てつさん放浪記 <ほっかいど編>


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しょの7

 「おー!来た来た!」
わざわざ声に出したのは、泰正もボーッとしていたからだ。
カラ元気も、元気。

天気は降るとも降らぬともつかぬ薄曇り。
店の中にまで、湿った空気が入り込んできているようだ。
(現に、畳が柔らかいもんなぁ)

…それは意味が違うと思う。

 ×

 ずず。
「お?」
ずずず。
「おぉ!」
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てつさんが顔を上げた。 「んまいぞ、これ!」 嬉しくなってきて、てつさん寿司もパクつく。 もんぐ、もんぐ、もんぐ!! (ひゃ〜! これなら倍額払ったっていい!) てつさん、すっかり嬉しくなっちゃった。 「う〜ん、これぞ ほっかいど! はるばる来た甲斐があるとゆーものだ!」 泰正の顔もほころんでいる。 「ほんとにそうですね(^^)」 ← おぉ?珍しい。カオ文字が入ったぞ(笑)。  ×  …でも。 と、てつさんがツマンないカオをしたのだろう。 見咎めて、泰正がてつさんに目で問うた。 「?」 「これ。永ヤンにも、食わせたいなぁ(;;)」 「…あぁ」 てつさんも言葉少なに答えた。  永ヤンはラーメンが大好きなんだ。 でも、妻帯者なので独りだけで行動できないのだ。 ましてや「ラーメンを食べるためだけに ほっかいど」なんて。 ここに、こんなに んまいラーメンがあるのに。 (あぁ、宅配できたなら) てつさんは、ふと 永ヤンの居る西の方を見やった。 薄曇りの空の下、霞む海岸線が伸びている。 (げげ。これから、あれを走って行くのか?) 可哀相な永ヤンの事など、一瞬で吹っ飛んでしまった。 てつさんは、一時、永ヤンを忘れる事にしたのだった。 …。 これもウソではない。  ×  「さて」 と、ガソリンスタンドでてつさんが言った。 「…これでバイクも人間様も、オナカいっぱいだ。後は、フェリーに向かって走る だけ(^^)」  ××  室蘭に付いたのは、14:30。 奇麗な鉄筋コンクリートの建物だった。 内装も事務所と言うより、オフィスって感じの。
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受け付けのねーちゃんも奇麗だし。 …いや、受け付けの「女性」でした。 そんなこた、どうでもいい。  20:40の便、キャンセル待ち7番。 「う〜ん…」 てつさん、唸ってしまった。 これが函館なら「買い!」だ。 キャンセル待ち20番くらいまでなら期待できる。 フェリーの移動時間が5〜6時間ある上に、20:40まで休憩タイムのおまけつ き。 休憩はたっぷり取れる。 けれど、ここは室蘭。 やってくるフェリーは小さい。 そして、もし乗りはぐれたら 次は翌朝。 「う〜ん、う〜ん、う〜ん…」 今日中になんとか本州上陸を果たしたいてつさんは唸りっぱなしだ。 ところが泰正にはまだ日程に余裕があった。 「今のうちに、トイレに行ってきますね」 …泰正の薄情もん! 空は無邪気に晴れていた。  ××× …続きはいずれ。 それでは、また。

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最終更新日 1999/ 4/30