加えて、今後の研究の焦点と課題を提示して頂けた。

参加者は、20名を超え、長時間いびきの聞こえぬ実に新鮮な研究会であった。

この討論の続きは、場所を居酒屋駒八に移して、おいしいお料理とお酒と共に行われた。

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